ピバル酸(ピバルさん、pivalic acid)は、tert-ブチル基を持つカルボン酸である。ピバリン酸、ネオペンタン酸、トリメチル酢酸などの別称がある。異性体には吉草酸、イソ吉草酸、ヒドロアンゲリカ酸がある。
無色の液体もしくは白色結晶で、刺激臭を有する。水溶液は弱酸性を示す。pKa は 5.01 (25 °C)。強酸化剤と激しく反応する。多くの金属と反応して水素を生じる。
立体障害による安定性を利用した保護基(ピバロイル基)として使用される。
ピバル酸は tert-ブチルマグネシウムクロリド(グリニャール試薬)に二酸化炭素を吹き込んで製造される[1]。tert-ブチルシアニドの加水分解、2,2-ジメチルプロパン-1-オール(ネオペンチルアルコール)のクロム酸酸化、ピナコロンの酸化、一酸化炭素とブタノール、イソブチルアルコール、もしくはアセトンとの高温・高圧下の反応によっても合成される。
異性体
ピバル酸
3-メチルブタン酸
(イソ吉草酸)
関連項目
脚注
- ^ Puntambeker, S. V.; Zoellner, E. A. (1928). "Trimethylacetic acid". Organic Syntheses (英語). 8: 104.; Collective Volume, 1, p. 524