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ランス・リン

マイケル・ランス・リンMichael Lance Lynn, 1987年5月12日 - )は、アメリカ合衆国インディアナ州インディアナポリス出身のプロ野球選手投手)。右投右打。MLBシカゴ・ホワイトソックス所属。

ランス・リン
Lance Lynn
シカゴ・ホワイトソックス #33
ニューヨーク・ヤンキース時代
(2018年9月2日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国
出身地 インディアナ州インディアナポリス
生年月日 (1987-05-12) 1987年5月12日(36歳)
身長
体重
6' 5" =約195.6 cm
280 lb =約127 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2008年 MLBドラフト1巡目追補
初出場 2011年6月2日
年俸 $18,500,000(2023年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム アメリカ合衆国
WBC 2023年

経歴

プロ入り前

2005年MLBドラフト6巡目(全体173位)でシアトル・マリナーズから指名されたが、入団せずにミシシッピ大学へ進学した[2]

プロ入りとカージナルス時代

2008年MLBドラフト1巡目追補(全体39位)でセントルイス・カージナルスから指名され、6月17日に契約[3]。同年は傘下のA-級(バタビア・マックドッグス)(英語版)とA級(クァッドシティ・リバーバンディッツ)(英語版)の2球団合計で6試合に先発登板し、防御率1.35という好成績を残した[4]

2009年はA+級(パームビーチ・カージナルス)(英語版)で開幕を迎え、最終的にAAA級メンフィス・レッドバーズまで昇格した。3階級での合計成績は、11勝4敗・防御率2.85だった。

2010年はAAA級メンフィスで過ごしたが、防御率4.77とやや壁にぶつかり、メジャー昇格はならなかった[4]。しかし、9月10日のオクラホマシティ・レッドホークス戦では、球団新記録の16奪三振を記録している[5]

2011年6月2日のサンフランシスコ・ジャイアンツ戦でメジャーデビュー[3]。メジャーでは主にリリーフとして起用され、好成績を残していたが、8月9日の試合で左斜筋を痛め、(故障者リスト)に入った[6]。レギュラーシーズン中の復帰は叶わなかったが、ミルウォーキー・ブルワーズとのリーグ優勝決定シリーズからロースターに追加された[7]。第2戦では、僅か1球を投げただけで勝利投手になった[8]テキサス・レンジャーズとのワールドシリーズ第3戦では、3番手として2回1/3を投げ、勝利投手になった[9]

 
カージナルス時代
2012年

2012年は先発に回り、R.A.ディッキーに次いでリーグで2番目に早く10勝に到達。オールスターゲームにも初選出された。8月24日のシンシナティ・レッズ戦で降板に不満な様子を見せたことで一旦リリーフに戻されたが、9月に先発に復帰すると4連勝でレギュラーシーズンを終えた。終わってみればリーグ4位の18勝を挙げた。

2013年は33試合に登板し、15勝10敗、防御率3.97だった。

2014年は33試合に登板し、3年連続二桁勝利となる15勝(10敗)を挙げ、防御率2.74だった。

2015年1月15日にカージナルスと総額2200万ドル+出来高の3年契約[10]を結んだ[11][12]。この年も先発ローテーション通り、31試合に登板。防御率3.03・4年連続2ケタ勝利となる12勝11敗、68四球、167奪三振、WHIP1.37という成績を残した。奪三振は、規定投球回に達した4シーズン中で最少だった。11月10日にトミー・ジョン手術を受け、2016年シーズンを全休することが決定的となった[13]

2016年はメジャー復帰はならなかったが、マイナー(A+級パームビーチとAA級スプリングフィールド・カージナルス)では計3試合に先発投手として復帰登板し、6.2イニング投げて防御率1.35・無四球・7奪三振と復活への足掛かりを作った[14]

2017年はメジャーの先発ローテーションに復帰し、33試合に先発。11勝8敗、防御率3.43、153奪三振、WHIP1.23を記録し、完全復活を果たした。オフの11月2日に(フリーエージェント(FA))となった[15]。球団は(クオリファイング・オファー)を提示した[16]が、11月16日に拒否し、FAとなった[17]

ツインズ時代

 
ツインズ時代
2018年

2018年3月12日にミネソタ・ツインズと単年1200万ドルで契約を結んだ[18]。迎えたシーズンでは7月までに20試合に先発したが、7勝8敗、防御率5.10、WHIP1.63と振るわなかった。

