タルガトップ(Targa top)は、ドイツの自動車メーカーのポルシェの車種、911における、ルーフ部分が開けられる形態、またはグレードのことである。タルガの由来はイタリアでかつて行われていたタルガ・フローリオ耐久レース。1966年から1970年まで大会5連覇を飾ったポルシェが、これを記念したものである。
911のオープンカーモデルの投入は、1964年に初代911の投入後すぐに検討されるが、投入を予定していた北米では、オープンカーの横転時の乗員の危険性について議論が巻き起こっていたことから、ロールバーを装備することで対処させた[1]。それが1967年に発売された「911 2.0タルガ」であった[2]。初期のモデルはリアウインドウはソフトトップであったが、1969年には湾曲したリアウインドウが装備された。このスタイルは2代目の930型911、3代目の964型911まで踏襲されるが、4代目の993型911、5代目の996型911、6代目997型911のタルガモデルではトップ部分がガラスルーフとなり、トップ解放時はルーフはリアウインドウの内側に格納される電動インナースライド式となった[3][4][5]。また、996型と997型ではリアウインドウが開けられるようになり荷物の出し入れがしやすくなった[4][5]。
7代目の991型911、8代目992型911のタルガモデルでは、太目のロールバー、湾曲リアウインドウが採用され、初代、2代目、3代目までのスタイルが復活した。動作はすべて自動となり解放時はリアウインドウが開きソフトトップが格納される仕組みである。このスタイルを再び採用したのは、初代へのオマージュがあるとみられている。なお、他メーカーからルーフ部分が開くモデルも、便宜上タルガトップと呼称されるようになった。タルガのサブネームがあるのは911のみであり、タルガトップ仕様の「タルガ」は、911のラインナップにおいて、「カレラ」、「ターボ」、「カブリオレ」とともにグレードの一つとなった。
脚注
関連項目
外部リンク
- カブリオレ、タルガ、ロードスター、スピードスター、スパイダー。ポルシェはモデルの個性を活かしたオープントップならでは解決策とは? それぞれのルーフシステムをご紹介する。, ポルシェジャパン