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デナリ

デナリ(Denali、[dɪˈnɑːli])は、アメリカ合衆国アラスカ州にあるで、アラスカ山脈、アメリカ合衆国、北アメリカ大陸最高峰[1]標高6190.4 m(2012年の測量前は6194 m[2])。山名は、英語由来のマッキンリー山英語: Mount McKinley)と長らく並立していたが、2015年よりデナリが正式な呼称となった[3][注釈 1]

デナリ
(マッキンリー山)
北側からワンダー湖を前景に望む
標高 6190.4 m
所在地 アメリカ合衆国 アラスカ州
位置 北緯63度4分10秒 西経151度0分26秒 / 北緯63.06944度 西経151.00722度 / 63.06944; -151.00722
山系 アラスカ山脈
初登頂 ハドソン・スタックら(1913年
プロジェクト 山
(テンプレートを表示)

名称

北米先住民(デナッイア族)(英語版)の言語である(デナッイア語)(英語版)で「大きな山」を意味する[4]「Dghelay Ka'a (/dɣəˈlay ˈkaʔa/)」と呼ばれている。また、近隣に住む(コユコン族)(英語版)の言語である(コユコン語)(英語版)では「高きもの」「偉大なるもの」を意味する「Deenaalee(/diˈnæli/)」と呼ばれる。英語では後者を語源として「Denali ([dɪˈnɑːli])」、あるいは「Dinale([dɪˈnæli])」と呼び、これは「デナリ」と邦訳される。1897年連邦政府によってこの山には、当時の大統領ウィリアム・マッキンリーにちなんだ「Mount McKinley(マウント・マッキンリー)」の名が与えられた。この名称は、1896年に、オハイオ州出身の採鉱者が同州出身の大統領候補だったマッキンリーの名を付けるよう提案したことによる[4]

1975年アラスカ州政府はデナリを正式名称とするよう、連邦政府に働きかけることを始めた。1980年には州法に基づき、山を含む周囲にデナリ国立公園が設置され、同時に州地名局は山の呼称もデナリに改称したが、連邦地名局はマッキンリーを使い続けた。以降は2つの呼称が並存していたが、アラスカ人はデナリの名を好む傾向があり、連邦政府での呼称もそれに変更しようとする運動も行われた。一方で、観光客などは山をマッキンリー、国立公園をデナリと呼び分けることもあった。

2015年8月30日バラク・オバマ大統領は山の名称を正式にデナリへ変更することを発表した[3][5]。この変更は、オハイオ州出身議員に不満をもたらした。

特徴

デナリはエベレストよりも大きな(山体)と比高を持つ。エベレストの標高はデナリより2700 mも高いが、チベット高原からの比高は3700 m程度に過ぎない。一方、デナリはふもとの平地の標高は600 m程度であり、そこからの比高は5500 mに達する。

高緯度にあるため、夏と冬の変化が大きい。夏は白夜になるが、冬は日照時間が非常に短くなる。日の出から日没までの時間は夏至では約22時間、冬至では4時間45分である[6]

デナリは高緯度に位置するため気温が低く、夏でも山頂の平均気温は−20 °C程度となる[7][8]。冬には5700 m地点に据えられた温度計の最低気温が日常的に−40 °Cを下回り[9]、1995年には−59.4 °Cを記録している[10]。1969年以前には、中腹の約4600 m地点で最低気温−73.3 °C(−100 °F)を記録したこともある[11]。その影響でヒマラヤアンデスの同一標高よりも気圧が低い[注釈 2]。デナリ山頂と同一気圧になるヒマラヤの標高は、登山シーズンで比較するとデナリ山頂よりも約300–450 m程高い[12]。気圧は夏よりも冬のほうが一段と低くなり、冬のデナリ山頂の気圧は夏のヒマラヤ7000 m超に相当する[13]。そのため、登山者にとっては高山病の危険性が比較的高くなる。

冬にはジェット気流の影響からしばしば160 km/h(≈ 44.4 m/s)の風が吹き下ろし、さらにデナリ・パスのような風が集まる地形ではベンチュリ効果によって風速が倍増することもある[14]

