来歴
1962年より、メッサーシュミット・ベルコウ・ブローム(MBB)社において研究開発が着手され、その後フランスのノール・アビアシオン(後のアエロスパシアル)社も参画した。最初の試射は1967年に行われ、1974年に実戦配備が承認された。最初の量産弾は、1977年12月にドイツ連邦海軍に引き渡された[2]。
また1983年には、射程延伸や弾頭大型化などを図った発展型としてコルモラン2の開発が開始され、1991年1月には配備可能と宣言、1996年より就役した[2]。
設計
ミサイルの誘導方式は、中間航程では慣性誘導、終末航程では(アクティブ・レーダー・ホーミング(ARH))方式とされている。射撃モードは、ミサイルのシーカーにより目標を捕捉・追尾する「レーダー追尾」(lock-on)、母機のレーダーによって目標を捕捉・追尾する「レーダー捕捉」(acquisition)、および「目視」の3つがある[2]。レーダーは優れた電子防護性を備えている[1]。
弾頭重量は160キログラム、炸薬量は55キログラムである。ペイロードは16個の底浅な自己鍛造弾(P-charges)から構成されており、それぞれ70〜90ミリメートルの装甲を貫徹できた[1]。またコルモラン2では、弾頭重量は99.8 kgに強化されている[2]。
本ミサイルは、低空飛行中の攻撃機であっても、短時間ポップ・アップするだけで発射可能なように設計されていた[2]。攻撃中にマッハ0.6から0.95を維持できて、目標を探知するレーダーと自動航法装置を備える攻撃機であれば搭載可能とされているが、運用のためにはPHI(position and homing indicator)および発射機構を備える必要があった[1]。
配備
本ミサイルは、洋上航空阻止任務におけるトーネード IDSの主兵装として、ドイツ海軍航空隊やイタリア空軍で運用されていた[2]。またドイツ海軍航空隊では、F-104Gにも搭載された[1]。運用は2012年までに終了した。