つる割病(つるわれびょう)とは、植物の病害の一種。主に、キュウリやスイカなどウリ科の植物やアサガオ、サツマイモなどにフザリウム属の病原菌(フザリウム・オキシスポラム)が感染し、発病する。つる割れ病の一種には、バナナに感染するパナマ病がある。
なお、「つる割病」という名のついた病害のうち、ブドウつる割病のみはPhomopsis viticolaによるもので、症状は文字通り蔓が割れ、萎凋症状を示すものではない。
呼称の似た病害につる枯病があり、似た症状の病害に(半身萎ちょう病)がある。(萎ちょう病)は、フザリウム・オキシスポラムによるものだけでなく、イチゴやウドなどに感染するバーティシリウム・ダリエ( Verticillium dahliae )に感染した場合もそうよばれる[1]。
症状
日中につるがしおれ、下葉から黄変、やがて株全体がしおれて枯死する。茎に斑点が生じ、褐色のヤニが出る。場合により、カビが生えることもある。
酸性土壌、地温が20 - 30°C近辺で乾湿の差が激しい場合に好発。連作により発病率が増大する。病害の発生した個体は抜き取って処分する。また病原体は土壌に長期間生息するので、発生した圃場の土壌は消毒したり土を処分することが好ましい。
接木は、つる割れ病の予防に効果的である。
事例
20世紀中盤に、当時のバナナの主流であったグロス・ミチェルの多くがパナマ病に感染し商業栽培を壊滅状態にした事例が有名である。グロスミッチェルに代わり主流となったキャベンディッシュ種にも、2015年ごろから新パナマ病(Tropical Race 4、略称:TR4)が世界的に蔓延し、食卓からバナナが消えることが危惧されている[2][3][4]。
出典
関連項目
外部リンク
- - 北海道原子力環境センター農業研究科
- - 大阪府園芸植物病害虫図鑑
- 病害虫ナビ つる割病 - 住友化学園芸