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シカンダル・シャー

シカンダル・シャー(Sikandar Shah, 生年不詳 - 1389年)は、東インドベンガル・スルターン朝、(イリヤース・シャーヒー朝)の君主(在位:1357年 - 1389年)。

生涯

1357年、シカンダル・シャーは父シャムスッディーン・イリヤース・シャーが死亡したことにより、王位を継承した[1]

1358年トゥグルク朝の君主フィールーズ・シャー・トゥグルクが和平に反し、再びベンガル地方に遠征を開始した[2]。シカンダル・シャーはかつて父がとった戦術に倣い、ガンジス川とその支流に囲まれた(エクダーラー)の城塞へと逃げた[1][3]

フィールーズ・シャーはモンスーンの大雨、それに伴う洪水に悩まされ、エクダーラーを落とすことはできなかった。そして、1359年にフィールーズ・シャーはシカンダル・シャーと和平を締結し、彼を独立の支配者として認め、ベンガルから退却した[4][1][2]

シカンダル・シャーの治世は平和と繁栄が続いた[4]。トゥグルク朝の侵攻ののち、ベンガルは以後200年間独立を保ち、それは1538年まで続いた[1]

1389年、シカンダル・シャーは宮廷内の内紛により、息子ギヤースッディーン・アーザム・シャー暗殺された[4][5]

脚注

  1. ^ a b c d チャンドラ『中世インドの歴史』、p.166
  2. ^ a b 小谷『世界歴史大系 南アジア史2―中世・近世―』年表、p.29
  3. ^ 堀口『世界歴史叢書 バングラデシュの歴史』、pp.57-58
  4. ^ a b c 堀口『世界歴史叢書 バングラデシュの歴史』、p.58
  5. ^ ロビンソン『ムガル皇帝歴代誌』、p.158

参考文献

  • (フランシス・ロビンソン) 著、月森左知 訳『ムガル皇帝歴代誌 インド、イラン、中央アジアのイスラーム諸王国の興亡(1206年 - 1925年)』創元社、2009年。 
  • 小谷汪之『世界歴史大系 南アジア史2―中世・近世―』山川出版社、2007年。 
  • (サティーシュ・チャンドラ) 著、小名康之、長島弘 訳『中世インドの歴史』山川出版社、2001年。 
  • (堀口松城)『世界歴史叢書 バングラデシュの歴史』明石書店、2009年。 

関連項目

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