バ・ヌダウ(フランス語: Bah Ndaw、1950年8月23日 - )は、マリ共和国の軍人。最終階級は大佐。2020年のクーデターの後に移行政府の大統領を務めた[1]。N'Daw[1]、N'Dah[2]、N'Daou[3]とも綴る。
経歴
1950年8月23日、フランス領スーダンのセグー州(サン)生まれ。1973年に軍隊に入隊し、1976年からクリコロにある陸軍士官学校(隊内選抜科)(EMIA)にて基礎訓練を受け、空軍を選択。ソビエト連邦にて訓練を受け、ヘリコプターの操縦を学んだ。1978年、EMIAを卒業[2]。軍では空軍参謀長を務めた[1]。このほか、軍事クーデターによって政権を掌握したムーサ・トラオレ大統領の補佐官も務めている[1]。
2014年に国防大臣に就任、1年間務め退任。
2020年8月18日にアシミ・ゴイタが軍事クーデターを引き起こし、イブラヒム・ブバカール・ケイタ大統領が退陣[4][5]。新たな統治機構として(マリ国民救済委員会)が樹立され[6]、その委員長に就任し首班格となったゴイタは9月21日、文民政権が発足するまで設置される18カ月限定の移行政権の大統領にバ・ヌダウを指名した[7]。9月25日に移行政権発足。旧ゴイタ政権に対する反対勢力連合『M5-RFP』はバ・ヌダウ支持を表明している[1]。
2021年5月24日に内閣改造を行い、軍のメンバー2人を交代させたが、その数時間後に軍により(モクタール・ウアンヌ)暫定首相らと共に拘束された[8]。翌25日、ゴイタはヌダウとウアンヌの追放を発表し、権限を掌握した。ゴイタは追放の理由について、自身に内閣改造に関する相談がなかったためとしている[9]。ヌダウは26日にウアンヌと共にゴイタに辞任を表明し[10]、27日に軍から身柄の解放が発表され[11]、8月27日には自宅軟禁からも解放された[12]。
人物
身長が1m95cmと高身長であることから、ル・グラン(le Grand、フランス語で大きいものを指す)と呼ばれている[1]。
註釈
- ^ 2021年5月24日に逮捕され、政権は事実上崩壊。
出典
- ^ a b c d e f “Bah N'Daw: The retired colonel chosen to return Mali to civilian rule”. ドイチェ・ヴェレ. (2020年9月26日) 2020年9月28日閲覧。
- ^ a b “Mali: Who is Bah N’dah, the new transitional president?”. The Africa Report. (2020年9月25日)2020年9月28日閲覧。
- ^ “Mali Pronounces Ex- Defence Minister Ba N'Daou as Interim President”. アフリカニュース. (2020年9月21日) 2020年9月28日閲覧。
- ^ “暫定政権トップに軍大佐 クーデター発生のマリ”. 時事ドットコム. 時事通信社. (2020年8月20日) 2020年8月20日閲覧。
- ^ “マリ陸軍大佐、自らを軍事政権トップと発表 国際社会はクーデター非難”. AFPBB News. フランス通信社. (2020年8月20日) 2020年8月20日閲覧。
- ^ “Mali Coup Leaders Pledge Democracy After Deposing President”. ニューヨーク・タイムズ. (2020年8月19日) 2020年9月28日閲覧。
- ^ “マリ、クーデター後の移行政権トップに元国防相を指名”. AFPBB News. フランス通信社. (2020年9月22日) 2020年9月23日閲覧。
- ^ “西アフリカのマリ、軍が大統領・首相らを拘束 政情不安深まる”. ロイター通信. ロイター. (2021年5月25日) 2021年5月30日閲覧。
- ^ “マリ大統領と首相追放、副大統領が権限掌握”. CNN. CNN. (2021年5月26日) 2021年5月30日閲覧。
- ^ “FULL CIRCLEMali: With Bah N’Daw resignation, Assimi Goïta becomes president”. The Africa Report. (2021年5月26日)2021年5月30日閲覧。
- ^ “マリ軍、暫定政府の大統領と首相を解放 拘束から3日”. AFP通信. フランス通信社. (2021年5月27日) 2021年5月30日閲覧。
- ^ “Mali : levée des restrictions pour Bah N’Daw et Moctar Ouane”. Jeune Afrique. (Jeune Afrique). (2021年8月28日)2021年8月28日閲覧。
公職 | ||
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先代 アシミ・ゴイタ (マリ国民救済委員会)委員長として | マリ共和国移行大統領 2020 - 2021 | 次代 アシミ・ゴイタ |