モラトリアム(moratorium)とは、主に政府による一時停止や猶予、またその期間を意味する語。
語源
一覧
- 一時停止(期間):法律が公布されてから施行されるまでの猶予期間を表す。以下のような例がある。
- 金融モラトリアム :天災、恐慌などの際に起こる金融の混乱を抑えるため、手形の決済、預金の払い戻しなどを一時的に猶予する。日本では関東大震災後(1923年、震災手形を参照)、昭和金融恐慌(1927年)、リーマン・ショック(2009年)などの際になされた。
- 金融モラトリアム法 :日本でリーマン・ショック後に制定された法律。正式名称は「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律」
- 心理社会的モラトリアム :学生など社会に出て一人前の人間となるのを猶予されている状態を指す。心理学者エリク・H・エリクソンによって心理学に導入された概念。本来は、大人になるために必要であって、社会的にも認められた猶予期間を指す。大人への猶予期間、つまり社会に出ることを先延ばしして一時の自由に浸ることのできる期間という意味となった。若者にとって大学は勉学の場というよりも、遊びの場となる。そして、同好の仲間が集うサークルというのがその象徴であった。日本では、小此木啓吾の『モラトリアム人間の時代』(1978年)などの影響で、社会的に認められた期間を徒過したにもかかわらず猶予を求める状態を指して、否定的意味で用いられることが多い。草食系も参照
- ベトナム戦争停戦 :特に北爆停止を要求したデモ活動 (Vietnam Moratorium)。学生が多く参加したので前項のモラトリアムと混同されやすいが、この意味でのモラトリアムは、日本でいう「学生闘争(世代)」のニュアンスに近い。
- 「モラトリアム」を称する作品
- モラトリアム (曲) : レミオロメンの曲
- モラトリアム (映画) : 澤佳一郎の映画