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ハキリアリ

ハキリアリ(葉切蟻[1])は、ハチ目(膜翅目)アリ科(フタフシアリ亜科)(英語版)(ハキリアリ族)(英語版)の下位に(人為分類)されているアリ新世界蟻;アメリカ大陸のアリ)2の総称。

ハキリアリ
leaf-cutter ant
噛み切った葉を運ぶ
(ケファロテスハキリアリ)(英語版)
ホンジュラスハキリアリ
Honduran leaf-cutter ant
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: ハチ目(膜翅目) Hymenoptera
亜目 : ハチ亜目(細腰亜目) Apocrita
上科 : アリ上科 Formicoidea
: アリ科 Formicidae
亜科 : (フタフシアリ亜科) Myrmicinae
: (ハキリアリ族) Attini
学名
(人為分類)のため、存在しない。
和名
ハキリアリ
英名
leaf-cutter ant
leafcutter ant
leaf-cutting ant [1]
下位分類(
詳しくは本文を参照
葉を切り落とす
切られた葉
自分より大きな葉を運ぶ
行進する葉
障害物を乗り越える
ロープの上も運んでいく
アリタケを植え付ける

生物的特徴

分布

北アメリカ東南部から、中南米熱帯雨林帯を中心とした地域に広く分布している。

形態

体色は赤褐色、体長は3~20ミリメートルと各アリの大きさに非常にばらつきが目立つのが特徴で、最大は女王アリから、大型兵隊アリ、大型働きアリ、中型兵隊アリ、中型働きアリ、小型兵隊アリ、小型働きアリ、そして繁殖に生まれるオスアリなどといった具合に、多くのバリエーションに分かれるのは、後述する生態から生まれたこのアリが持つ特色が持つものである。

生態

他のアリには見られない特異な生態を持つ事で有名で、働きアリは列を成して、様々な木に登り、そこにある葉を切り落として次々と巣へと運んでいく。その姿は葉が独りでに歩いているように見える光景になる。そして切り落とした葉を巣へ持ち運ぶが、この葉をエサにする訳ではなく、地下の巣の広大なスペースに葉を運んで、その葉に特殊な菌類を植え付ける。この菌類は「(アリタケ)[注 1](蟻茸、cf. (蟻と菌類の相利共生)(英語版)cf. 相利共生)」と呼ばれるハラタケ科菌類であり、植物の葉を栄養源にして菌類は増殖し、育っていくが、そのためにアリ達は葉を運び、この菌類を餌にしている。地下のこの菌類を栽培するスペースは、生育に適した温度と湿度が保たれ、アリ達はその環境を維持するために葉を運び続ける。そしてアリタケもハキリアリがいなければ生息と増殖が出来ない相利共生の関係にある。 また、養分の尽きたいわゆるごみとなった葉はそこから運び出され、特定の場所に捨てられ、そこでゴミの山のように積もっていく。なお寿命が尽きたり、身体欠損などで生きられなくなったハキリアリもここへ運ばれ、そこで一生を終える。

大中小の様々な大きさのアリがいるのは、硬い大きな葉を切り落として運んだり、巣の拡張や、葉を運ぶ運搬路確保の土木工事を行う大型の働きアリ、大型アリの切り落とした葉が大きすぎた場合に分断し、運びやすい大きさにして運んだり、大型アリに出来ない作業をこなす中型の働きアリ、更に細かい作業で活躍する小型働きアリという分業体制になっている。大型の兵隊アリは巣を警備したり、外敵から守る役割を持ち、中型の兵隊アリは葉を運ぶ働きアリをガードし、小型の兵隊アリは働きアリに並行して、絶えずに回りを警戒する。警備アリと呼ばれる小さいアリは巣に運ばれる葉の上に乗っているが、これはハキリアリに卵を産み、幼虫と共に伝染病を送る寄生バエ警戒の為で、小型警備アリはこのハエが近付くと大きく顎を開いて追い払う。巣の中でも中小の様々な働きアリ達が働いており、女王や幼虫、蛹の世話をするヘルパーアリ、アリタケを栽培する作業に従事する農耕アリ、巣から出たゴミを処分するアリなどが動いている。

