概要
アメリカからイギリスに渡ったエッグズ・オーバー・イージー[1]が、パブで演奏し始めたのが、初期のパブ・ロック・バンドの例である。その後、ブリンズリー・シュウォーツ[注釈 1]、ドクター・フィールグッド、キルバーン&ハイローズ[注釈 2]グレアム・パーカー、ニック・ロウ、イアン・デューリーらが続いた。
ビートルズ、ローリング・ストーンズ、ザ・フー、キンクスなど、アメリカの1950-60年代のロックンロールやブルース、、フォーク・ミュージックに影響されたバンドが勃興したいわゆるブリティッシュ・インヴェイジョンが1964年以降に起きた。そのようなヒットを出せたバンドとは異なり、演奏場所が確保できないようなバンドが、シンプルな曲構成と演奏、労働者階級を意識した作詞を持ち味とし、パブで演奏し始めたのがパブロックのルーツである。The 101'ersに所属したジョー・ストラマー(ザ・クラッシュのボーカル/ギター)など、後にパンク・ロックでデビュしたロッカーの中にも、パブロック・シーンにいたミュージシャンもいた。
これらのバンドは、ロック市場が肥大化した時代とは逆に、キャパシティの小さなホール・クラブで少人数に対してライブを行うスタイルが、音楽ファンの親近感を呼んだ。パブで演奏しているバンド群「パブ・ロック」と呼ばれるようになった。エッグズ・オーバー・イージーは、それまでケンテイッシュタウンのTally Hoというジャズしか演奏しないパブで、ジャズ以外の音楽を演奏した最初のバンドになった[2]。彼らの行動は、ニック・ロウらのローカル・ミュージシャンを大いに刺激した。
パブロックと一口に言っても音楽性は多様で、バンドごとに音楽スタイルは異なり、ロックンロールを中心にしたバンドもいれば、ブルースを主体とするバンド、カントリー・ロック、フォーク・ロックのバンド、ガレージロック・バンドなどさまざまであった。
代表的なアーティスト
- イアン・デューリー[注釈 3]
- (エッグズ・オーバー・イージー)
- エルヴィス・コステロ[注釈 4]
- (カーサル・フライヤーズ)[注釈 5]
- グレアム・パーカー&ルーモア[注釈 6]
- [注釈 7]
- (ダックス・デラックス)
- (チリ・ウィリ・アンド・ザ・レッド・ホット・ペパーズ)[注釈 8]
- デイヴ・エドモンズ[注釈 9]
- ドクター・フィールグッド[注釈 10]
- ニック・ロウ[注釈 11]
- ブリンズリー・シュウォーツ[注釈 1]
- ミック・グリーン
- The 101'ers
関連項目
脚注
注釈
- ^ a b ニック・ロウ、イアン・ゴムらが在籍した
- ^ イアン・デューリーが在籍した
- ^ 「ヒット・ミー・ウィズ・ユア・リズム・スティック」などファンクのダンスナンバーの傑作を発表した
- ^ ファーストアルバム収録の「アリスン」は他のミュージシャンにもカバーされた
- ^ カントリー・ロックを演奏したバンド
- ^ 80年代にはアメリカでも小ヒットを出した
- ^ ミック・グリーンが在籍したバンド
- ^ カントリー・ロック・バンドである
- ^ 71年に「アイ・ヒア・ユー・ノッキング」のヒットを出している
- ^ パブロックからパンクロックへと転換したグループ
- ^ ダムドをプロデュース。ニック・ロウ自身は78年にニューウェイヴ・アルバムを発表した。
出典
外部リンク
- 第22回 ─ PUB ROCK - bounce.com 連載