ワールド・マッチプレイ (英語: World Matchplay) は、プロフェッショナル・ダーツ・コーポレイション (PDC) が開催するダーツのトーナメントである。 初開催の1994年から、ブラックプールの(ウィンター・ガーデンズ)において、毎年開催されており、PDC ワールド・ダーツ・チャンピオンシップと同じく、PDC主催大会において、最も長く続いている (厳密には、開催月の関係で2番目)。
歴史
ワールド・マッチプレイは、1980年代からの名選手であった(ジョッキー・ウィルソン)が最後に参戦したテレビ放送される主要トーナメントとなったり[1]、イギリスにおいてテレビで生放送されている試合中、フィル・テイラーにより初めて(ナイン・ダート・フィニッシュ)が達成されたイベントとなったりと[2]、見所も多い。2020年は新型コロナウイルス感染拡大のため、ミルトン・キーンズのマーシャル・アリーナで無観客開催された。2022年には初の女子大会(ワンデー大会)が行われた。
2012年以前は、他大会とは異なり、予定のレグ数に達しても、2レグ差がなければ無限に延長されるルールであったため、予定よりも大幅に長引く試合があった。2018年大会から優勝者にフィル・テイラー・トロフィーが授与される[3]。
歴代優勝回数はフィル・テイラーの16回、次いでマイケル・ヴァン・ガーウェンの3回。
結果
決勝の結果は下記の通りである[4]
Year | 優勝 (決勝平均) | Score | 準優勝 (決勝平均) | 賞金 | スポンサー | 会場 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
総額 | 優勝 | 準優勝 | ||||||
(1994) | (ラリー・バトラー) (90.72) | 16–12 | (デニス・プリーストリー) (91.59) | £42,800 | £10,000 | £6,000 | Proton | (ウィンター・ガーデンズ), ブラックプール |
(1995) | フィル・テイラー (90.72) | 16–11 | (デニス・プリーストリー) (87.63) | (Webster's) | ||||
(1996) | (ピーター・エヴィソン) (100.51) | 16–14 | (デニス・プリーストリー) (96.67) | £52,000 | £12,000 | £7,000 | ||
(1997) | フィル・テイラー (106.32) | 16–11 | (アラン・ウォリナー=リトル) (98.42) | £48,000 | £6,000 | |||
(1998) | (ロッド・ハリントン) (95.03) | 19–17 | (ロニー・バクスター) (94.07) | £58,000 | £14,000 | £7,000 | PDC | |
(1999) | (ロッド・ハリントン) (85.95) | 19–17 | (ピーター・マンリー) (86.91) | |||||
(2000) | フィル・テイラー (100.32) | 18–12 | (アラン・ウォリナー=リトル)(97.14) | (Stan James) | ||||
(2001) | フィル・テイラー (99.57) | 18–10 | (リッチー・バーネット) (90.99) | £65,000 | ||||
(2002) | フィル・テイラー (98.76) | 18–16 | (ジョン・パート) (94.14) | £75,500 | £15,000 | £7,500 | ||
(2003) | フィル・テイラー (94.38) | 18–12 | ウェイン・マードル (97.44) | £80,000 | £8,000 | |||
(2004) | フィル・テイラー (100.20) | 18–8 | (マーク・ダッドブリッジ) (89.24) | £100,000 | £20,000 | £10,000 | ||
(2005) | コリン・ロイド (97.89) | 18–12 | (ジョン・パート) (94.53) | £120,000 | £25,000 | £12,500 | ||
(2006) | フィル・テイラー (100.08) | 18–11 | ジェームズ・ウェイド (90.01) | £150,000 | £30,000 | £15,000 | ||
(2007) | ジェームズ・ウェイド (96.83) | 18–7 | (テリー・ジェンキンス) (91.62) | £200,000 | £50,000 | £20,000 | ||
(2008) | フィル・テイラー (109.47) | 18–9 | ジェームズ・ウェイド (102.58) | £300,000 | £60,000 | £30,000 | ||
(2009) | フィル・テイラー (106.05) | 18–4 | (テリー・ジェンキンス) (92.32) | £400,000 | £100,000 | £50,000 | ||
(2010) | フィル・テイラー (105.16) | 18–12 | レイモンド・ファン・バルネフェルト (100.11) | |||||
(2011) | フィル・テイラー (103.84) | 18–8 | ジェームズ・ウェイド (98.84) | (Sky Bet) | ||||
(2012) | フィル・テイラー (98.97) | 18–15 | ジェームズ・ウェイド (95.92) | (Betfair) | ||||
(2013) | フィル・テイラー (111.23) | 18–13 | (エイドリアン・ルイス) (105.92) | BetVictor | ||||
(2014) | フィル・テイラー (107.19) | 18–9 | マイケル・ヴァン・ガーウェン (101.49) | £450,000 | ||||
(2015) | マイケル・ヴァン・ガーウェン (99.91) | 18–12 | ジェームズ・ウェイド (90.37) | |||||
(2016) | マイケル・ヴァン・ガーウェン (103.93) | 18–10 | フィル・テイラー (101.13) | |||||