ヤンキース時代

2018年7月30日にタイラー・オースティン、(ルイス・リーホ)との(トレード)で、金銭と共にニューヨーク・ヤンキースへ移籍した[19]。移籍後は11試合登板(内9試合が先発)で3勝2敗、防御率4.14、WHIP1.33と僅かながら成績の改善が見られたが、シーズン通算では31試合登板(先発29試合)で10勝10敗、防御率4.77、WHIP1.53と前年から大きく落ちる結果になった。オフにFAとなった。

レンジャーズ時代

2018年12月18日にテキサス・レンジャーズと3年3000万ドルで契約を結んだ[20]

2019年は33試合に先発し、16勝・投球回208.1イニング・246奪三振を記録した。サイ・ヤング賞投票で5位に入った。

2020年は自身初めて開幕投手を務めた。

ホワイトソックス時代

2020年12月8日にデーン・ダニング、(エイブリー・ウィームズ)とのトレードで、シカゴ・ホワイトソックスへ移籍した[21]

2021年4月4日のエンゼルス戦でホワイトソックス移籍後初登板を果たした[22]。7月4日に選手間投票で自身2度目となるオールスターゲームに選出された[23]。7月13日に開催されたオールスターゲームでは2回に先発投手のエンゼルスの大谷翔平の後を受けて2番手として登板した[24]。シーズン途中の7月17日にホワイトソックスと2年総額3800万ドルで契約延長した[25]

投球スタイル

かつては90~92mphだった速球が、2010年頃から92~94mphを計測するようになった。打者がリリースポイントを認識しづらいフォームであるため、球速の割に空振りを奪うこと出来る[26]。速球以外には、スライダーカーブチェンジアップを投げる[27]

かつては、(フォーシーム)とカーブだけで全投球の80%を占めていたが、現在ではフォーシームと(ツーシーム)だけで75%以上を占める速球派投手にモデルチェンジした。

速球の最速は、2019年に計測した98.8mph(約159km/h)。

詳細情報

年度別投球成績





















































W
H
I
P
2011 STL 18 2 0 0 0 1 1 1 3 .500 136 34.2 25 3 11 1 1 40 1 0 12 12 3.12 1.04
2012 35 29 0 0 0 18 7 0 1 .720 744 176.0 168 16 64 3 10 180 3 0 76 74 3.78 1.32
2013 33 33 0 0 0 15 10 0 0 .600 856 201.2 189 14 76 0 11 198 6 0 92 89 3.97 1.31
2014 33 33 2 1 0 15 10 0 0 .600 866 203.2 185 13 72 1 7 181 7 0 72 62 2.74 1.26
2015 31 31 0 0 0 12 11 0 0 .522 751 175.1 172 13 68 5 5 167 2 0 66 59 3.03 1.37
2017 33 33 0 0 0 11 8 0 0 .579 776 186.1 151 27 78 5 10 153 2 0 80 71 3.43 1.23
2018 MIN 20 20 0 0 0 7 8 0 0 .467 469 102.1 105 12 62 3 6 100 3 0 61 58 5.10 1.63
NYY 11 9 0 0 0 3 2 0 0 .600 231 54.1 58 2 14 0 0 61 2 0 26 25 4.14 1.33
'18計 31 29 0 0 0 10 10 0 0 .500 700 156.2 163 14 76 3 6 161 5 0 87 83 4.77 1.53
2019 TEX 33 33 0 0 0 16 11 0 0 .593 875 208.1 195 21 59 0 8 246 18 0 89 85 3.67 1.22
2020 13 13 1 0 1 6 3 0 0 .667 344 84.0 64 13 25 0 6 89 2 0 34 31 3.32 1.06
2021 CWS 28 28 1 1 1 11 6 0 0 .647 641 157.0 123 18 45 2 2 176 5 0 52 47 2.69 1.07
2022 21 21 0 0 0 8 7 0 0 .533 512 121.2 119 19 19 0 10 124 4 0 65 54 3.99 1.13
MLB:11年 309 285 4 2 2 123 84 1 4 .594 7201 1705.1 1554 171 593 20 76 1715 55 0 725 667 3.52 1.26
  • 2022年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績



投手(P)












2011 STL 18 2 2 0 0 1.000
2012 35 5 16 1 1 .955
2013 33 14 26 1 5 .976
2014 33 8 28 1 0 .973
2015 31 12 14 2 1 .929
2017 33 9 17 2 2 .929
2018 MIN 20 6 4 1 0 .909
NYY 11 3 2 2 0 .714
'18計 31 9 6 3 0 .833
2019 TEX 33 8 6 0 0 1.000
2020 13 2 4 0 1 1.000
2021 CWS 28 3 5 2 0 .800
2022 21 2 5 0 0 1.000
MLB 309 74 129 12 10 .944
  • 2022年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

