フライング・ダッチマン(Flying Dutchman)は、近代イギリスの伝承に現れる幽霊船、もしくはその船長のオランダ人である。船長はさまよえるオランダ人、船はさまよえるオランダ船やフライング・ダッチマン号と訳すこともある。
伝承の要旨
アフリカ大陸南端近くの喜望峰近海で、オランダ人船長が風(あるいは神)を罵って呪われた。船は幽霊船となり、船長はたった1人で永遠に(あるいは最後の審判の日まで)さまよい続けることとなった。
起源
似た伝承として、北海を最後の審判の日までさまようドイツのフォルケンバーグ船長(Falkenburg)の伝説があった。
幽霊船の形で現れる最古の文献は、1795年の(ジョージ・バリントン)の『ボタニー湾への旅』(Voyage to Botany Bay)で、次のような話である[1]。
ワグナーのオペラ
詳細は「さまよえるオランダ人」を参照
フライング・ダッチマンは、リヒャルト・ワーグナーのオペラ『さまよえるオランダ人』(1842年)の題材として有名である。このタイトルは和訳されているだけで、原題 Der fliegende Holländer はフライング・ダッチマンのドイツ語訳である。
船長はたった1人で永遠にさまよう運命にあるが、7年に一度上陸でき、そのとき船長を愛す女性に出会えれば、呪いから解放される(死ぬことができる)。物語は、船が幽霊船となってかなりの年月が経過したのちのノルウェーで始まる。
出典
関連項目
- さまよえるオランダ人
- パイレーツ・オブ・カリビアン - 幽霊船「フライング・ダッチマン号」が登場
- ONE PIECE - 同上
- スポンジ・ボブ - サブキャラクターとして幽霊船と幽霊「さまよえるオランダ人」が登場
- hyde - この伝説を下敷きにした『THE CAPE OF STORMS』という楽曲を発表している