ヴォルフガング・ゲルト・シュトレーゼマン(Wolfgang Gert Stresemann、1904年7月20日 - 1998年11月6日)は、ドイツの法律家、指揮者、作曲家である。
若年期と教育
シュトレーゼマンは1904年7月20日にドレスデンで生まれた。父はヴァイマル共和政期の首相でノーベル平和賞受賞者のグスタフ・シュトレーゼマン、母はユダヤ系の(ケーテ)(旧姓 クレーフェルト)である[1]。
ベルリンで育ち、当地のギムナジウムに通い、父の後継者として政治家になるつもりで法学を学んだ。また、(ジャン・パウル・エルテル)から作曲を、ヴァルター・グマインドルから指揮を学んだ。1920年代にベルリンで初めて指揮をした。ハイデルベルク大学に進学し、法学博士号を取得した。
キャリア
1929年に父が亡くなり、1933年にアドルフ・ヒトラーが政権を掌握した後は、母がユダヤ系だったために、全ての演奏や仕事の機会が奪われた。ドイツ国内でのユダヤ人に対する圧力が高まる中で、1939年にシュトレーゼマンは家族とともにアメリカに渡った。アメリカではブルーノ・ワルターの助手として働き、1949年からはオハイオ州トレドでオーケストラの主任指揮者となったほか、音楽批評も行った。
1953年、シュトレーゼマンは初めてベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の指揮をした。1956年にドイツに帰国してベルリンに居住し、1959年までベルリン放送交響楽団の支配人を務めた。1959年から1978年までと1984年から1986年まで、ベルリン・フィルの支配人を務め、ヘルベルト・フォン・カラヤンが指揮者・音楽監督を務める同楽団の全盛期を支えた。
引退後は回顧録などを執筆した。1998年11月6日にベルリンで死去した。遺体はベルリンの(ダーレム森林墓地)に妻とともに埋葬されている。ベルリンのシュトレーゼマンの家はベルリン芸術アカデミーが管理している。
私生活
1953年8月18日、アメリカ人ピアニストのメアリー・ジーン・アセイ(Mary Jean Athay, 1924–2007)とミュンヘンで結婚した。
娘の(クリスティーナ)(1957年生まれ)は、連邦裁判所(ドイツの最高裁判所)の判事になった。
著書
- Die Rechtsprechung des Kartellgerichts.(カルテル裁判所の判例) Dissertation. Erlangen 1929
- Philharmonie und Philharmoniker(管弦楽団と管弦楽団員) Stapp. Berlin 1977 (ISBN 3-87776-518-1)
- Mein Vater, Gustav Stresemann(私の父、グスタフ・シュトレーゼマン)Herbig. München 1979 (ISBN 3-7766-0974-5)
- ... und abends in die Philharmonie. Erinnerungen an große Dirigenten(……そして夜には管弦楽団へ: 偉大な指揮者たちの思い出)Kristall bei Langen-Müller. München 1981 (ISBN 3-607-00045-X)
- „Die Zwölf“: vom Siegeszug der 12 Cellisten der Berliner Philharmoniker.(ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の12人のチェロ奏者の凱旋について) Atlantis-Musikbuch-Verlag. Zürich 1982 (ISBN 3-7611-0652-1).
- 2., ergänzte Auflage 1990 (ISBN 3-254-00159-1)
- Eine Lanze für Felix Mendelssohn(フェリックス・メンデルスゾーンに捧げる槍) Stapp. Berlin 1984 (ISBN 3-87776-275-1)
- Weimar, Augenzeuge deutscher Schicksalsjahre.(ワイマール ドイツの運命の年の目撃者) (Vortrag.) Robert-Bosch-Stiftung. Stuttgart 1986
- Wie konnte es geschehen? Hitlers Aufstieg in der Erinnerung eines Zeitzeugen(あれは如何にして起きたのか? 生き証人の記憶におけるヒトラーの台頭) Ullstein. Berlin, Frankfurt 1987 (ISBN 3-550-07981-8)
- Ein seltsamer Mann...: Erinnerungen an Herbert von Karajan.(奇妙な男: ヘルベルト・フォン・カラヤンの思い出) Ullstein. Frankfurt, Berlin 1991 (ISBN 3-550-06508-6)
- Zeiten und Klaenge: Ein Leben zwischen Musik und Politik(時と音: 音楽と政治の間の人生)Ullstein. Frankfurt, Berlin 1994 (ISBN 3-550-07061-6)
作曲
- 交響曲(写本) - マックス・フォン・シリングスによりベルリンで初演
- 室内楽
- Drei Lieder für Gesang und Pianoforte, op. 5.(声楽とピアノフォルテのための3つの歌曲) (Bote & Bock, 1927) [2]