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トヨタ・TS040 HYBRID

トヨタ・TS040 HYBRID (Toyota TS040 HYBRID) は、トヨタ自動車TMG)が2014年ル・マン24時間レースおよびFIA 世界耐久選手権(WEC)参戦用に開発したプロトタイプ。WECの2012・2013年の2シーズンに参戦したトヨタ・TS030 HYBRIDの後継モデルにあたる。

トヨタ・TS040 HYBRID
カテゴリー LMP1
コンストラクター トヨタ自動車
先代 トヨタ・TS030 HYBRID
後継 トヨタ・TS050 HYBRID
主要諸元[1][2][3]
シャシー カーボンファイバー アルミニウム ハニカム モノコック
サスペンション(前) 独立懸架 ダブルウィッシュボーン プッシュロッド
サスペンション(後) 独立懸架 ダブルウィッシュボーン プッシュロッド
全長 4,650 mm
全幅 1,900 mm
全高 1,050 mm
エンジン トヨタ RV8KLM 3.7 L 90° V8 自然吸気 ミッドシップ, 縦置き
トランスミッション 7速 シーケンシャルセミオートマチック
燃料 モービル
タイヤ ミシュラン ラジアル
主要成績
チーム トヨタ・レーシング
ドライバー
コンストラクターズタイトル 1
ドライバーズタイトル 1
初戦 2014年 シルバーストーン6時間レース
出走優勝ポールFラップ
16544
(テンプレートを表示)

2014年のFIA 世界耐久選手権では、ル・マンこそ勝利を挙げられなかったものの、アウディポルシェの新旧耐久王を破り、ドライバーズ部門とマニュファクチャラーズ(製造者)部門の二冠を獲得。日本メーカーとして初となるスポーツカー耐久の世界選手権でのチャンピオンとなった[5]

概要

2013年のWECシーズン中、トヨタは、2014年のWECでのレース活動継続と2014年シーズンのプロトタイプのレギュレーションに基づく新しいル・マン・プロトタイプ(LMP1)カーの開発を発表した[6]。更なる詳細は、8月31日のサンパウロラウンドでトヨタのテクニカルディレクターのパスカル・バセロンによって明らかにされた[7]。TS040は、V8自然吸気(NA)エンジンスーパー・キャパシタのシステムを後輪の車軸に搭載する前モデルのTS030と同様の従来のレイアウトに、更に前輪の車軸にもスーパー・キャパシタのシステムを追加搭載して一時的な四輪駆動も使用できる様にされた[8]。2014年3月27日に公開された。2014年のWEC開幕戦にあたる4月20日のシルバーストン6時間レースにデビュー戦に期待が寄せられた[9]

1周あたり(ル・マンサルト・サーキット基準)に放出するエネルギー回生値は、選択できる4段階(2MJ/4MJ/6MJ/8MJ *単位:MJ=メガジュール=百万ジュール)のうち2番目に大きい6MJを選択した[10]

最大520馬力NAの3.7リットルV8エンジンに回生エネルギーの480馬力が加わる。減速時には、モーターを兼ねる発電機のMGU(モーター・ジェネレーター・ユニット)と従来型ブレーキの組み合わせで減速し、同時に、MGUにより回生されたエネルギーはインバータを介して、スーパーキャパシタに蓄えられる。一方、加速時には、回生エネルギーが逆方向に移動し、前後のMGUから、合計で480馬力のパワーアシストが得られる仕組み。4輪駆動のハイブリッドという点が、TS040 HYBRIDの大きな特徴となる[11]

2013年12月2日に、トヨタ・レーシングアレクサンダー・ヴルツステファン・サラザン中嶋一貴アンソニー・デビッドソンニコラ・ラピエールセバスチャン・ブエミら2013年シーズンを契約したドライバー全員の契約更新を発表した。更に、リザーブ兼テストドライバーとして新たにマイク・コンウェイと契約したことも発表されている[4]

レース活動

2014年シーズン

新しい(LMP1-H)の車両規定に基づいて実施された2014年のWECシーズンの開幕戦となるイギリスのシルバーストン6時間レースがトヨタ・TS040 HYBRIDのデビュー戦となった。前年も参戦しているトヨタとアウディの両コンストラクターに復帰組のポルシェを加えた3コンストラクターは新しいレースカーを投入した。予選では、トヨタ7号車がアレクサンダー・ヴルツと中嶋一貴によって1分42秒0.774のタイムでポールポジション(PP)を獲得した[12]。2位の(アウディ・R18 e-tron クワトロ)の2号車のタイム1分42秒0.779とは僅か0.005秒という僅差であった。8号車は1分43秒0.189のタイムで予選5位であった。