記録

背番号

  • 62(2011年)
  • 31(2012年 - 2018年7月29日)
  • 36(2018年8月1日 - 同年終了)
  • 35(2019年 - 2020年)
  • 33(2021年 - )

代表歴

脚注

  1. ^ “Lance Lynn Contract Details, Salaries, & Earnings” (English). Spotrac. 2022年10月8日閲覧。
  2. ^ Player Bio: Lance Lynn. University of Mississippi Official Athletic Site(英語). 2011年10月26日閲覧
  3. ^ a b Star, Jon(2011-06-02). Cardinals send Lynn to debut vs. Giants. MLB.com(英語). 2011年10月26日閲覧
  4. ^ a b Lance Lynn Minor League Statistics & History. Baseball-Reference.com(英語). 2011年10月26日閲覧
  5. ^ Parkinson, Kyle Lynn leads 'Birds back to finals milb.com, September 10, 2010 (accessed September 17, 2010)
  6. ^ Cardinals move Lance Lynn to 60-day DL. Associated Press(英語). 2011年10月26日閲覧
  7. ^ Cards add Kyle McClellan, Lance Lynn. Associated Press(英語). 2011年10月26日閲覧
  8. ^ "Lynn proves his value to Cardinals as a reliever" stltoday.com. Retrieved 2011 October 12.
  9. ^ Langosch, Jenifer(2011-10-23). Lynn restores order, earns Game 3 victory. cardinals.com(英語). 2011年10月26日閲覧
  10. ^ 2015年は700万ドル、2016年と2017年はそれぞれ750万ドル。2016年に先発として25試合・27試合・29試合・31試合に登板するたび12万5000ドルが追加され、2017年は各試合25万ドルが追加される。
  11. ^ “Cardinals announce 3-year deal with Lance Lynn”. MLB.com Cardinals Press Release (2015年1月15日). 2015年1月16日閲覧。
  12. ^ “Lance Lynn gets 3-year, $22M deal”. ESPN MLB (2015年1月15日). 2015年1月16日閲覧。
  13. ^ “Lance Lynn undergoes Tommy John surgery: Three things to know”. CBSSPORTS (November 10,2015). February 1,2016閲覧。
  14. ^ MLB公式プロフィール参照。2017年11月17日閲覧。
  15. ^ Key free agents for all 30 MLB teams MLB.com (英語) (2017年11月5日) 2017年12月27日閲覧
  16. ^ Jenifer Langosch (2017年11月6日). “Cardinals make qualifying offer to Lance Lynn”. MLB.com. 2017年11月17日閲覧。
  17. ^ Jen Langosch (2017年11月16日). “Lance Lynn rejects Cardinals' qualifying offer”. MLB.com. 2017年11月17日閲覧。
  18. ^ “Lynn to Twins: Free agent finds new team Rhett Bollinger” (英語). MLB.com (2018年3月12日). 2018年3月13日閲覧。
  19. ^ Bryan Hoch (2018年7月30日). “Yanks acquire Lance Lynn from Twins” (英語). MLB.com. 2018年8月4日閲覧。
  20. ^ T.R. Sullivan (2018年12月18日). “Rangers sign right-hander Lynn to 3-year deal” (英語). MLB.com. 2018年12月19日閲覧。
  21. ^ “White Sox Acquire Lance Lynn” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年12月8日閲覧。
  22. ^ “Stat of the Day: Anderson's rare pair of walks” (英語). MLB.com (2021年4月28日). 2021年4月29日閲覧。
  23. ^ Sarah Langs, Thomas Harrigan (2021年7月11日). “Your 2021 MLB All-Stars by position” (英語). MLB.com. July 13, 2021閲覧。
  24. ^ Scott Merkin (2021年7月14日). “'Full steam ahead' for White Sox after ASG” (英語). MLB.com. 2021年7月31日閲覧。
  25. ^ “White Sox, Lance Lynn Agree To Two-Year, $38MM Extension” (英語). MLB Trade Rumors. 2021年7月17日閲覧。
  26. ^ azruavatar(2011-01-25). Lance Lynn’s improved fastball. Future Redbirds(英語). 2011年10月26日閲覧
  27. ^ Lance Lynn » Statistics » Pitching. FanGraphs Baseball(英語). 2011年10月26日閲覧

関連項目

外部リンク

  • 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
  • Lance Lynn stats MiLB.com (英語)
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