地形

デナリ山には2つの主要な頂がある。南峰は最高点であり、北峰は5934 mの高さである。北峰は南峰との鞍部から402 m上るため、独立峰とされることもある。

5本の巨大な氷河が山から発していて、ピータース氷河は北西に、マルドロー氷河は北東に流れる。マルドロー氷河の東隣にはトラレイカ氷河がありルース氷河は南東に、カヒルトナ氷河は南西に流れる。

山体は花崗岩で出来ており太平洋プレートが北米プレートの下に潜り込み、北米プレートの大陸地殻を押し上げたものである。

登頂歴

 
デナリの「ハイ・キャンプ」
 
初登頂者の1人であるハドソン・スタック司祭

1903年フレデリック・クックによって初登頂されたと報じられたが、彼に同行していたエド・バレルによって1909年に否定された。ただし、バレルは、北極点初到達をクックと争ったロバート・ピアリーによって大金で買収されていたことが分かっている。

1913年6月7日、真の人類初登頂が達成された。偉業を成し遂げたのは、司祭(ハドソン・スタック)(英語版)(ハリー・カーステンス)(英語版)(ウォルター・ハーパー)(英語版)(ロバート・テータム)(英語版)司祭ら、アメリカ人4名である。1947年には、(バーバラ・ウォシュバーン)(英語版)が女性として初めて頂上に到達した。1951年(ブラッドフォード・ウォシュバーン)(英語版)隊によって登頂されたウェストバットレスルートが現在最も一般的なルートとなっている。

登山シーズンは4月後半から7月中旬[15]。4月、5月は寒く、7月になると雪が緩むので、6月中に登る人が最も多い[15]。1990年以降、登山シーズンには毎年400人から800人ほどが登頂している[16]。2015年までに冬季登頂を果たしたのは10隊17人で、うち5人が単独[17][18]。冬のデナリでは6人が死亡している[17]

  • 1913年6月7日 - 人類初登頂。アメリカの(ハドソン・スタック)(英語版)ら4名による。
  • 1947年 - 女性初登頂。アメリカの(バーバラ・ウォシュバーン)(英語版)による。
  • 1951年 - ウェストバットレスルート初登頂。アメリカの(ブラッドフォード・ウォシュバーン)(英語版)による。
  • 1961年 - カシンリッジルート初登頂。イタリアの(リッカルド・カシン)(英語版)による。
  • 1967年2月28日 - 冬季初登頂。アメリカのデイヴ・ジョンストン(Dave Johnston)、アート・デヴィッドソン(Art Davidson)、(レイ・ジュネ)(英語版)による。
  • 1970年(昭和45年)8月26日 - 単独初登頂。植村直己による(世界初の五大陸最高峰登頂)。
  • 1972年(昭和47年)7月12日 - 南壁西稜コースに挑んでいた日本の女性登山家グループ凌雪会のうち3人が遭難死[19]
  • 1976年 - 南西壁ルート初登頂。イタリアのラインホルト・メスナーとブーレ・エルツによる。
  • 1984年(昭和59年)2月12日 - 冬季単独初登頂。植村直己による(下山時に遭難して行方不明)。
  • 1988年3月7日 - 初の冬季単独登頂と下山。アメリカの(ヴァーノン・テジャス)(英語版)による。
  • 1989年(平成元年)2月23日 - 冬季登頂に挑んだ山田昇、(小松幸三)、三枝照雄が遭難死。
  • 1998年(平成10年)3月8日 - 日本人初の冬季単独登頂と下山。栗秋正寿による。
  • 2001年6月17日 - 最年少登頂。ルーマニアのガレン・ジョンストン(Galen Johnston、当時11歳)による[20]
  • 2013年6月28日 - 最高齢登頂。トム・チョート(Tom Choate、当時78歳)による[21]
  • 2014年6月7日 - 最速登頂。スペインのキリアン・ジョルネによる。標高2000 mの(ベースキャンプ)から頂上までを11時間48分で往復。下りにはスキーを使用。登頂には9時間43分をかけ、それから2時間程度で滑り降りた[22]
  • 2015年(平成27年)6月21日 - イモトアヤコ日本テレビ撮影隊が登頂。