硬い葉を切り落とす作業では片側の顎をカギ状にして体を支え、もう一方の顎をカッターナイフのような具合で葉に当てて切れ目を入れ、てこの原理を応用している。寿命は女王アリが10~20年と昆虫類としては長寿なのに対し、その他のアリは半年程度しか生きられないという。 女王の死後は、巣は衰退し、生き残ったアリ達の活動も鈍くなり、やがて死滅する[2]

表皮

育てた菌類は、有害菌の繁殖を阻害する化学物質を発生させ、バハマハキリアリに感染するのを防いでいる。また、通常の甲殻の上にマグネシウムを大量に含んだ炭酸カルシウムの鎧が形成され、この鎧によって他のアリより部位欠損しにくくなる[3]

分類

上位分類

下位分類

下位分類として、ハキリアリ属ヒメハキリアリ属の2属32種が知られている。

ハキリアリは、現地の国家・地域・言語ごとに異なる名称で呼ばれているものが多い。中には同じ言語圏で名称が共通していることもある。一方、英語圏では馴染みが薄く、従って、ほとんどの属には英語名が無い。ただ、アメリカ合衆国内を主な棲息地としている(テキサスハキリアリ) Atta texana だけは例外で、様々な英語名(少なくとも6つ)で呼ばれている。日本は英語圏以上に馴染みが無いので、それを反映してか、和名は属名のほかにはほとんど確認できない。

ハキリアリ属

ヒメハキリアリ属

  • Genus Acromyrmex Mayr1865(英名)Acromyrmex –(和名)(ヒメハキリアリ属)
    • Acromyrmex ambiguus Emery, 1888(備考)ブラジルパラグアイウルグアイに棲息。
    • Acromyrmex ameliae De Souza, Soares & Della Lucia, 2007(備考)ブラジル南部に棲息。
    • Acromyrmex aspersus F. Smith, 1858(備考)ブラジル南部とペルーに棲息。
    • Acromyrmex balzani Emery, 1890(備考)パラグイ東部とブラジル南部に棲息。
    • Acromyrmex biscutatus Fabricius1775
    • Acromyrmex coronatus Fabricius1804(備考)グアテマラからブラジルにかけてとエクアドルに棲息。
    • Acromyrmex crassispinus Forel, 1909(備考)南アメリカ全域、特にアルゼンチンとパラグアイに棲息。
    • Acromyrmex diasi Gonçalves, 1983
    • Acromyrmex disciger Mayr1887
    • Acromyrmex echinatior Forel, 1899
    • Acromyrmex evenkul Bolton, 1995
    • Acromyrmex fracticornis Forel, 1909(備考)ブラジル南部、パラグアイ、アルゼンチン北部に棲息。
    • Acromyrmex heyeri Forel, 1899(備考)パラグアイ、アルゼンチン、ブラジル、ウルグアイに棲息。
    • Acromyrmex hispidus Santschi, 1925(備考)ブラジル南部とボリビアに棲息。
    • Acromyrmex hystrix Latreille1802(備考)アマゾン熱帯雨林エクアドルに棲息。
    • Acromyrmex insinuator Schultz, Bekkevold & Boomsma, 1998
    • Acromyrmex landolti Forel, 1885
    • Acromyrmex laticeps Emery, 1905
    • Acromyrmex lobicornis Emery, 1888
    • Acromyrmex lundii Guérin-Méneville, 1838(備考)ブラジル、アルゼンチン北部、パラグアイに棲息。
    • Acromyrmex niger F. Smith, 1858(備考)パラグアイに棲息。
    • Acromyrmex nigrosetosus Forel, 1908
    • Acromyrmex nobilis Santschi, 1939
    • Acromyrmex octospinosus Reich, 1793(備考)メキシコ南部からパナマベネズエラにかけて棲息。
    • Acromyrmex pubescens Emery, 1905
    • Acromyrmex pulvereus Santschi, 1919
    • Acromyrmex rugosus F. Smith, 1858
    • Acromyrmex silvestrii Emery, 1905
    • Acromyrmex striatus Roger, 1863
    • Acromyrmex subterraneus Forel, 1893
    • Acromyrmex versicolor Pergande, 1894
    • Acromyrmex volcanus Wheeler, 1937

