座標: 北緯51度50分31秒 西経1度21分41秒 / 北緯51.84194度 西経1.36139度 ブレナム宮殿(ブレナムきゅうでん、Blenheim Palace)は、イギリスのオックスフォード近郊の(ウッドストック)にある宮殿[1]。
沿革
マールバラ公ジョン・チャーチル[2]が、スペイン継承戦争中のブレンハイム(ブレナム)の戦いで立てた戦功によって当時のアン女王から、(ウッドストック (イングランド))に建設中だった宮殿が下賜された[3]。
本館と柱廊でつながった2つの翼棟からなるイギリス・バロック様式の屋敷は部屋数200以上をもち、庭園の総面積は4600ヘクタールに及ぶ。建築家ジョン・ヴァンブラの設計により17年の年月をかけ、1722年に完成した。
ブレナム宮殿を評価する上で、その庭園は重要な要素である[3]。宮殿完成時には宮廷画家だったヘンリー・ワイズによって設計されたロマン主義的なイギリス式庭園だった。18世紀中頃、ランスロット・ブラウンによって人工湖や運河を配置した風景式庭園に改造された。その後、1925年から1932年のあいだに(アシル・デュシェーヌ)の設計によるル・ノートル様式のフランス庭園に改造され今日に至っている。
2019年9月14日未明に、館内に展示中であった「アメリカ」(America)と名付けられた18金の便器(イタリアの彫刻家マウリツィオ・カテランの作品、報道担当者によれば時価500万ドル)が窃盗にあった[4][5][6]。
ギャラリー
ブレナム宮殿の図書室
ブレナム宮殿内部
ブレナム宮殿内部
登録基準
この世界遺産は(世界遺産登録基準)のうち、以下の条件を満たし、登録された(以下の基準は世界遺産センター公表の登録基準からの翻訳、引用である)。
- (2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
- (4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
脚注
- ^ “デジタル大辞泉の解説”. コトバンク. 2018年2月25日閲覧。
- ^ 彼の子孫で、第二次世界大戦中の首相であったウィンストン・チャーチルの生家でもある。
- ^ a b ユネスコ世界遺産センター 1996, pp. 68–77.
- ^ Madeleine Carlisle (2019年9月14日). “Golden Toilet Stolen From the U.K.'s Blenheim Palace, Birthplace of Winston Churchill” (英語). Time (London)2019年9月17日閲覧。
- ^ 「5.4億円の「黄金のトイレ」盗まれる 英美術展」『CNN』、2019年9月15日。2019年9月17日閲覧。
- ^ 下司佳代子「18金「黄金のトイレ」盗まれた 男は逮捕、便器は不明」『朝日新聞』、2019年9月15日。2019年9月17日閲覧。
参考文献
- ユネスコ世界遺産センター監修『ユネスコ世界遺産 8 西ヨーロッパ』講談社、1996年。ISBN (4062547082)。
関連項目
外部リンク
ブレナム宮殿公式サイト (英語)