『クジョー』(Cujo)は、1983年公開のアメリカ合衆国のホラー映画。スティーヴン・キングの小説『クージョ』の映画化作品。
概要
キング原作映画の中で1983年に封切られたものの第一弾である(他は、デヴィッド・クローネンバーグ監督の『デッドゾーン』と、ジョン・カーペンター監督の『クリスティーン』)。当初、キングは、『アリゲーター』のルイス・ティーグを監督に推したが[3]、『チェンジリング』(1980年のホラー映画)の(ピーター・メダック)が監督することが決まる。しかしメダックが、たった1日で監督を降板したため、結局ティーグが監督することになる。ティーグらは脚本を検討し直し、特にラストシーンをハッピーエンドに変更した。この変更は原作の趣旨を変えてしまうが、原作者キングは賛成した。なぜならばキングは、映画的文法と小説の違いを理解したうえ、悲劇的な結末を書き直したいとさえ考えていたからである[3]。撮影において、クジョー役には5頭のセント・バーナードが用意され、クローズアップ時に狂犬の迫力を出すためにメカニカルヘッドも用いられた。米国では夏休み映画として公開され、低予算映画としては健闘したが[3]、翌年、日本で公開された時は一週間で上映打ち切りという結果に終わった。
2015年には『C.U.J.O』とタイトルを変更し、再映画化の企画があがっている[4]。
原作との差異
主に終盤のシーンが原作小説と映画とでは変更されている。原作ではクジョーはドナにバットで撲殺されるが、時遅く、息子タッドは死んでしまう。映画では、クジョーはバットで殴られ倒されたかに見えたが再度襲い掛かる。ドナは殺された保安官の拳銃でクジョーを射殺し、タッドは助かる。
あらすじ
自動車修理工のジョーに飼われているセント・バーナード犬のクジョーは、森の中でコウモリに咬まれて狂犬病に罹患、発症する。凶暴になったクジョーはジョーを咬み殺し、故障した車の修理に彼の工場を訪れたドナとタッドの母子に襲いかかる。
ドナたちは動かなくなった車の中に退避するが、その場を離れないクジョーに閉じ込められてしまう。ドナは何度かその場からの脱出を試みるが失敗し、母子は車の中で一晩を過ごす。
翌日、ドナと連絡が取れなくなった夫ヴィックは、警察に捜索を依頼する。連絡を受けた保安官が修理工場にやってくるが、クジョーに殺されてしまう。炎天下の車中でタッドは脱水症状を起こし、一刻の紆余もないと判断したドナはバットで立ち向かい、クジョーを倒したかに見えたが再び追い詰められる。しかし、ドナは保安官が持っていた拳銃でクジョーを射殺し、タッドは一命を取り止める。
スタッフ
キャスト
原作
- クージョ(1983年9月1日、新潮社)(ISBN 4102193030)
- スティーブン・キング著 永井淳 訳