レース決勝では、完全なドライからヘビーウェットコンディションまで目まぐるしく変わる悪天候となり、最後は予定されていたチェッカーフラッグの時間まで30分程を残しながら豪雨により赤旗が出されてレースはその時点で終了となるような悪条件の中で、アンソニー・デビッドソンニコラ・ラピエールセバスチャン・ブエミら3名がドライブする8号車が優勝し、7号車も続いて2位に入り、トヨタとしてWEC初となる1-2フィニッシュを決めた[13]

2戦目のベルギーのスパ・フランコルシャンのレースでは、ポールポジションはポルシェ・919ハイブリッドの14号車が獲得した為に2戦連続でのPP獲得はならなかったが、8号車が予選2番手に入り[14]、決勝ではデビッドソンがファーステストラップをマークして8号車が開幕2連勝し、7号車も3位に入る活躍を見せ[15]、 万全の状態でル・マン24時間レースに挑んだ。

3戦目の第82回ル・マン24時間レースでは、7号車を駆る中嶋一貴が日本人初のポールポジションを獲得、8号車も3番手と好位置につける[16][17]。決勝ではスタート直後からライバルのアウディやポルシェがトラブルやアクシデントにより後退する中、7号車が序盤からレースをリードするも、レースの半分を過ぎた14時間後の219周に電気系統のトラブルでリタイアしてしまう[18]。一方の8号車は他のライバル勢同様に序盤のアクシデントに巻き込まれ、最後尾近くまで順位を落としていたが追い上げを見せ3位表彰台を獲得した[19]

第4戦のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ6時間レースでは、8号車がポールポジションを獲得[20]したのにもかかわらず、レース中の雷雨によって2台ともスピンしてしまう[21][22]。およそ1時間の中断の後、2台とも周回遅れとして再開後のレースで再スタートを切り、8号車が懸命の追い上げを見せるも3位で終わった。

 
トヨタ・TS040 HYBRID(2014/10/12 WECinFUJI)

第5戦の富士6時間レースでは、8号車に乗っていたニコラ・ラピエールがWECを欠場し、8号車はデビッドソンとブエミの2人体制で戦うことになった[23]。その8号車がポールポジション[24]からトップを独走し、7号車と共に1-2フィニッシュを決めた[25]

第6戦の上海6時間レースでは、予選で8号車とポルシェ14号車が互いに1分48秒300の最速タイムを出すが、同タイムの場合、先にベストタイムを記録した方を上位とする為、先にタイムを出したポルシェ14号車にポールポジションを譲る形となった。決勝レースでは、トヨタ8号車と7号車の1-2フィニッシュとなった[26]

第7戦のバーレーン6時間レースでは、レース直前の時点でトヨタ8号車のデビッドソンとブエミはドライバーズランキング首位をひた走っており、ここバーレーンで5位以内に入れば、仮にライバルのアウディ2号車が優勝してもタイトルを自力で獲得できるという事実上ドライバーズタイトルに王手をかけた状態で臨んだレースである[27][28]。レースでは、レース前半にトヨタ8号車と7号車の1-2体制となるが、8号車のオルタネーターが破損して約30分をかけるオルタネーターの交換を強いられる。レース自体はトヨタ7号車が優勝し、8号車は総合13位/LMP1クラス8位でフィニッシュしてポイントを得て、アンソニー・デビッドソンとセバスチャン・ブエミの2人のドライバーズタイトル戴冠が決まった。

最終戦のサンパウロ6時間レースでは、ポルシェ14号車とトヨタ8号車のトップ争いとなる[29]。ポルシェ14号車は最後のピットストップで停車時間の短縮を図るためにタイヤ交換を行なわず、トヨタ8号車は新品のタイヤに履き替えた為、ピットストップ短縮で前に出たポルシェ14号車を新品タイヤで全力で追いかけるトヨタ8号車の展開となったが、終盤にポルシェ20号車の事故によるセーフティカーランの状態でレースが終了した為、トヨタ8号車は惜しくも2位の状態のままでレースを終えることとなったが、トヨタのマニュファクチャラーズタイトル獲得を決め、2014年シーズンをドライバーズとマニュファクチャラーズの二冠を獲得して締めくくることが出来た。