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 地図作成者の採用名称と各国語名もこれに合わせてそれぞれに改められる可能性はあるが、米国政府に強制力は無い。
  2. ^ Pressure Altitude - A Guide for Climbers
    デナリの気圧は、ふもと(海抜標高付近)では他の地域と同じくらいであるが、標高が高くなるほど低緯度地域(ヒマラヤやアンデス)よりも気圧が低くなる。なお、緯度による気圧変化の要因には「遠心力による重力加速度変化」と「温度変化」があるが、遠心力の効果は温度変化に比べて無視できる。

出典

  1. ^ 山と溪谷』2018年2月号、山と溪谷社、 106頁。
  2. ^ “北米最高峰マッキンリー山、83フィート低かった 最新技術測量で”. CNN (2013年9月13日). 2013年9月13日閲覧。
  3. ^ a b FACT SHEET: President Obama to Announce New Steps to Enhance Administration Collaboration with Alaska Natives, the State of Alaska, and Local Communities The WHITE HOUSE For Immediate Release August 30, 2015
  4. ^ a b “北米最高峰マッキンリー、デナリに名称変更”. ナショナルジオグラフィック日本版サイト (2015年9月3日). 2018年1月13日閲覧。
  5. ^ “北米最高峰のマッキンリー、「デナリ」に改名 米大統領発表へ”. 日本経済新聞 (2015年8月31日). 2015年8月31日閲覧。
  6. ^ Dee Molenaar. Mountain's Don't Care, But We Do. https://books.google.co.jp/books?id=NT-RAAAAQBAJ&pg=PT25&lpg=PT25#v=onepage&q&f=false 
  7. ^ マキンリーの気象観測遠征 日本山岳会
  8. ^ Interesting Weather Statistics for US Mountain Summits summitpost.org
  9. ^ マッキンリーの5710 mに設置された Weather Stationの観測データ
  10. ^ マキンリーの気象観測遠征 各年度 気象観測データ概要 日本山岳会
  11. ^ Christopher C. Burt『Extreme Weather』p.51(1969年のthe U.S. Army Natick Laboratoriesによる)
  12. ^ Pressure Altitude - A Guide for Climbers Table 5. マッキンリーの登山シーズンを6月、ヒマラヤの登山シーズンを5月とした。
  13. ^ Pressure Altitude - A Guide for Climbers
  14. ^ Mountaineering in Denali National Park and Preserve(PDF)
    (邦訳)デナリ国立公園・保護区での登山(PDF) Written by: Denali Mountaineering Staff and Medical Advisors
  15. ^ a b Denali(Mount McKinley) summitpost.org
  16. ^ Denali National Park and Preserveサイト内のClimbing Statistics and Weather Observationsにある統計データ 「Annual climbing activity on Mt. McKinley, 1903 to 2014(PDFファイル)」
  17. ^ a b Lonnie Dupre Just Solo Summited Denali. That’s a Huge Deal. Outside Online 2015年1月14日
  18. ^ Explorer will attempt first solo January ascent of McKinley Alaska Disptch News 2010年12月29日 2010年までの登頂者リストあり
  19. ^ 「マッキンレー登山中の日本3女性が不明」『朝日新聞』昭和47年(1972年)7月13日朝刊、13版、22面
  20. ^ 12-year-old Romanian ties record for youngest girl to reach Denali summit - Anchorage Daily News, 2016年3月26日
  21. ^ Denali’s Oldest Summiteer Shares How “His Mountain” Has Changed - National Geographic 2013年8月13日
  22. ^ Kilian Jornet on Going Up and Down Denali in Less Than 12 Hrs. Next: Elbrus, Aconcagua - National Geographic Adventure 2014年7月1日

関連項目

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