ジャパンマラソンチャンピオンシップシリーズ(Japan Marathon Championship Series、略称:JMCシリーズ)は、日本陸上競技連盟が指定するマラソン大会のシリーズである。2021年6月21日に創設が発表されたもの[1]で、国内外のワールドアスレティックス(WA)ラベルレースをグレード分けし、一定期間内の獲得ポイントで総合成績を決めて最上位を日本選手権者に指定するものである[2]。
8月20日、第1期対象大会を発表[3]。第1期は2021年11月より開始されるが、2020年12月から2021年10月までを「第0期」とし、第1期と合わせた「シリーズI」のチャンピオンを「第105回日本選手権者」とした。
レギュレーション
指定期間のシリーズ加盟大会・ポイント対象大会から条件を満たした大会のうち、パフォーマンスポイントの高い大会の合計で争う。パフォーマンスポイントは WAスコアリングテーブル を基に算出した記録ポイントと 大会のグレード に応じた日本人選手(日本陸連登録選手)のみに付与するJMCポイントの合計とする。
シリーズIは第0期と第1期から2大会で、少なくとも1大会は第1期の加盟大会であること、海外のWAラベル大会は1大会のみ有効とする。シリーズII以降は直前期・当該期の2期間から3大会で、少なくとも1大会は当該期の加盟大会であること。
グレード
- グレードS(GS):第3期より新設。第0期より加盟している日本陸連主催・共催大会が対象。
- グレード1(G1):第3期からは主に日本陸連後援大会が対象。
- グレード2(G2):第1期より新設。
- グレード3(G3):第2期より新設。全国各地の公認大会を広く指定。
国際陸上競技大会代表選考について
G1に指定された大会は、翌年度に開催される世界陸上選手権及びアジア競技大会の代表選考競技会を兼ねて行われる。加えて世界選手権開催年直前のシリーズチャンピオンに対して当該大会の内定を与える(シリーズIIチャンピオンは2023年ブダペスト世界選手権、シリーズIVチャンピオンは2025年東京世界選手権[4]、それぞれ内定となる)。
2024年パリオリンピックの選考については2023年秋にマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)を開催予定であり、シリーズで一定条件を満たした者に出場権を与える見込みである。シリーズIIにおけるG1・G2指定大会をMGCチャレンジとし、G3指定大会及びWAラベル大会やJMCシリーズ上位8名でもワイルドカードとして出場権を得られるようになっている。第3期より新設されるGSに指定された大会を「MGCファイナルチャレンジ」とする[4]。
主な対象大会
グレードのうちの N/A は当該部門なし、×はシリーズポイント対象外。
第0期(2020年12月 - 2021年10月)
大会 | 開催日 | 開催地 | グレード | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|
男子 | 女子 | ||||
第74回福岡国際マラソン選手権大会 | 2020年12月 | 6日福岡県 | G1 | N/A | |
第40回大阪国際女子マラソン大会 | 2021年 | 1月31日大阪府 | N/A | G1 | |
第76回びわ湖毎日マラソン大会 | 2021年 | 2月28日滋賀県 | G1 | N/A | |
名古屋ウィメンズマラソン2021 | 2021年 | 3月14日愛知県 | N/A | G1 | |
[注 1] |
- ポイント対象大会
第1期(2021年11月 - 2022年3月)
第1期G1の競技会については2022年世界選手権とアジア大会の日本代表選手選考競技会を兼ねる。
大会 | 開催日 | 開催地 | グレード | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|
男子 | 女子 | ||||
第75回福岡国際マラソン選手権大会 | 2021年12月 | 5日福岡県 | G1 | N/A | |
第52回防府読売マラソン大会 | 2021年12月19日 | 山口県 | G2 | × | [6] |
第41回大阪国際女子マラソン大会 | 2022年 | 1月30日大阪府 | N/A | G1 | |
第70回別府大分毎日マラソン大会 | 2022年 | 2月 6日大分県 | G1 | × | |
第10回大阪マラソン・第77回びわ湖毎日マラソン統合大会 | 2022年 | 2月27日大阪府 | G1 | G2 | |
東京マラソン2021 | 2022年 | 3月 6日東京都 | G1 | G1 | [注 1] |
