ザイオン・ラティーフ・ウィリアムソン(Zion Lateef Williamson, 2000年7月6日[3][4] - )は、アメリカ合衆国ノースカロライナ州ソールズベリー出身のプロバスケットボール選手。NBAのニューオーリンズ・ペリカンズに所属している。ポジションはパワーフォワード。
ニューオーリンズ・ペリカンズでのウィリアムソン (2020年) | |
ニューオーリンズ・ペリカンズ No.1 | |
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ポジション | PF |
所属リーグ | NBA |
シュート | 左 |
基本情報 | |
国籍 | アメリカ合衆国 |
生年月日 | 2000年7月6日(22歳) |
出身地 | ノースカロライナ州ソールズベリー |
身長 | 198cm (6 ft 6 in) |
体重 | 129kg (284 lb) |
ウィングスパン | 208cm (6 ft 10 in)[1] |
シューズ | エア・ジョーダン[2] |
キャリア情報 | |
高校 | スパータンバーグ・デイ高等学校 |
大学 | デューク大学 |
NBAドラフト | 2019年 / 1巡目 / 全体1位[1] |
ニューオーリンズ・ペリカンズから指名 | |
プロ選手期間 | 2019–現在 |
経歴 | |
2019– | ニューオーリンズ・ペリカンズ |
受賞歴 | |
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Stats Basketball-Reference.com | |
Stats NBA.com 選手情報 NBA.Rakuten |
経歴
生い立ち
アメリカンフットボールのディフェンスで高校の全米選抜に選ばれた父と、陸上の短距離選手で中学校の体育教師であった母との間に生まれた[5]。バスケットを始める前は野球とアメリカンフットボールのクォーターバックでプレーしていた。5歳からバスケットボールを始め、母がコーチをするチームでプレイをする。その後、継父であるリー・アンダーソンがポイントガードとしてのスキルを教えている。
ハイスクール
地元のスパルタンバーグ・デイ高等学校に進学。1年生から頭角を現し、3年次には36.8点, 13リバウンド, 3スティール, 2.5ブロックをマーク。4年には36.4点, 11.4リバウンド、3.5アシストを記録。マクドナルド・オール・アメリカン、ナイキ・フープサミットにも選出された。デューク大学に進学した[6][7]。
カレッジ
プレシーズンマッチのライアソン大学戦でデューク大学のデビュー戦を迎えた。その試合でいきなりダブルダブルとなる29得点13リバウンドをマーク。スリーポイントも3本決めるなど衝撃的なデビューを飾る[8]。シーズンに入ってもその勢いは止まらず、1試合平均22.6得点、8.9リバウンド、2.1アシスト、1.8ブロック、2.1スティールを記録。フィールドゴール成功率68.0%はNCAAディヴィジョン1において2位の記録であり、1年生としては史上最高を記録した。また、八村塁の所属するゴンザガ大学との試合では87-89で惜敗を喫している。2019年4月15日にNBAドラフト2019へのアーリーエントリーを表明した。
ニューオーリンズ・ペリカンズ
2019-20シーズン: ルーキーイヤー
2019年6月20日に行われたNBAドラフトにおいて、全体1位としてニューオーリンズ・ペリカンズに指名された。
プレシーズンでは4試合に出場し、平均27.2分23.3得点6.5リバウンド2.3アシスト1.5スティールをマーク。フィールドゴール成功率は圧巻の71.4パーセントという高確率を残していたが、10月13日のサンアントニオ・スパーズ戦で右膝を負傷。半月板の損傷で手術を受けることになり、復帰まで6~8週間とされた[9]。
1月22日のスパーズ戦で初出場し、18分18秒を通して22得点、7リバウンド、3アシストという上々のデビューを果たした[10]。2月28日のクリーブランド・キャバリアーズ戦で24得点を決め、NBA史上初めて10試合連続20得点超えを記録した10代の選手になった[11]。この活躍により2月のルーキー・オブ・ザ・マンスに選出される[12]。最終的には13試合連続まで伸ばし、3月1日には自己最高の35得点をマークした。しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大により3月11日から4か月半のシーズン中断。7月30日の再開後、自身は出場時間の制限し、チームはプレーオフ争いから脱落してシーズン終了。最終的に24試合の出場に留まったが、平均22.5得点、6.3リバウンド、2.1アシスト、シュート成功率58.3%の成績を残した。ルーキーで平均20得点、シュート成功率55%以上を記録したのは、シャキール・オニール以来史上2人目の快挙である[13]。新人王投票では3位に終わったが、受賞したジャ・モラント以外で唯一の1位票を1票獲得した[14]。
2020-21シーズン
