聖フロリアヌス (ラテン語:Florianus, ドイツ語:Florian von Lorch, 304年頃没)は、カトリック教会の聖人。ポーランド、リンツ、煙突掃除人と消防士、石けんの釜炊き人の守護聖人。祝日は5月4日。オーストリア辺境伯レオポルト3世とともに、オーストリア・オーバーエスターライヒ州の守護聖人。
生涯
フロリアヌスは、ローマ皇帝ディオクレティアヌスとマクシミアヌスの時代、現在のドイツ・バイエルン東部の帝国軍司令官であった。彼の軍務に加えて、消防隊を組織する責任を負っていた。[1] ローマ帝国はキリスト教を根絶やしにするつもりであり、アキリヌスをキリスト教徒の迫害のため送り込んできた。アキリアヌスはフロリアヌスに、ローマの信仰にのっとって、異教のローマ神に犠牲を捧げるよう命じた。彼は拒否し、兵士らに棍棒で殴打され、釘で打ち付けられ、火炙りで拷問された。彼は処刑として、首の周りに大石を結びつけられてエンス川(ドナウ川の支流)に沈められた。のち、ヴァレリアという名の女性がフロリアヌスの姿を幻視で見、ふさわしい場所に埋葬して欲しいという彼の意志を告げた。
崇拝
聖フロリアヌスは、中央ヨーロッパで広く崇拝されている。[2] オーストリアの町(ザンクト・フロリアン)は、彼にちなみ名付けられたものである。言い伝えによると、彼の遺体はザンクト・フロリアンにあるアウグスティヌス会派修道院に埋葬されたとされる。
1184年、ローマ教皇ルキウス3世は、フロリアヌスの聖遺物をポーランド王カジミェシュ2世とクラクフ司教に分け与えると述べた。クラクフはフロリアヌスの聖遺物の一部をもつと主張している。[2]
ドイツ語圏でNIMBYと同様の意味を持つ"Sankt-Florians-Prinzip"(フロリアン公理)は、いくらか皮肉な聖フロリアヌスへの祈り "O heiliger St. Florian verschon mein Haus, zünd andre an", 翻訳すると、"ああ聖なるフロリアヌス、私の家をお助け下さい、他の家には火をつけてください" から来ている。
1935年、ヨーゼフ・ヨゼプフによるフロリアヌス像がウィーンで除幕された。ウィーン市内の中心地アム・ホーフにあるウィーン消防署前に像は立っていた。第二次世界大戦中、1945年に消防署が爆撃に遭うと、像は消防史博物館へ移された(Wiener Feuerwehrmuseum)。[3]
象徴
聖フロリアヌス十字は、消防関係者(職員、消防団)の紋章として広く使用される。聖名祝日の5月4日は「(国際消防士の日)」となっている。
脚注
外部リンク
- Catholic Online article
- The Cult of St. Florian (with primary sources)
- The Canon Regular Monastery of St. Florian in Austria
- Saint Florian, Patron Saint of FireFighters
- Saint Florian the patron saint of the fire service