コリネバクテリウム属(コリネバクテリウムぞく、Corynebacterium)はグラム陽性桿菌で、放線菌に分類される細菌の一属。
特徴
まっすぐ、またはわずかに湾曲した、(先端成長型)の桿菌であり、しばしば菌体の両端または片端が膨れた、棍棒状の形態を示す。属名のCorynebacteriumは、この形態に由来する(Coryne-: 棍棒状の、bacterium: 細菌)。顕微鏡下では、V字、Y字、T字型などの特徴的な(配列)を示すものが多い。 無芽胞性,好気性または通性嫌気性,非分岐性, 非運動性,カタラーゼ陽性,オキシダーゼ陰性である。
結核菌と比較的近縁であり、細胞壁にミコール酸と呼ばれる脂質を含有するという特徴がある。外毒素を産生して、動物やヒトに対する病原性を持つものが含まれる。
自然界のさまざまなところに分布しており、一部のものはヒトの気道粘膜などに存在する常在細菌の一種でもある。このうち、ジフテリア菌はヒトに対する病原性を有する。
代表的な菌種
- グルタミン酸生産菌 (C. glutamicum)
- グルタミン酸を生産する。
- クサヤ菌(C. kusaya)
- くさやの発酵菌。
- ジフテリア菌 (C. diphtheriae)
- ジフテリアの病原体。ヒトの咽頭部(まれに創傷部)に感染し、そこで産生されたジフテリア毒素が血行性に全身移行し、心筋炎や神経麻痺などの症状を起こす。
- 偽ジフテリア菌 (C. pseudodiphtheriticum)
- ヒトの口腔などに常在する、ジフテリアに似た非病原性細菌。
- ヒツジ偽結核菌 (C. pseudotuberculosis)
- ジフテリアに類似。ヒツジやウマの病原体の一つ。ヒトに感染することはめったにない。
- コリネバクテリウム・ウルセランス(C. ulcerans)
- ウシの常在菌。ヒトにジフテリア様症状を起こす人獣共通感染症の起因菌[1]。
脚注
- ^ “コリネバクテリウム・ウルセランスに関するQ&A”. 厚生労働省. 2018年1月19日閲覧。
参考文献
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関連項目
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外部リンク
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