2年目の2020-21シーズンは開幕から健康を維持し、前年から大きく成績を伸ばした。オールスターにリザーブとして初選出され、当日に新型コロナウイルス安全性プロトコルの問題で欠場となったジョエル・エンビードに代わり先発出場した。4月6日のアトランタ・ホークス戦まで25試合連続でFG成功率50%、20得点以上を記録し、これは1954-55シーズン以降ではシャキール・オニールに並ぶ最長記録であった[15]。同25日のサンアントニオ・スパーズ戦、歴代10位タイの早さで通算2,000得点に到達し、1985年のマイケル・ジョーダン以降では最速だった[16]。5月4日のゴールデンステート・ウォリアーズ戦で左手小指を骨折し、シーズンが終了した。
2021-22シーズン
オフシーズン中に、オーバーワークで右足の第5中足骨を骨折し手術を受けた[17]。復帰することはできず、このシーズンは全休となった。
2022年7月2日にペリカンズと5年1億9300万ドルの延長契約に合意した。これはルーキー契約としてはマックス額の延長契約で、来季オールNBAチーム入りやMVP獲得を達成すれば、その総額はスーパーマックス額の2億3100万ドルまで跳ね上がる[18]。一方で、体重制限も含まれ、体重が133kgを下回っていなければ、契約金が減額されるという[19]。
選手としての特徴
身長198cm・体重128kgという規格外の体に高いスピードや跳躍力を備えており[20][21]、ケビン・デュラントから「一世代に一人のアスリート」と表現され[22]、ある大学コーチは彼を「自然の奇跡」と評した[23]。本来は左利きだが、両手を使うことができる[24]。
豪快なダンクシュートが持ち味で[25]、巨体にも関わらずフリースローレーンから決めることができる(大学時代の実際の映像がYouTubeに残されている)。また、何度かリングを破壊している[26]。ボールハンドリングのミスからのターンオーバーが多いことが改善点の一つされる[27]。
個人成績
略称説明 | |||||
---|---|---|---|---|---|
GP | 出場試合数 | GS | 先発出場試合数 | MPG | 平均出場時間 |
FG% | (フィールドゴール)成功率 | 3P% | (スリーポイント)成功率 | FT% | フリースロー成功率 |
RPG | 平均(リバウンド)数 | APG | 平均アシスト数 | SPG | 平均スティール数 |
BPG | 平均ブロック数 | PPG | 平均得点 | 太字 | キャリアハイ |
NBA
レギュラーシーズン
シーズン | チーム | GP | GS | MPG | FG% | 3P% | FT% | RPG | APG | SPG | BPG | PPG |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2019–20 | NOP | 24 | 24 | 27.8 | .583 | .429 | .640 | 6.3 | 2.1 | .7 | .4 | 22.5 |
2020–21 | 61 | 61 | 33.2 | .611 | .294 | .698 | 7.2 | 3.7 | .9 | .6 | 27.0 | |
2022–23 | 29 | 29 | 33.0 | .608 | .368 | .714 | 7.0 | 4.6 | 1.1 | .6 | 26.0 | |
通算 | 114 | 114 | 32.0 | .605 | .343 | .691 | 7.0 | 3.6 | .9 | .6 | 25.8 | |
オールスター | 1 | 1 | 14.0 | .556 | --- | --- | 1.0 | .0 | .0 | .0 | 10.0 |
- 2023年のオールスターゲームは選出されたものの、怪我の為不出場
カレッジ
シーズン | チーム | GP | GS | MPG | FG% | 3P% | FT% | RPG | APG | SPG | BPG | PPG |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2018–19 | デューク | 33 | 33 | 33.0 | .680 | .338 | .640 | 8.9 | 2.1 | 2.1 | 1.8 | 22.6 |
エピソード
脚注
- ^ “zion-williamson” (英語). nbadraft.net (2019年). 2021年1月27日閲覧。
- ^ Zagoria, Adam. “Zion Williamson Signs Multiyear Deal With Jordan Brand” (英語). Forbes. 2023年4月13日閲覧。
- ^ “Zion Williamson stats, details, videos, and news.” (英語). NBA.com. 2020年1月19日閲覧。
- ^ “Zion Williamson Stats” (英語). Basketball-Reference.com. 2020年1月19日閲覧。
