スターヴ教会(スターヴきょうかい。英語:Stave church)または樽板教会(たるいたきょうかい)は、支柱と梁で構成された中世の木造教会である。
概要
教会の荷重を支える太い支柱(古ノルド語:stafr、現代ノルウェー語:stav)が、そのまま建築技術の名前になっている。かつてはヨーロッパ北西部に多く存在したが、現在ではほとんどが石造りの近代的な教会に建替えられ、もっとも多く残っているノルウェー国内でも、わずかに28棟[1]を残すのみとなっている。ノルウェー国外に残されている中世時代のスターヴ教会は、15世紀にスウェーデンのHedaredに建てられたHedared stave church、ノルウェー国内に立てられていた物を1842年にドイツのKrummhübel(現ポーランドの(カルパチュ))に移築したVang stave church、イギリスのエセックス州、グリーンステッドに残っている聖アンドリュー教会、の3棟のみとされている。壁面は丈夫な厚板が貼り込まれた構造となっており、この見た目から樽板教会とも呼ばれる。
現存するスターヴ教会の例
ノルウェー国内
- ウルネス・スターヴ教会(ウルネスの木造教会)- 世界遺産に認定されている。
- ボルグンド・スターヴ教会 - 保存状態が良く、多くの観光客が訪れる。
- ヘッダール・スターヴ教会 - ノルウェー国内最大級のスターヴ教会。
- ゴル・スターヴ教会 - ゴルからオスロ市ビグドイの(ノルウェー民俗博物館)に移築されている。
- レインリ・スターヴ教会
- ファントフト・スターヴ教会 - 焼失後、再建された。
- (ホッペルシュタ・スターヴ教会)
- (カウパンゲル・スターヴ教会) - 12世紀に建造[2]。
- (ヘッゲ・スターヴ教会)
- (ロム・スターヴ教会)
- (ローメン・スターヴ教会)
- (ロルダル・スターヴ教会)
- (エイスボル・スターヴ教会)
- (ヘダル・スターヴ教会)
- (レドヴェン・スターヴ教会)
- (リンゲブ・スターヴ教会)
- (グリップ・スターヴ教会)
- (ガルモ・スターヴ教会)
- (フレスベルグ・スターヴ教会)
- (ハルダレン・スターヴ教会)
- (エーラ・スターヴ教会)
- (ヘイヨール・スターヴ教会)
- (クヴェネス・スターヴ教会)
- (ノア・スターヴ教会)
- (トルポ・スターヴ教会)
- (アンドレダル・スターヴ教会)
- (ウヴダル・スターヴ教会)
- (オイエ・スターヴ教会)
ゴル・スターヴ教会のイラスト。
ボルグンド・スターヴ教会内部が平面的に描かれた概略。
ノルウェーの(セール・アウダール)にある、さらし台のついたレインリ・スターヴ教会
(ローメン・スターヴ教会)内部。間柱がないかわりに、交差したブレースがはりと支柱の間にある。
脚注・出典
- ^ リストによっては29棟などとなっている。
- ^ 『美しい教会を旅して』 2011, p. 82.
参考文献
関連項目
外部リンク
- The stave churches of Norway
- Stave Church - Medieval Wooden Churches in Norway
- Research in Medieval, Norwegian Wooden Churches, Relevance of Available Sources
- From Vitruvius to Alberti: Systematic Thinking in medieval church design
- The "Inverse design problem" in Medieval Wooden Churches of Norway
- Dendrochronology
- Animals in the middel ages from the Medieval Bestiary
- Stavkyrkor from — in Swedish
- The Norwegian Medieval Stave Church — partly in Norwegian, English and Deutch
- stave churches owned by the Society for the Preservation of Norwegian Ancient Monuments
- The Uvdal stave church on Youtube