スペック

詳細はトヨタモータースポーツ公式サイト[1]を参照。

シャシー

  • 名称 TS040 HYBRID
  • 参戦カテゴリー ル・マン・プロトタイプ (LMP1)
  • ギヤボックス 横置き7速シーケンシャルトランスミッション
  • ギヤボックスケーシング アルミニウム
  • クラッチ ZF社製 多板クラッチ
  • ディファレンシャル ヴィスカス機械ロック式ディファレンシャル
  • サスペンション プッシュロッド式独立懸架ダブルウイッシュボーン(前/後)
  • スプリング トーションバー
  • アンチロールバー 前/後
  • ブレーキ 2系統油圧式ブレーキ・システム モノブロック軽量合金キャリパー(前/後)
  • ブレーキ・ディスク カーボン製ベンチレーテッド・ディスク(前/後)
  • ホイール マグネシウム鍛造ホイール
  • タイヤ ミシュラン・ラジアル
    • フロントタイヤ・サイズ 31/71-18
    • リアタイヤ・サイズ 31/71-18
  • シートベルト タカタ
  • 全長 4,650 mm
  • 全幅 1,900 mm
  • 全高 1,050 mm
  • 燃料タンク容量 68.3 L

エンジン

  • パワートレイン TOYOTA HYBRID System - Racing (THS-R)
  • エンジン・バンク角 90° V8 自然吸気エンジン
  • 燃料 ガソリン
  • エンジン排気量 3.7 L
  • バルブ数 4
  • エンジン最高出力 382 kW(520 ps)
  • キャパシタ 日清紡ホールディングス
  • 前輪ハイブリッド・モーター&インバータ アイシンAW(現:アイシン
  • 後輪ハイブリッド・モーター&インバータ デンソー
  • 後エンジン・モーター総合最大出力 736 kW(1,000 ps)

戦績

チーム クラス No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 ポイント ランキング
2014年   トヨタ・ガズー・レーシング LMP1-H SIL
 
SPA
 
LMS
 
COA
 
FUJ
 
SHA
 
BHR
 
SÄO
 
289 1位
7   アレクサンダー・ヴルツ 2 3 Ret 6 2 2 1 4
  ステファン・サラザン 2 3 Ret 6 2 2 1 4
  中嶋一貴 2 3 Ret WD 2 2 WD WD
  マイク・コンウェイ WD WD WD 6 WD WD 1 4
8   アンソニー・デビッドソン 1 1 3 3 1 1 11 2
  セバスチャン・ブエミ 1 1 3 3 1 1 11 2
  ニコラ・ラピエール 1 1 3 3 WD WD WD WD
2015年   トヨタ・ガズー・レーシング LMP1 SIL
 
SPA
 
LMS
 
NUR
 
COA
 
FUJ
 
SHA
 
BHR
 
164 3位
1   アンソニー・デビッドソン 3 4 8 5 4 5 6 4
  セバスチャン・ブエミ 3 4 8 5 4 5 6 4
  中嶋一貴 3 WD 8 5 4 5 6 4
2   アレクサンダー・ヴルツ 4 6 6 6 Ret 6 5 3
  ステファン・サラザン 4 6 6 6 Ret 6 5 3
  マイク・コンウェイ 4 6 6 6 Ret 6 5 3

