ハシバミ(榛、学名:Corylus heterophylla var. thunbergii、英語名:Asian Hazel)は、ブナ目カバノキ科ハシバミ属に分類される被子植物の一種である、落葉低木。
分布・生育地
ロシア沿海地方から東アジア北東部の全域、詳しくは、ウスリー川流域(ロシア沿海地方)、および、アムール川流域(中国東北部を含む)から中国陝西省にかけての地域、ならびに朝鮮半島、日本列島(北海道・本州・四国・九州)に分布する[4]。日当たりのよい丘陵地の林縁などに自生する[4]。
形態と生態、ほか
落葉広葉樹の低木で[4]、樹高は2 - 3メートル (m) 、大きいもので5 mほどになる。株立ちになることが多い。
樹皮は、薄茶色でザラザラしている。
葉は互生し、葉身は長さ6 - 12センチメートル (cm) [4]、巾5 - 12 cm位の広卵形で、丸くて硬くザラザラしている。葉縁には不揃いな(重鋸歯)がある[4]。先端は急に尖って、若い葉の中心部が赤茶色になっていることがある。
花期は初春から春(3 - 4月ごろ)で、雌雄同株[4]。雄花は黄褐色で尾状花序が穂のように垂れ下がる[4]。雌花は芽鱗に包まれたまま開花して赤い柱頭が突き出ていて目立つ[4]。
果実は堅果で、大きさは直径約1.5 cmで総苞に包まれている[4]。実は食用にできるが[4]、世界的に流通しているヘーゼルナッツは本種の同属異種にあたるセイヨウハシバミ(西洋榛)である。
若葉
雄花序
文化的特徴
日本の伝統的色名の一つ「榛色(はしばみいろ)」は、セイヨウハシバミの実(ヘーゼルナッツ)の色に由来している。
脚注
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Corylus heterophylla Fisch. ex Besser var. thunbergii Blume ハシバミ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月9日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Corylus heterophylla Fisch. ex Besser ハシバミ(広義)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月9日閲覧。
- ^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Corylus heterophylla Fisch. ex Besser var. japonica Koidz.”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2022年12月9日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j 平野隆久監修 永岡書店編 1997, p. 229.