ベツィレウ人(Betsileo)は、マダガスカルの民族。人口約150万人。マダガスカルの人口の12.1%を占め、メリナ人、ベツィミサラカ人に次いで3番目に大きな民族グループである。言語はマダガスカル語である。中央高地南部、フィアナランツォア州の高原部に主に住む。「ベツィレウ」とは、「無敵の人々」という意味である[1]。
肥沃で雨量の多い高原部を領しており、農業、特に水田による稲作を主な生業としている。傾斜地に棚田を作ることも多い[2]。19世紀前半に、北隣にいるメリナ人のメリナ王国によって征服されたが、メリナ人とは稲作中心の社会や人種的にも近く、ベツィレウ人は現在ではメリナ人に並ぶ社会的地位を占めている[1]。中央高原に住むメリナ人とベツィレウ人は「陽の下の民族」と呼ばれ、海岸部に住む他民族とは対立しがちである[3]。
脚注
- ^ a b 「目で見る世界の国々7 マダガスカル」M.M.ロジャース著 草野淳訳 1991年4月25日初版 国土社 p40
- ^ 「東部・南部アフリカ」(ベラン世界地理体系10)p174-175 田辺裕・竹内信夫監訳 朝倉書店 2019年6月10日初版第1刷
- ^ 「週刊朝日百科 世界の地理108 モザンビーク・マダガスカル・コモロ・モーリシャス・セーシェル」 昭和60年11月17日発行 朝日新聞社 P11-208