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b “”. トヨタ自動車株式会社. 2016年7月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月21日閲覧。
  2. ^ “2015年型TS040 HYBRID レース車両解説”. トヨタ自動車株式会社. 2019年12月1日閲覧。
  3. ^ “WEC 2014年 トヨタ・レーシング ハンドブック PDF版” (pdf). トヨタ自動車. 2015年2月13日閲覧。[]
  4. ^ a b Watkins, Gary. “Conway joins Toyota in reserve role”. RACER.com. Racer Media & marketing, Inc.. 2013年12月27日閲覧。
  5. ^ “日本メーカーとして初めて世界耐久選手権レースでの年間タイトルを獲得 WEC最終戦サンパウロ6時間レース 2位、4位でシーズンを締め括る”. トヨタ自動車. 2015年1月16日閲覧。
  6. ^ Watkins, Gary. “Toyota set to cut back to one WEC entry”. Racer.com. Racer Media & marketing, Inc.. 2013年12月27日閲覧。[]
  7. ^ Dagys, John. “Toyota Reveals Details on 2014 LMP1 Car” (英語). Sportscar365.com. John Dagys Media, LLC. 2013年12月27日閲覧。
  8. ^ Dagys, John. “2014 Silly Season Update: LMP1” (英語). Sportscar365.com. John Dagys Media, LLC. 2013年12月27日閲覧。
  9. ^ Dagys, John. “Toyota TS040 Hybrid Set for Unveil in March” (英語). John Dagys Media, LLC. 2014年1月17日閲覧。
  10. ^ “トヨタ、TS040ハイブリッドを公開。1000馬力発生”. as-web.jp/. オートスポーツ (2014年3月27日). 2014年4月22日閲覧。
  11. ^ 森脇稔 (2014年3月27日). “トヨタの新WEC レーサー、TS040 HYBRID 発表…1000psのハイブリッドに進化”. response.jp/. Response.. 2014年4月22日閲覧。
  12. ^ “トヨタTS040、まずはポールポジションで2014年をスタート!!”. f1-stinger.com/. STINGER (2014年4月20日). 2014年4月22日閲覧。
  13. ^ 纐纈敏也 (2014年4月21日). “【WEC 開幕戦】トヨタ、新型TS040ハイブリッドでWEC参戦初の1-2フィニッシュ”. response.jp/. Response.. 2014年4月22日閲覧。
  14. ^ “WECスパ開幕。ポルシェが参戦2戦目でPP獲得!”. as-web.jp/. オートスポーツ (2014年5月4日). 2014年5月4日閲覧。
  15. ^ “トヨタ、開幕戦に続き2連勝 (WEC第2戦)”. f1-gate.com/. F1-Gate.com (2014年5月4日). 2014年5月4日閲覧。
  16. ^ “WEC 2014年 第3戦 ル・マン24時間レース 予選2日目”. トヨタ (2014年6月13日). 2014年12月10日閲覧。[]
  17. ^ “ル・マン史上初、日本車に乗る日本人ドライバーが予選最速タイムを記録! トヨタ&中嶋一貴、新レコードでポールポジション!”. ミシュラン (2014年6月13日). 2014年12月10日閲覧。[]
  18. ^ “【16時間経過】 No.7 トヨタがトップ独走から痛恨のリタイア! 夜明けのル・マンはNo.1 アウディが首位に!”. ミシュラン (2014年6月15日). 2014年12月10日閲覧。[]
  19. ^ “【ルマン24時間 2014】ハイブリッド3強レース総括…アウディの強さ、トヨタの速さ、ポルシェのしぶとさ”. Response. (2014年6月16日). 2014年12月10日閲覧。
  20. ^ “デイビッドソン「マシンの本当の速さを証明できた」”. オートスポーツ (2014年9月20日). 2014年12月10日閲覧。
  21. ^ “WEC第4戦:荒天も味方につけアウディがワンツー”. オートスポーツ (2014年9月21日). 2014年12月10日閲覧。
  22. ^ “ラピエール「突然の大雨で全てが変わってしまった」”. オートスポーツ (2014年9月21日). 2014年12月10日閲覧。
  23. ^ “8号車トヨタのラピエール、WEC富士は欠場に”. as-web.jp/. オートスポーツ (2014年10月7日). 2014年10月13日閲覧。
  24. ^ “No.8 トヨタTS040ハイブリッドが地元富士でポールポジションを奪取! ポルシェ勢が予選2位&3位に”. ミシュラン (2014年10月11日). 2014年12月10日閲覧。[]
  25. ^ “トヨタ・レーシング、富士決戦を完全制圧! 圧倒的な1-2フィニッシュで母国ラウンドを制す!”. ミシュラン (2014年10月12日). 2014年12月10日閲覧。[]
  26. ^ “トヨタ・レーシングが2戦連続の1-2フィニッシュ! 今季4勝目のデビッドソン/ブエミ組が王座獲得へ大きく前進!”. ミシュラン (2014年11月3日). 2014年12月10日閲覧。
  27. ^ “WEC:トヨタが初のタイトル獲得! 優勝は7号車”. オートスポーツ (2014年11月16日). 2014年12月10日閲覧。
  28. ^ “【WEC 第7戦】トヨタ、デビッドソン&ブエミがドライバーズタイトル獲得”. Response. (Response.). (2014年11月17日). http://response.jp/article/2014/11/17/237514.html 2014年12月10日閲覧。 
  29. ^ “復活初年度のポルシェが初優勝、トヨタがダブルタイトルを獲得、そしてミシュランは全クラス制覇を達成!”. ミシュラン (2014年12月1日). 2014年12月10日閲覧。[]

関連項目

外部リンク

  • WEC 2014年 レースカレンダー - TOYOTA GAZOO Racing
  • WEC 2015年 レースカレンダー - TOYOTA GAZOO Racing
  • - ウェイバックマシン(2016年7月29日アーカイブ分)
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