経歴
1912年、ドイツ・ツェレ生まれ。ハノーファーのギムナジウムを修了後、1930年からキール大学、ミュンヘン大学、(リール大学)、ゲッティンゲン大学の各大学で法学を学び、1935年にゲッティンゲン大学で学位を所得。その後フランクフルト大学に移り、ここで1938年に教授資格を得た。1941年にフランクフルト大学のローマ法・(市民法)の教授に就任。第二次世界大戦下のナチス・ドイツ時代も大学にとどまった。また、時に法哲学を教えることもあった。
戦後、フランクフルト大学法学部部長(1950年 - 1951年)、同学長(1955年 - 1957年)、ドイツ連邦共和国学長会議会長(1956年 - 1957年)およびドイツ学術会議会長(1958年 - 1961年)を歴任し、自らその設立に尽力した(マックス・プランク欧州法制史研究所)の初代所長(1964年 - 1981年)を務めた。1978年からはマックス・プランク協会副総裁(1978年 - 1984年)をつとめた。このほか、ドイツ福音主義教会会議議員(1950年 - 1958年)、ヘッセン州裁判所参与(1955年 - 1958年)などの職にもあった。
リヨン大学、モンペリエ大学、ウィーン大学、アバディーン大学、ブリュッセル大学などの名誉博士号を有し、(バイエルン科学アカデミー)の会員であった。2000年にフランクフルト・アム・マイン郊外のクロンベルク (Kronberg im Taunus) で死去。
受賞・栄典
- ドイツ連邦共和国功労勲章大功労十字勲章
- イタリア共和国功労勲章(コンメンダトーレ)
- フランスのレジオン・ドヌール勲章(オフィシエ)
- (科学芸術功労賞)
ヘルムート・コーイング賞
2008年にマックス・プランク欧州法制史研究所が制定した「ヘルムート・コーイング賞」(Helmut-Coing-Preis) にその名を留めている。
著書
- 『近代法への歩み』(久保正幡・村上淳一編、東京大学出版会、1991年)
- 『ヨーロッパ法史論』(佐々木有司編、創文社、1980年)
- 『ヨーロッパ法文化の流れ』(上山安敏監訳、ミネルヴァ書房、1983年)
- 『法史学者の課題』(河上倫逸編、未來社、2004年)
- Für Wissenschaften und Künste. Lebensbericht eines europäischen Rechtsgelehrten, hrsg., kommentiert und mit einem Nachwort von Michael F. Feldkamp, Berlin: Duncker & Humblot 2014 (ISBN 978-3-428-14253-8)