テンレック科(Tenrecidae)は哺乳類アフリカ獣類アフリカトガリネズミ目の科。アフリカとマダガスカルのみに分布し、他の地域におけるトガリネズミやハリネズミのニッチを占める[2]。地上性、半樹上性、水生、地中性など、さまざまな種がいる[3]。
種
- 現生種[1]
- テンレック科 Tenrecidae
- (ジネズミテンレック亜科) Geogalinae
- (ジネズミテンレック属) Geogale
- (ジネズミテンレック) Geogale aurita
- (ジネズミテンレック属) Geogale
- (コメテンレック亜科) Oryzorictinae
- (ミズテンレック属) Limnogale
- (ミズテンレック) Limnogale mergulus
- (オナガテンレック属) Microgale
- (オブトテンレック) Microgale brevicaudata
- (カウアンテンレック) Microgale cowani
- (ドブソンオナガテンレック) Microgale dobsoni
- (ドローハードオナガテンレック) Microgale drouhardi
- (ナガハナオナガテンレック) Microgale dryas
- (ウスイロオナガテンレック) Microgale fotsifotsy
- (ヒメオナガテンレック) Microgale gracilis
- (コナガハナオナガテンレック) Microgale gymnorhyncha
- (オナガテンレック) Microgale longicaudata
- (ヤマオナガテンレック) Microgale monticola
- (ナソロオナガテンレック) Microgale nasoloi
- (コオナガテンレック) Microgale parvula
- (ヌシオナガテンレック) Microgale principula
- (チビオナガテンレック) Microgale pusilla
- (オオバナオナガテンレック) Microgale soricoides
- (タイバオナガテンレック) Microgale taiva
- (タラザックオナガテンレック) Microgale talazaci
- (トマスオナガテンレック) Microgale thomasi
- (コメテンレック属) Oryzorictes
- (コメテンレック) Oryzorictes hova
- (ヨツユビコメテンレック) Oryzorictes tetradactylus
- (ミズテンレック属) Limnogale
- (ポタモガーレ亜科) Potamogalinae
- (ヒメポタモガーレ属) Micropotamogale
- (ヒメポタモガーレ) Micropotamogale lamottei
- (ミズカキポタモガーレ) Micropotamogale ruwenzorii
- (ポタモガーレ属) Potamogale
- ポタモガーレ Potamogale velox
- (ヒメポタモガーレ属) Micropotamogale
- (テンレック亜科) Tenrecinae
- (ヒメハリテンレック属) Echinops
- (ヒメハリテンレック) Echinops telfairi
- (シマテンレック属) Hemicentetes
- (ズグロテンレック) Hemicentetes nigriceps
- (シマテンレック) Hemicentetes semispinosus
- (ハリテンレック属) Setifer
- (ハリテンレック) Setifer setosus
- (テンレック属) Tenrec
- テンレック Tenrec ecaudatus
- (ヒメハリテンレック属) Echinops
- (ジネズミテンレック亜科) Geogalinae
- 絶滅種
進化史
プロテンレックは中新世のアフリカ大陸に生息した初期のテンレック[4]。現在アフリカ大陸に生息しているのは、最初期(約4,700万年前)に分岐したポタモガーレ亜科のみである。それ以外のテンレック亜科、ジネズミテンレック亜科、コメテンレック亜科はマダガスカル島に生息する。この3系統の共通祖先がマダガスカルに渡ったのは、4700万 - 2900万年前と推定されている。また、アフリカに残ったポタモガーレ亜科以外のテンレックは、約2000万年前に地続きとなったユーラシア大陸から渡来したトガリネズミやハリネズミ達との生存競争に敗れ、絶滅していったと推定されている[5]。
脚注
- ^ a b 川田伸一郎・岩佐真宏・福井大・新宅勇太・天野雅男・下稲葉さやか・樽創・姉崎智子・横畑泰志 「世界哺乳類標準和名目録」『哺乳類科学』第58巻 別冊、日本哺乳類学会、2018年、1-53頁。
- ^ a b 冨田幸光『新版 絶滅哺乳類図鑑』伊藤丙雄・岡本泰子イラスト、丸善出版、2011年、64頁。
- ^ スミソニアン協会 監修(2012)『地球博物学大図鑑』513-514頁
- ^ 冨田幸光『絶滅哺乳類図鑑』伊藤丙雄、岡本泰子、丸善、2002年。ISBN (4-621-04943-7)。p62。
- ^ 長谷川政美『新図説 動物の起源と進化 書き換えられた系統樹』八坂書房、2011年。ISBN (978-4-89694-971-1)。pp=106f.