(2017) | フィル・テイラー (104.24) | 18–8 | ピーター・ライト (99.74) | £500,000 | £115,000 | £55,000 | ||
(2018) | ゲイリー・アンダーソン (101.12) | 21–19 | (メンサー・スルホビック) (104.43) | |||||
(2019) | (ロブ・クロス) (95.16) | 18–13 | マイケル・スミス (95.91) | £700,000 | £150,000 | £70,000 | (Betfred) | |
(2020) | (ディミトリ・バン・デン・バーグ) (98.31) | 18–10 | ゲイリー・アンダーソン (92.81) | (マーシャル・アリーナ), (Milton Keynes) | ||||
(2021) | ピーター・ライト (105.90) | 18–9 | (ディミトリ・バン・デン・バーグ) (100.88) | (ウィンター・ガーデンズ), ブラックプール | ||||
(2022) | マイケル・ヴァン・ガーウェン (101.19) | 18–14 | (ガーウィン・プライス) (96.92) | £800,000 | £200,000 | £100,000 |
大会記録
- ナインダートフィニッシュ
- 2002年大会で、フィル・テイラーが準々決勝で全英生中継で初めて達成。
- 2010年大会1回戦、レイモンド・ファン・バルネフェルトが達成。
- 2011年大会1回戦でジョン・パートが達成するも敗れる。
- 2012年大会は2度のナインダートフィニッシュが誕生し、2回戦でマイケル・ヴァン・ガーウェンが、同じくウェズ・ニュートンも達成している。
- 2014年大会では2回戦でフィル・テイラーが再びナインダート達成。
- 2018年大会では準々決勝でゲイリー・アンダーソンが達成しその後優勝を貢献している。
- 2022年大会では準決勝でガーウィン・プライスが達成。
- 最長試合
- 2018年決勝で40レグの記録がある。ゲイリー・アンダーソンとメンサー・スルホビックが対戦した。アンダーソンが21-19で優勝した。
試合形式
ワールド・マッチプレイは全試合レグ制で行う。
1994
- 1・2回戦: 8レグ先取 (2レグ差がつくまで)
- 準々決勝・準決勝: 11レグ先取 (2レグ差がつくまで)
- 決勝: 16レグ先取 (2レグ差がつくまで)
1995–1997
- 1・2回戦: 8レグ先取 (2レグ差がつくまで)
- 準々決勝・: 11レグ先取 (2レグ差がつくまで)
- 準決勝: 13レグ先取 (2レグ差がつくまで)
- 決勝: 16レグ先取 (2レグ差がつくまで)
1998
- 1・2回戦: 8レグ先取 (2レグ差がつくまで)
- 準々決勝: 13レグ先取 (2レグ差がつくまで)
- 準決勝: 13レグ先取 (2レグ差がつくまで)
- 決勝: 18レグ先取 (2レグ差がつくまで)
1999–2012
- 1回戦: 10レグ先取 (2レグ差がつくまで)
- 2回戦: 13レグ先取 (2レグ差がつくまで)
- 準々決勝: 16レグ先取 (2レグ差がつくまで)
- 準決勝: 17レグ先取 (2レグ差がつくまで)
- 決勝: 18レグ先取 (2レグ差がつくまで)
2013–2015
- 1回戦: 10レグ先取 (2レグ差がつくまで; 12–12の場合はサドンデス)
- 2回戦: 13レグ先取 (2レグ差がつくまで; 15–15の場合はサドンデス)
- 準々決勝: 16レグ先取 (2レグ差がつくまで; 18–18の場合はサドンデス)
- 準決勝: 17レグ先取 (2レグ差がつくまで; 19–19の場合はサドンデス)
- 決勝: 18レグ先取 (2レグ差がつくまで; 20–20の場合はサドンデス)
2016–present
- 1回戦: 10レグ先取 (2レグ差がつくまで; 12–12の場合はサドンデス)
- 2回戦: 11レグ先取 (2レグ差がつくまで; 13–13の場合はサドンデス)
- 準々決勝: 16レグ先取 (2レグ差がつくまで; 18–18の場合はサドンデス)
- 準決勝: 17レグ先取 (2レグ差がつくまで; 19–19の場合はサドンデス)
- 決勝: 18レグ先取 (2レグ差がつくまで; 20–20の場合はサドンデス)
中継
イギリス国内では第1回大会からSky Sportsで中継されている[5]。
同名のトーナメント
1980年代、BDOは、このトーナメントと直接的には全く関係のないMFI ワールド・マッチプレイというトーナメントを開催していた。 このトーナメントは、初回の1983年に、ジョン・ロウがテレビ放送史上初の(ナイン・ダート・フィニッシュ)を達成した歴史的意義のあるトーナメントである。 また、優勝賞金は、当時のワールド・チャンピオンシップを超えて、最も高かった[6]。 ロウは、この偉業により、£102,000を獲得し、さらにこの大会の初代チャンピオンにもなった[7]。
脚注
- ^ Darts Event Calendar Darts Database
- ^ PDPA - 9 DART CLUB 2010年4月17日, at the Wayback Machine. Professional Darts Players Association
- ^ https://www.pdc.tv/news/2018/01/02/taylor-receives-world-matchplay-honour
- ^ http://www.mastercaller.nl/en/tournaments/pdc/world-matchplay/1996
- ^ “PDC & Sky Sports Extend Partnership”. Professional Darts Corporation. 2013年7月28日閲覧。
- ^ BDO MFI World Matchplay[] The darts specialist in the Netherlands (英語 / オランダ語)
- ^ Fourth world crown and £1MILLION! Legend of Darts
外部リンク
- World Matchplay page on the PDC website