ルリトラノオ属(学名:Pseudolysimachion)は、オオバコ科の1属である。北半球に約30種が分布し、穂状の花序をもつ種が多い。亜種や変種、品種が数多く存在し、判別が難しい。
近縁のクワガタソウ属(Veronica)とは、染色体の基本数の違い、花冠の筒部が長いことなどから区別される。ちなみに、トラノオとは特定のグループを指す名称ではなく、トラの尾ッポが上を向いてピンと立ち上がっている様子から、そのような植物に広く使われている。
クワガタソウ属への合一
なお、本属は、最新の分子系統解析の結果、オオバコ科クワガタソウ属に合一された[1]。この場合、種の学名は、属名は Veronica となり、種小名、亜種名、変種名等は --um とある場合は、--a となる。
種
日本の自生種には以下のものがある[2]。
- P. linariifolium subsp. linariifolium (ホソバトラノオ)(ホソバヒメトラノオ)
- P. ogurae (サンインクワガタ)(サンイントラノオ)
- P. ornatum (トウテイラン)
- P. ovatum subsp. ovatum (ヒロハヤマトラノオ)[3]
- subsp. kiusianum (ツクシトラノオ)(ヒロハトラノオ、ヒロバトラノオ)
- var. kitadakemontanum キタダケトラノオ
- subsp. maritimum (エチゴトラノオ)
- f. canescens シラゲエチゴトラノオ
- subsp. miyabei (エゾルリトラノオ)
- var. japonicum ヤマルリトラノオ
- var. villosum ビロオドトラノオ(ビロードトラノオ)
- subsp. kiusianum (ツクシトラノオ)(ヒロハトラノオ、ヒロバトラノオ)
- P. rotundum var. rotundum(日本では確認されていない基変種)
- var. petiolatum (ヒメトラノオ)
- f. albiflorum シロバナヒメトラノオ
- var. subintegrum (ヤマトラノオ)
- var. petiolatum (ヒメトラノオ)
- P. schmidtianum (キクバクワガタ)
- P. sieboldianum (ハマトラノオ)(カントラノオ)
- P. subsessile ルリトラノオ
- f. albiflorum シロバナルリトラノオ[3]
- var. ibukiense (イブキルリトラノオ)
また、日本での栽培種や外来種として以下のものがある[7]。
- P. linariifolium subsp. dilatatum (オオホソバトラノオ) (ホソバトラノオの亜種)
- P. longifolium - (セイヨウトラノオ)(カラフトルリトラノオ)
脚注
- ^ 大橋広好 (2017)「オオバコ科」『改訂新版 日本の野生植物 5』pp.82-83
- ^ 和名、学名はFlora of Japan[]を基本とし、「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList) 2012年6月15日, at the Wayback Machine.で補足した。
- ^ a b c Flora of Japanでは認められていない。
- ^ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)では、var. bandaianum を狭義のミヤマクワガタとしている。
- ^ 鳥取県レッドデータブック 177頁。
- ^ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)では、基亜種subsp. schmidtianum キクバクワガタの変種にしている。また同資料は、subsp. schmidtianum var. yezo-alpinumの品種として f. exiguum アポイクワガタと f. pubescens ケミヤマトラノオを認めている。
- ^ 「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList) 2012年6月15日, at the Wayback Machine.より
参考文献
- Flora of Japan[]
- 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 5』、2017年、平凡社