この記事には複数の問題があります。改善や(ノートページ)での議論にご協力ください。
|
この記事には、百科事典には本来必要のない(ファンサイト的な内容)の記述が含まれています。特定の人物およびグループに対しての、(百科事典に相応しくない)記述やは歓迎されません。 |
ファネット・ゴベール(仏表記:Fanette Gobert)は、 さいとう・たかを作の劇画『ゴルゴ13』架空の人物。初出は第562話「Gの遺伝子」。
主人公のゴルゴ13(以下ゴルゴ)については、ゴルゴ13 (架空の人物)を参照。関連する登場人物の詳細はゴルゴ13の登場人物を参照。またサブタイトル作品についてはゴルゴ13のエピソード一覧を参照。
人物
個人情報
- 性別:女性。
- 生年月日:不明。
- 年齢:14歳。
- 国籍:フランス。
フランス・パリのお嬢様学校である『サン・リュカ中学校』に通う少女。日本では中学2年生に相当する。文武両道、才色兼備であり、様々な超人的な才能を持ち中学校の生徒からは『聖なる怪物』と呼ばれている。また多才な学生射撃選手として世間の注目を浴び、フランス国内では有名人として知られている。
ゴルゴの遺伝子を持つ少女[1]であり、ゴルゴに似た鋭い目付きを持つが碧眼で、風貌は金髪をポニーテイルにした欧米人的なものである。パリ郊外に屋敷を持つ裕福な家庭に育つ。養父母のゴベール夫妻は『ジャン・ミッシェル・ゴベール病院』を運営しており、弱者や移民を無償で治療する慈善家でもある。
技能
射撃競技においてオリンピック選手級の腕前を持つ(第562話「Gの遺伝子」の時点では学生ライフル選手権の優勝候補、第587話「ゴルゴダの少女」の時点では学生ライフル競技において世界一になっている)。他にも体操、テニス、スカッシュ、柔道など極めて高い身体能力を持つ。
チェス、ピアノ、バイオリン等でもプロ級の腕前を誇り、自身の描いた絵画『ゴルゴダの呼び声』など芸術や美術でも高い才能を有する。中学生にして既に大学受験資格も得ており、IQ180という驚異的な知能指数を持つ。
その他、読唇術を習得しており医療知識も豊富であり、高い状況判断能力を持つ。記憶能力、暗記能力、得た情報から頭の中で立体的にマッピングする空間把握能力など各種の高い学習能力を有する。また幼少期から通訳ボランティアを行うなどマルチリンガルであり高い言語能力を持つ。
ゴルゴの「Gの遺伝子」の影響のためか、常人よりもアドレナリンが大量に放出される体質であり、危機的状況では少女らしからぬ高い戦闘能力を発揮する。
性格
善良で他者に優しく品行方正である。学校内では『聖なる怪物』として尊敬と憧れの的になっていることや、多才な射撃選手として有名であることに困惑することも多い。養父母を尊敬し大切に思っており、また弱者や移民を無償で治療する養父母を幼少期から手伝っていた家庭環境などもあり、正義感が強く弱者や助けを求める人間を放置できない。しかし知性的ではあるが若く経験が少ないためか、熟慮より行動を優先する傾向にあり、結果としてトラブルや悲劇を招いたことを悔み自戒することも多い。少女らしからぬ強靭な精神力や意思を持つ一方で兎のように臆病でもあり、それゆえ本能的に危険な人物を察知し警戒する。射撃時や危機的状況ではゴルゴに似た鋭い目付きとなる。自身や親しい人々や弱者を守るためならば、ゴルゴの「Gの遺伝子」の影響のためか、脅威に対する暴力の行使を躊躇わない。時には相手を殺害してしまうことすらある。
本人は自身の体に流れる血から沸き起こる制御しかねる力(『ゴルゴダの呼び声』)に呑み込まれ戻れなくなることを恐れ、制御しようと苦悩している。
ゴルゴとの関係
ゴルゴの名前や詳しい正体は知らず『あの方』と呼んでいる。瀕死だった幼少期にゴルゴから輸血されて命を救われた過去を持つ。ゴルゴを命の恩人として慕い、時には自身の危険を省みずゴルゴに対して仁義を果たそうとする。ゴルゴを回想するたびに自身の描いた『ゴルゴダの呼び声』を連想し、超人的な能力を受け継いだことによる血の繋がりや、どことなく懐かしさや思慕の情を感じることがある。
ゴルゴの忠告もあり、決してゴルゴの居る世界(『ゴルゴダの呼び声』)には踏み入ってはならないこと、たとえ神に背を向け地獄に落ちようともゴルゴに関する秘密を守ると硬く決心している。
- ゴルゴとの血縁関係について
- 作者のさいとう・たかをは、生前のインタビューにて「『Gの遺伝子』を読んだ方から、「あの娘(ファネット)は本当にゴルゴの実子なのか?」と質問を受けます。仮に血が繋がっているとしても、娘な訳がない。ゴルゴの年齢から考えたら孫になってしまうね(笑)。もともとゴルゴは私より一つ歳上という設定でしたから。10代の娘とゴルゴが普通に会話しているのがユニークです。ひたすら残酷な事をやってきたゴルゴが、おじいちゃんと孫みたいな会話をしてしまうのは、もしかしたら私の中で何かが変わったのかもしれないですね。」[2]と、半世紀以上の連載により生じたゴルゴ13の年齢設定(当初の設定ではゴルゴは1935年生まれということになる。)の矛盾をジョークを交えて語っているが、ファネットはゴルゴの実子なのか否かについては明言していない。