- ^ “驚異の新人ザイオン・ウィリアムソン、知っておいて損はない「15個のトリビア」”. NBA Rakuten. 2020年9月2日閲覧。
- ^ “Kentucky offers Zion Williamson”. (247Sports) (2017年3月28日). 2018年8月24日閲覧。
- ^ “Duke offers 247Sports' #1 player in 2018, SF Zion Williamson”. (247Sports) (2016年8月30日). 2018年8月24日閲覧。
- ^ “Duke's Zion Williamson, R.J. Barrett lead Blue Devils to exhibition rout of Ryerson”. (CBS Sports) (2018年8月16日). 2018年8月19日閲覧。
- ^ “右ひざ負傷のザイオン、半月板の損傷と判明…6~8週間の離脱へ”. バスケットボールキング. 2019年11月30日閲覧。
- ^ “ザイオン・ウィリアムソンがNBAデビュー戦で22得点を記録「長い間リハビリをしてきたから準備はできていた」”. Basket Count. 2020年2月6日閲覧。
- ^ “怪物新人ザイオンがNBA史上初の快挙 「10代で10試合連続20得点超え」を達成”. THE ANSWER. 2020年3月7日閲覧。
- ^ “コービー・ホワイトとザイオン・ウィリアムソンが初選出!/2月の月間最優秀新人賞”. バスケットボールキング. 2020年9月2日閲覧。
- ^ “大型新人ザイオン・ウィリアムソン、来季のペリカンズ躍進を予言「僕たちの未来は明るい」”. NBA Rakuten. 2020年9月2日閲覧。
- ^ “NBA新人王はモラント圧勝 “ドラ1”ザイオンは3位 八村は得票なし”. デイリースポーツ online. 2020年10月31日閲覧。
- ^ “2年目でシャックと肩を並べたザイオン。ペリカンズの若き怪物が作り出した“新たな選手像””. THE DIGEST. 2021年9月18日閲覧。
- ^ “ザイオン・ウィリアムソンが通算79試合で2000得点超え! ジョーダン以降最速を記録”. バスケットボールキング. 2021年9月18日閲覧。
- ^ “オーバーワークが原因で右足を骨折したペリカンズのザイオン・ウイリアムソン「僕には大きな責任がある」”. Basket Count. 2022年3月2日閲覧。
- ^ “ザイオン・ウィリアムソンがペリカンズと5年約260億円のマックス額の延長契約に合意”. バスケットボールキング. 2022年10月16日閲覧。
- ^ “NBA ザイオン・ウィリアムソンの5年260億円以上の契約延長は“太り過ぎたら減額”に”. HYPEBEAST.JP (2022年7月29日). 2022年10月16日閲覧。
- ^ Phillips, Scott. “Zion Williamson breaks Duke vertical leap record”. NBC Sports. 2020年2月27日閲覧。
- ^ O'Donnell, Ricky. “We’ve never seen anyone like Zion Williamson ... but will his game work in the NBA?”. SBNation.com. 2017年10月19日閲覧。
- ^ “Zion Williamson: Basketball’s next dunking prodigy”. Sports Illustrated. 2020年2月27日閲覧。
- ^ “Kevin Durant on Zion Williamson: 'He's a once-in-a-generation type athlete'”. USA TODAY High School Sports. 2017年11月29日閲覧。
- ^ “Basketball Recruiting - Adidas Gauntlet: Feeding frenzy for five-star Langford”. basketballrecruiting.rivals.com. 2016年4月18日閲覧。
- ^ “Duke's Zion Williamson talks dunks, his fame and learning from Coach K”. ajc. 2020年2月27日閲覧。
- ^ “ザイオン、規格外ダンクでリング破壊していた… 米ファン呆然「弁償するべき」”. THE ANSWER. 2020年2月27日閲覧。
- ^ “10試合で見えたドラフト全体1位ルーキー、ザイオン・ウィリアムソンの実力”. Basket Count. 2020年2月27日閲覧。
- ^ “ナイキ「大失態」で株急落 靴壊れ、米大学バスケのスター選手が負傷”. SANSPO.COM. 2019年11月30日閲覧。
- ^ “ウィリアムソンがジョーダン・ブランドとシューズ契約、NBA大型新人”. www.afpbb.com. 2019年11月30日閲覧。