キヤリア(Carrier Corporation、キャリア)は、アメリカ合衆国の電機メーカーである。
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | NYSE CARR |
略称 | キヤリア |
本社所在地 | アメリカ合衆国 フロリダ州パームビーチ郡パームビーチガーデンズ市 |
設立 | 1915年 |
事業内容 | 空調機器 |
外部リンク | carrier |
エア・コンディショナーや冷凍庫の製造を行っており、空調機器においては世界有数のシェアを持っている。かつては複合企業であるユナイテッド・テクノロジーズ(現レイセオン・テクノロジーズ)の一部門であった。
概要
社名の「キヤリア」は創業者で近代エア・コンディショナーの発明者とされるウィリス・キャリア (Willis Carrier) に因んでいる。
現在、本社はコネチカット州ファミングトンにある。また、テキサス州タイラーの工場では家庭用のパッケージ・ユニットと商業用のコンデンシング・ユニット、ノースカロライナ州シャルロットの工場では付属品や付属機器を、インディアナ州インディアナポリスの工場では家庭用および商業用暖房機器とエア・ハンドラーを、テネシー州コリアービルでは家庭用コンデンシング・ユニットとヒートポンプを製造している。
歴史
キヤリアは、ウィリス・キャリアによって1930年代にニュージャージー州からニューヨーク州中央部にあるシラキューズに移転し、以降そこを拠点としてきた。1950年代に家庭用のエア・コンディショナーで成功を収めた。それは都市部から、アメリカ南西部のサンベルトに住宅地が進出する革命をおこした。1979年、プラット・アンド・ホイットニーなどを傘下に持つ巨大工業コングロマリットであるユナイテッド・テクノロジーズに買収された。 近年は工場のアジア移転や、運営組織がユナイテッド・テクノロジーズ本社のあるコネチカット州近くに移ったことにより、シラキュースでの存在感は縮小傾向にあり、シラキュースの地域経済にとって難問となっている。
2016年、キヤリアのインディアナ州の工場は、従業員1,400人を削減し、メキシコへの移転が決まっていたが、2016年アメリカ合衆国大統領選挙に立候補したドナルド・トランプは選挙戦を通じて、また、当選後もキヤリア側へ国外移転阻止の働きかけを行った[1]。
日本における法人および合弁企業
キヤリアの日本法人は、東洋キヤリア工業株式会社(Toyo Carrier Engineering Co., Ltd )として1930年に設立された。
日本で初めてエア・コンディショナーを製造し、霞が関ビルや皇居などに空調施設を納めた。工事部門は1969年に新日本空調株式会社(のち三井物産傘下へ)として分離独立した。
東芝キヤリア
本社 | |
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 | 神奈川県川崎市幸区堀川町72-34 ラゾーナ川崎東芝ビル |
設立 | 2008年4月1日(東芝キヤリア、東洋キヤリア工業、東芝キヤリア空調システムズの統合) |
業種 | (電気機器) |
法人番号 | 7010401050933 |
事業内容 | 空調機器、冷凍設備などの開発設計、製造 |
代表者 | 取締役社長 久保 徹 |
資本金 | 115億1000万円 |
売上高 | 976億3900万円 (2022年03月31日時点)[2] |
営業利益 | ▲9億2700万円 (2022年03月31日時点)[2] |
経常利益 | 72億8000万円 (2022年03月31日時点)[2] |
純利益 | 115億3200万円 (2022年03月31日時点)[2] |
純資産 | 422億1800万円 (2022年03月31日時点)[2] |
総資産 | 852億0900万円 (2022年03月31日時点)[2] |
所有者 | Carrier Corporation |
主要株主 | Global Confort Solutions LLC:55% Carrier HVACR Investments B.V(オランダ法人):40% 株式会社東芝:5% |
1999年2月1日、キヤリアは東芝の空調部門と合弁で東芝キヤリア空調システムズ株式会社を設立し、同年4月1日、東洋キヤリア工業をその傘下に入れ東芝キヤリア株式会社(Toshiba Carrier Corporation )となった。
東芝キヤリアは家庭用など小型空調設備を担当し、東洋キヤリアは大型空調設備を担当していたが、2008年4月1日に東芝キヤリア空調システムズ、東洋キヤリア工業、東芝キヤリアが統合し、東芝キヤリア空調システムズを存続会社として他の二社を吸収合併、商号を東芝キヤリア株式会社に改めた。また、東芝からの直接出資から東芝子会社で白物家電部門を統括する中間持株会社であった東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングスの出資となった。
空調だけでなくヒートポンプ給湯器「エコキュート」事業に参入、2009年10月1日付で東芝機器で行っていた電気温水器事業も移管した。
2010年5月1日付で、東芝キヤリアの家庭用エアコン「大清快」ブランド製品の商品企画、製品開発、販売事業を、TOSHIBAブランド白物家電の製造会社である東芝ホームアプライアンス(現・東芝ライフスタイル)に移管したが、製造は東芝キヤリアが受託し製造を継続している。
2014年1月1日付で、当社に出資していた東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングスが東芝に吸収合併されたことにより、再び東芝からの直接出資になった。2017年7月1日付で東芝の社会インフラ事業が東芝インフラシステムズとして分社化されたのに伴い、同社が親会社となったが、2019年4月1日付で再び東芝からの直接出資に戻っている[3]。
2022年2月7日、東芝は、保有株式60%のうち55%をキヤリア側へ売却することに合意し、それを2022年9月30日までに完了させる予定で、それに伴い東芝キヤリアは東芝の連結対象から除外されることを発表[4]。同年8月1日にキヤリア子会社のGlobal Confort Solutions LLCに株式が売却[5]され、「東芝キヤリア」のまま(東洋キヤリア工業以来となる)キヤリアの日本法人と化した。
その他
ニューヨーク州のシラキューズ大学にあるスタジアム「キャリアドーム」は、キヤリアの命名権使用料を一部当てて建設された。ただし、シラキューズの気候とこのドームの使用シーズンの関係で、空調設備は設置されていない。
脚注
- ^ トランプ氏:キヤリア米工場のメキシコ移転阻止で「前進しつつある」ブルームバーグ(2016年11月25日)2016年12月4日閲覧
- ^ a b c d e f 東芝キヤリア株式会社 第58期決算公告
- ^ (PDF)『当社完全子会社における電池事業及びビルソリューション事業を営む孫会社株式の会社分割(簡易吸収分割)による当社への承継の方針決定に関するお知らせ』(プレスリリース)東芝、2018年12月26日2020年2月22日閲覧。 。
- ^ (PDF)『空調事業を担う当社子会社の異動に関するお知らせ』(プレスリリース)東芝、2022年2月22日2020年2月22日閲覧。 。
- ^ (PDF)『(開示事項の経過)空調事業を担う当社子会社の異動に関するお知らせ』(プレスリリース)東芝、2022年8月1日2020年8月24日閲覧。 。
関連項目
- サーモキング - 車載式空調機器で国際的シェアを持つインガソール・ランドの空調機部門
- 東プレ - 日本国内での車載式空調機のシェアを持つ企業
- (菱重コールドチェーン) - 同様に国内でシェアを持つ三菱重工グループ企業
外部リンク
- キヤリア ウェブサイト(英語)
- 東芝キヤリア