概要
ラーの娘とされる。これは、肉親という意味合いより地上を真実の光で照らす太陽の娘というラーからの分化と見られる。
頭にダチョウの羽根を指した女性の姿で表される。この羽根は、大気の神シュウと同じ名で呼ばれる。この羽は、真理の象徴とされ、死者の魂を量るため、天秤の皿の一方に置かれた。
神話
セトがオシリスを殺害した時、オシリスと共に冥界に移った。これ以降、オシリスが死後の楽園アアルを治めるのを手伝っているとされる。
死者の審判において死者の過去の罪を裁くとされた。アヌビスが計量する天秤の片方に死者の心臓、もう片方にマアトの羽根を載せる。この時、心臓が羽根より重い場合は、過去に悪行を犯したということが分かる。その場合アメミットという怪物に心臓を食べられ、アアルの野へ行けず永遠に復活できないと考えられていた。
ヘルモポリスにおいては、トートと関係付けられた。この神話の死者の審判では、トートが死者の心臓を計り、名簿に死者の名前を書き込むとされる。また古代の書記官が真実を書き込むようマアトとトートが保護し、監視したと考えられた。
関連項目
- 正義の女神
- マアト山 - 金星で最も高い火山。マアトにちなんで名づけられた。
- 弁護士記章 - 日本の弁護士が帯用する記章。マアトの天秤が描かれているとされる[要出典]。
- スクライブ - 法と秩序を維持するために書記が必要になり、学校などの知識層を生む施設も拡充された。
- (アニのパピルス) - テーベの書記官アニの副葬品として納められたパピルス
- (マアトの補佐官) - 42柱の神々。死者の罪状を部門ごとに調べる役割を担う。
- (イスフェト) - マアトの対となる不正と悪行の神
- (古代エジプト人の死生観) - 冥界ドゥアトは時代と共に認識が変化していった。
- 古代エジプト人の魂