フリートヘルム・ヴァルトハウゼン(Friedhelm Waldhausen, 1938年 - )はドイツの数学者である。専門分野は代数的位相幾何学(代数トポロジー)。
経歴
プロイセン王国(ライン州)(現ノルトライン=ヴェストファーレン州)の(ヒュッケルホーフェン)出身。ゲッティンゲン、ミュンヘン、ボンで数学を学び、ボン大学所属の1966年に Eine Klasse von 3-dimensionalen Mannigfaltigkeiten(「3次元多様体のクラス」)という論文で博士号を取得した。指導教官はフリードリヒ・ヒルツェブルフであった。
プリンストン大学、イリノイ大学、ミシガン大学で客員研究員を務めた後、1968年にキールへと拠点を移し、そこで教授資格を得た。
1969年、ルール大学で教授になった後、1970年に(ビーレフェルト大学)の数学科教授となり、2004年に退職するまで務めた。
研究内容
初期の研究は主に3次元多様体に関する理論であり、(ハーケン多様体)や(ヒーガード分解)を主に研究していた。この中において「任意の(ホモトピー同値)なハーケン多様体は同相写像に対しホモトピックである(例:ハーケン閉多様体は位相幾何学的にrigidである)」ことを証明した。また、ヒーガード分解に関し(ヴァルトハウゼン予想)を提出した。
1970年代なかば、トポロジー空間に対しK理論の一種を導入することで幾何的位相幾何学とK理論のつながりを拡張した。これにより、K理論(現代において(ヴァルトハウゼン・カテゴリ)と呼ばれるものを使用)に対する新たな分野が打ち立てられ、(環スペクトル)の研究に新たな風を吹き込んだ。
- Algebraic K-Theory of Topological Spaces I (1976)
- Algebraic K-theory of spaces (1983)
受賞
2004年、(ギュンター・ハーダー)とともに(シュタウト賞)を受賞[1]、オスナブリュック大学から名誉博士号を得た。
脚注
- ^ “Staudt-Preis 2004 geht an Prof. Günter Harder und Prof. Friedhelm Waldhausen”. Friedrich-Alexander-Universität Erlangen-Nürnberg. 2014年2月2日閲覧。
関連項目
- (グラフ多様体)
- (ループ理論)
- (スミス予想)
- (結び目理論の歴史)
- (ヴァルトハウゼン・カテゴリ)
外部リンク
- Friedhelm Waldhausen at the Mathematics Genealogy Project