ギャロップ(英: Galop)とは、馬の疾走する様子を表すダンスである。ドイツ語では「ガロップ(Galopp)」と呼ばれる。
英語では馬の疾走を意味する「Gallop」から「l」を一文字取って「Galop」と表記するが、ドイツ語では馬の疾走とダンスの綴りは同じ「Galopp」である[2]。
解説
1820年代のウィーンで大流行した。ダンスの内容は、手をつないだ二人組が巨大な輪を形成し、猛烈な勢いで回るというものである[2]。靴を踏まれたり衣服が乱れるのは当然で、かつらが飛んだり、場合によっては将棋倒しが起きるほどの激しさであった[2]。そのあまりの激しさにより呼吸困難になる人もいたといわれ、「健康を害する」という理由で禁止された。
なお、速度の面では(ポルカ・シュネル)とさほど変わらないが、ポルカ・シュネルはあくまで人間の歩みを基調とし、また独立した二人組によって踊られるダンスである[2]。
主な作品
- 『ため息のギャロップ』(ヨハン・シュトラウス1世、op.9)
- 『(ヴィルヘルム・テル・ギャロップ)』(ヨハン・シュトラウス1世、op.29b)
- 『若人の情熱』(ヨハン・シュトラウス1世、op.90)
- 『ジプシー・ギャロップ』(ヨハン・シュトラウス1世、op.108)
- 『タランテラ・ギャロップ』(ヨーゼフ・ランナー、op.125)
- 『山賊のギャロップ』(ヨハン・シュトラウス2世、op.378)
- 『(クリップ・クラップ・ギャロップ)』(ヨハン・シュトラウス2世、op.466)
- 『(シャンパン・ギャロップ)』(ハンス・クリスチャン・ロンビ、op.14)
- 『コウノトリ』(フィリップ・ファールバッハ2世、op.149)