登場作品
スピンオフを含め脚本は全て夏緑が担当している。
- SPコミックス第206巻第562話「Gの遺伝子」
- 初登場。ファネットが通う中学校の美術の授業で描いた『ゴルゴダの呼び声』という幼い頃から見ている死神の夢(鎌を持ち茨の冠をかぶる骸骨の姿をした死神が、屍で埋め尽くされた地獄の荒野の世界に佇む)を題材にした作品が、パリ学生絵画展で金賞を受賞し、多才な学生射撃選手として世間の注目を集める。その際のインタビュー記事にファネットの顔写真が掲載されたことでNSAからゴルゴ13の娘と推定され、拉致される(ファネットの養父母は娘が過去の銃撃事件の生き残りであることから、学校には顔出しをさせないようにと頼んでいたが、教師の軽率な行動によってファネットの顔が知られてしまうことになった)。
- 拉致先から機転を利かせ自力で脱出し、NSA相手に互角の銃撃戦を行うも、銃弾がなくなり絶体絶命のところをゴルゴ13に救出される。自宅へと送ってもらった際に、実母の遺品であるヴァイオリンを受け取った。
- 本名はヘゲドゥシュ・ジャネット。実母はハンガリー人のヘゲドゥシュ・スザナという酒場のヴァイオリン奏者で、彼女はかつてゴルゴ13と一夜をともにしている。作品の時代から10年前、フランスでは不法移民の抗争が相次ぎ、スザナとジャネットはその巻き添えで撃たれてしまう。
- しかし、そこへやって来たゴルゴ13によってジャネットは助かるが、スザナは死期を悟り、ゴルゴ13に射殺してもらう。ジャネットは養父母の病院で手術を受けるが、この際にゴルゴ13が輸血のドナーを自らかって出ている。
- NSAによるDNA鑑定の結果、ゴルゴ13の娘と断定され、ファネット自身も「あなたは私のお父様なのね?」と尋ねるが、ゴルゴ13は輸血したときに自分の幹細胞が増殖したからだと否定している[3]。
- 第587話「ゴルゴダの少女」
- フランスでは名士の暗殺事件が相次ぎ、多数の不法移民が行方不明になっていた。ファネットは知り合いになった不法移民の少年が行方不明になったことから謎の不法移民排斥組織が暗躍していることを突き止め、少年を救出するためアジトの修道院に忍び込む。そこで偶然にも組織殲滅の依頼を受けて潜入していたゴルゴと再会するが、組織の罠にかけられ共に処刑用の落とし穴で地下に落とされてしまう。ゴルゴは落下したファネットの命を救ったものの重傷を負い出血により意識を喪失、戦闘不能になる。組織の追っ手が迫る中、ファネットは自らの血をゴルゴに輸血し、意識を取り戻したゴルゴと共に窮地を脱する。
- 第619話「超絶技巧ツィガーヌ」
- ゴルゴ(#106)を極秘捜査していたフランス・パリ警視庁捜査介入部(BRI-PP)のファビアン・ブサール警部は、外見的特長からファネットがゴルゴと何らかの関係があるのではないかと疑い、部下のダルトワとギドンの3人でファネットの身辺を監視し始める。一方、ファネットは射撃大会でスランプに陥っていたが、先輩の音楽部部員と教師の提案によりトルコ大使ら要人が招かれる音楽ホールの公演にてバイオリンのソロ演奏(ツィガーヌ)を行なうことになった。そのような状況で公演を狙うテロ事件が発覚、ブサール警部の監視の目を気にしつつファネットはテロを防ぐため犯人たちと対決することになる。そしてゴルゴもこの事件の裏でまた動いていたのであった。
スピンオフ
Gの遺伝子 少女ファネット
『ビッグコミック増刊』にて2022年8月号から連載されているファネットを主人公としたスピンオフ作品。 原作さいとう・たかを/さいとう・プロ作品。脚本は、本編でファネットが登場する各編を担当した夏緑、およびさいとう・プロによる。
- 第1話「いにしえのプロローグ」
- 第2話「THIRD EYE」
- 第3話「天使の箴言」
- 第4話「カフカスに花咲きて」
- 第5話「パリ北駅(ノール)」
脚注
- ^ 『Gの遺伝子 少女ファネット』 ビッグコミックBROS.NET 小学館 https://bigcomicbros.net/work/77741/
- ^ 改訂版「ゴルゴ13」リーダーズ・チョイス、1351頁。
- ^ ただし、スザナの依頼が「ファネットをジャン・ミッシェル・ゴベール病院に届けること」のみであったにも関わらず、ゴルゴはファネットの手術に付き添い自ら輸血をかって出たり、スザナの遺品であるバイオリンを10年前の事件から保存しており修復してファネットに手渡したりするなど、疑わしい行動もとっている。
書籍情報・関連書籍・参考文献など
外部リンクなど
- 『Gの遺伝子 少女ファネット』 さいとう・たかを さいとう・プロダクション ビッグコミックBROS.NET(ビッグコミックブロス)小学館 https://bigcomicbros.net/work/77741/