リカルド・ジャコーニ(Ricardo Giacconi、1931年10月6日 - 2018年12月9日)は、アメリカ合衆国で活躍した宇宙物理学者である。X線天文学のパイオニアの一人である。2002年、X線天体の発見の功績によりノーベル物理学賞を受賞した[1]。
経歴
イタリアのジェノヴァに生まれたが、幼い頃にミラノに移った。ミラノ大学で学び、ミラノ大学、インディアナ大学、プリンストン大学を経て、1973年からハーバード大学教授、1982年からジョンズ・ホプキンス大学教授を務めた。1959年にブルーノ・ロッシが顧問を務め、国防省やNASAからの仕事を委託するAS&E社(American Science & engineering, Inc)に務めた。1962年6月18日にロケットを使った観測で初めて太陽系外のX線天体の発見に成功した。1970年代からX線観測衛星の運用に貢献し、いくつかの宇宙X線天文台(NASA)の主任研究員を務めた。
天文学分野におけるX線の利用の課題は、X線の屈折率が小さいため、可視光や赤外線と同様の望遠鏡を作るのが困難な点にあった。ジャコーニらは放物線鏡でX線を全反射させることでX線を集光させ、X線源の同定が可能なX線望遠鏡を開発した。これによってX線天文学の発展に大きく貢献した。
賞歴
- ヘレン・B・ワーナー賞 (1966年)
- エリオット・クレッソン・メダル (1980年)
- ブルース・メダル (1981年)[5]
- 米国天文学会 ヘンリー・ノリス・ラッセル講師職 (1981年)
- ハイネマン賞天体物理学部門 (1981年)
- 王立天文学会ゴールドメダル (1982年)
- ウルフ賞物理学部門 (1986年)
- マルセル・グロスマン賞 (2000年)
- ノーベル物理学賞 (2002年)
- アメリカ国家科学賞 (2003年)
エポニム
- 小惑星(3371) Giacconi [6]
参考資料
- Riccardo Giacconi - Facts
出典
- ^ The Nobel Prize in Physics 2002
- ^ Overbye, Dennis (2018年12月13日). “Riccardo Giacconi, 87, Explorer of the Universe Through X-Rays, Dies”. The New York Times
- ^ È morto il fisico Riccardo Giacconi, Nobel nel 2002, padre dell'Astronomia a raggi X (イタリア語)
- ^ “Nobel Prize-winning astrophysicist Riccardo Giacconi dies at 87” (2018年12月12日). 2021年3月4日閲覧。
- ^ Bruce Medal page
- ^ “(3371) Giacconi = 1955 RZ = 1955 TP = 1975 BK1”. MPC. 2021年8月13日閲覧。