人間との関係

 
ハキリアリの被害を受けた木
 
鍋で焙る前にソンポポの下拵えをする女性

葉を切り落とすことで熱帯雨林の新陳代謝が高められ、巣から出た大量の廃棄物も分解されて熱帯雨林の栄養価の高い土壌を生み出しているハキリアリであるが、棲息地域では、コーヒー農園にも現れ、そこの葉を切り落とし、数に物を言わせて木を丸裸にしてしまうこともあることから、重大な農業害虫でもある。対策としては、木に登れなくする薬品を使用したり、防護袋を設けるなどされている。

キノコを栽培して利用する生態を持つハキリアリは「農業をする蟻」と呼ばれることが多い。節足動物でこのような生態を具えるのはハキリアリ以外にはほとんど見られないことでも注目される。葉を器用に切り取って運ぶところも画的に面白く、テレビ番組で取り上げられることも多い。

(ソンポポ・デ・マヨ)(スペイン語版)は、「ソンポポ(スペイン語zompopo)」すなわちハリキアリ属の蟻を焙煎した料理であり、グアテマラホンジュラスエクアドルで食されている。これはインカ帝国時代から記録されている伝統料理で、植民地時代の年代記にも記されている。コロンビアサンタンデール県でもハキリアリを焙煎したものが一般的に食べられており、媚薬の効果があると信じられている。

参考文献

  • 『大昆虫記』 海野和男 データハウス (ISBN 4887182406)
  • 『世界昆虫記』 今森光彦 福音館書店 (ISBN 4834001792)
  • 『世界珍虫図鑑』 川上洋一 上田恭一郎 柏書房 (ISBN 476013168X)

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ アリに寄生する(寄生菌)である(アリタケ)(英語版)とは全く別なので注意。

出典

  1. ^ a b c kb.
  2. ^ “「女王アリが死亡」展示が終了 来園者が見た「強さ」と「変化」”. withnews (2021年11月2日). 2022年4月16日閲覧。
  3. ^ ハキリアリは鉱物の「よろい」に覆われていた、昆虫で初
  4. ^ 西田賢司 (2013年2月1日). “第43回 ハキリアリは農業を営む(パート1)”. ナショナルジオグラフィック (日経ナショナルジオグラフィック社). https://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/20130201/338901/ 2022年10月13日閲覧。 

関連項目

  • 相利共生
    • (蟻と菌類の相利共生)(英語版)cf. en:Ant–fungus mutualism#The attines(※(ハキリアリ族)(英語版)の蟻茸に関するセクション).
  • (ソンポポ・デ・マヨ)(スペイン語版) – ソンポポ(ハキリアリ属)を食材とした伝統料理。
  • ハキリバチ科 – 全く異なる生態ながら、葉を噛み切る点では共通し、日本語・英語ともに「葉切り」と呼んでいる。Wikt:en:leaf-cutter bee.

外部リンク

データベース

  • Atta” (英語). (Animal Diversity Web)(英語版) (ADW). 2022年10月13日閲覧。
  • Acromyrmex” (英語). Animal Diversity Web (ADW). 2022年10月13日閲覧。
  • “Genus Atta - Leaf-cutting Ants” (英語). (BugGuide)(英語版). 2022年10月13日閲覧。
  • “Genus Acromyrmex - Leaf-cutting Ants” (英語). BugGuide. 2022年10月13日閲覧。
  • Atta Fabricius, 1804” (英語). Global Biodiversity Information Facility (GBIF). 2022年10月13日閲覧。 - 地球規模生物多様性情報機構 (GBIF)。分布図あり。
  • Atta Fabricius, 1804” (英語). ITIS. 2022年10月13日閲覧。
  • Acromyrmex Mayr, 1865” (英語). ITIS. 2022年10月13日閲覧。
  • Atta” (英語). (Mindat.org)(英語版). 2022年10月13日閲覧。 - 鉱物学データベース。
  • Acromyrmex” (英語). Mindat.org. 2022年10月13日閲覧。
  • “Taxon: Genus Atta” (英語). (Taxonomicon)(フランス語版). 2022年10月13日閲覧。
  • “Taxon: Genus Acromyrmex” (英語). The Taxonomicon. 2022年10月13日閲覧。
  • Atta Fabricius, 1804” (英語). (ZooBank)(英語版). International Commission on Zoological Nomenclature (ICZN). 2022年10月13日閲覧。 - 動物命名法国際審議会 (ICZN) の動物学データベース。
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