名古屋ウィメンズマラソン2022 | 2022年 | 3月13日愛知県 | N/A | G1 |
第2期(2022年4月 - 2023年3月)
第2期G1の競技会については2023年世界陸上競技選手権大会日本代表選手選考競技会を兼ねる[7]。
大会 | 開催日 | 開催地 | グレード | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|
男子 | 女子 | ||||
北海道マラソン2022 | 2022年 | 8月28日北海道 | G1 | G1 | |
福岡国際マラソン2022 | 2022年12月 | 4日福岡県 | G1 | N/A | |
第53回防府読売マラソン大会 | 山口県 | G1 | G3 | ||
第42回大阪国際女子マラソン大会 | 2023年 | 1月29日大阪府 | N/A | G1 | |
第71回別府大分毎日マラソン大会 | 2023年 | 2月 5日大分県 | G1 | × | |
第61回延岡西日本マラソン大会 | 2023年 | 2月12日宮崎県 | G3 | × | |
大阪マラソン2023 | 2023年 | 2月26日大阪府 | G1 | G2 | |
東京マラソン2023 | 2023年 | 3月5日東京都 | G1 | G1 | |
名古屋ウィメンズマラソン2023 | 2023年 | 3月12日愛知県 | N/A | G1 | |
とくしまマラソン2023 | 2023年 | 3月19日徳島県 | G3 | G3 |
- ポイント対象大会
第3期(2023年4月 - 2024年3月)
GSの競技会についてはMGCファイナルチャレンジを兼ねる[4]。
大会 | 開催日 | 開催地 | グレード | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|
男子 | 女子 | ||||
第25回長野マラソン | 2023年 | 4月23日長野県 | G3 | G3 | [注 2] |
北海道マラソン2023 | 2023年 | 8月27日北海道 | G3 | G3 | |
福岡国際マラソン2023 | 2023年12月 | 3日福岡県 | GS | N/A | |
第54回防府読売マラソン大会 | 山口県 | G1 | G3 | ||
第43回大阪国際女子マラソン大会 | 2024年 | 1月28日大阪府 | N/A | GS | |
第72回別府大分毎日マラソン大会 | 2024年 | 2月 4日大分県 | G1 | × | |
大阪マラソン2024 | 2024年 | 2月25日大阪府 | GS | G2 | |
東京マラソン2024 | 2024年 | 3月 3日東京都 | GS | G1 | |
名古屋ウィメンズマラソン2024 | 2024年 | 3月10日愛知県 | N/A | GS |
- ポイント対象大会
シリーズ優勝
脚注
注釈
出典記事
- ^ “日本陸連がJMCシリーズ創設を発表「今、最も強いランナー」決定戦”. 月刊陸上競技. (2021年6月21日)2021年8月21日閲覧。
- ^ 『~オレゴン2022世界選手権日本代表選手が決まる!~ジャパンマラソンチャンピオンシップシリーズ第1期加盟大会・ポイント対象大会の決定について』(プレスリリース)公益財団法人日本陸上競技連盟、2021年8月20日2021年8月21日閲覧。 。
- ^ “パリ五輪マラソン 「大阪・びわ湖」「別大」など代表選考対象に”. 毎日新聞. (2021年8月20日)2021年8月21日閲覧。
- ^ a b c “JMCシリーズ第3期の概要発表 GSランクを新設 シリーズⅣチャンピオンは25年世界陸上代表に内定”. 月刊陸上競技. (2023年3月29日)
- ^ 『東京マラソン2021の開催延期について』(プレスリリース)東京マラソン財団、2021年9月17日2021年12月26日閲覧。 。
- ^ “JMCシリーズ第1期加盟大会に12月の防府読売マラソンを男子グレード2で追加”. 月刊陸上競技. (2021年10月25日)2021年11月2日閲覧。
- ^ 『~JMCシリーズ第2期G1に5大会が新たに加盟! ~ ジャパンマラソンチャンピオンシップシリーズ 第2期加盟大会について』(プレスリリース)日本陸上競技連盟、2022年8月4日2022年8月5日閲覧。 。
- ^ 『JMCシリーズ第3期グレード3に「第25回長野マラソン」「北海道マラソン2023」の加盟が決定!~ジャパンマラソンチャンピオンシップシリーズ 第3期加盟大会について~』(プレスリリース)日本陸上競技連盟、2022年2月17日2023年2月18日閲覧。 。