トルクメニスタンの大統領（トルクメニスタンのだいとうりょう、トルクメン語: Türkmenistanyň prezidenti）は、トルクメニスタンの国家元首たる大統領である。
| トルクメニスタン 大統領 Türkmenistanyň prezidenti | |
|---|---|
| 大統領章 | |
| 任期 | 7年 |
| 任命者 | 直接選挙 |
| 初代 | サパルムラト・ニヤゾフ |
| 創設 | 1990年10月17日 |
概要
憲法上の規定によると、トルクメニスタンの大統領は任期は1期につき7年で、国民の直接選挙により選出されるという事になっている。
しかし、同国では1991年の独立以来、個人崇拝色の強い独裁政治が行われており、1999年から2006年までは議会によりテュルクメンバシュ（国父）の称号を与えられたサパルムラト・ニヤゾフによる終身大統領制が敷かれていた。ニヤゾフの死去後も、一定の改革は行われたものの引き続き独裁的な体制が継続している。
同国ではソビエト連邦からの独立後、憲法上は複数政党制が認められたものの、実際には唯一の与党であるトルクメニスタン民主党とその衛星政党である(農業党)、そして比較的新しく結成された(産業・企業家党)の3党しか合法的な政党は存在せず、他の政党は全て非合法化・弾圧されている[注釈 1]ため、大統領選挙は実施されても形式的なものであり、現職者又はその後継者が常に約9割あるいはほぼ100%に近い得票を得て当選する。
第2代大統領のグルバングル・ベルディムハメドフが2022年2月に世代交代を図るとして任期途中で辞任を表明したため、3月12日に大統領選挙が執行[1]され、大統領の長男で副首相のセルダル・ベルディムハメドフが得票率72.97％で当選した[2]。
職務代行者
トルクメニスタンには副大統領職は存在せず、閣僚会議議長（首相）は憲法の規定により大統領自身が兼任している。このため、終身大統領ニヤゾフの死去により大統領が不在となった際には、副首相を務めていたグルバングル・ベルディムハメドフが大統領代行となった[注釈 2]。
大統領の一覧
| 代 | 大統領 | 所属政党 | 期 | 在任期間 | 備考 | ||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | サパルムラト・ニヤゾフ | (トルクメン共産党) | 1 | 1990年11月2日 - 1991年12月16日 | 16年 + 49日 | ||
| (1) | トルクメニスタン民主党[注釈 3] | 1991年12月16日 - 1992年6月21日 | 党名変更[注釈 3] | ||||
| 2 | 1992年6月21日 - 1999年12月28日 | 任期延長[注釈 4] | |||||
| 3 | 1999年12月28日 - 2006年12月21日 | (終身大統領) | |||||
| - | グルバングル・ ベルディムハメドフ | トルクメニスタン民主党 | 2006年12月21日 - 2007年2月11日 | 52日 | 大統領代行（副首相） | ||
| 2 | 4 | 2007年2月11日 - 2012年2月12日 | 16年 + 101日 | ||||
| 5 | 2012年2月12日 - 2013年8月18日 | ||||||
| (2) | 無所属 | 2013年8月18日 - 2017年2月11日 | 党籍離脱[注釈 5] | ||||
| 6 | 2017年2月12日 - 2020年2月11日 | ||||||
| 7 | 2020年2月12日 - 2022年3月19日 | ||||||
| 3 | セルダル・ ベルディムハメドフ | トルクメニスタン民主党 | 8 | 2022年3月19日 - （現職） | 1年, 65日 | ||
脚注
注釈
出典
外部リンク
- U.S. State Department profile of Turkmenistan - アメリカ合衆国国務省（英語）
- トルクメニスタン基礎データ - 外務省