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キャンベラ駅

キャンベラ駅(英語: Canberra MRT station)とはシンガポール(センバワン)(英語版)のキャンベラ・リンクとキャンベラ・ウェイの交差点に位置するマス・ラピッド・トランジット (MRT)南北線の駅である。駅番号はNS12[3]。既開業区間においてはドーヴァー駅に次いで2番目に設置された駅であり、シンガポールでは初めて人道橋と駅ホームが同じ高さで接続する構造となっている。環境に配慮した素材を利用する、修景保存を徹底するといった建築技術者の力により、(建築・建設庁)(英語版)の"Green Mark for Transit Stations"を獲得した最初のMRT駅となった[4]

 NS12 
キャンベラ
Canberra
坎贝拉
கென்பரா
Canberra
マス・ラピッド・トランジット(MRT)の駅
2020年3月に撮影された駅外形。船のような形をしている。
所在地 11 Canberra Link
Singapore 756972[1]
座標 北緯01度26分35秒 東経103度49分47秒 / 北緯1.44306度 東経103.82972度 / 1.44306; 103.82972座標: 北緯01度26分35秒 東経103度49分47秒 / 北緯1.44306度 東経103.82972度 / 1.44306; 103.82972
所有者 陸上交通庁
運営者 SMRTトレインズ (SMRTコーポレーション)
路線
ホーム数 2面2線
線路数 2
バス路線 117, 117M, 169, 883, 883M
接続 バス路線・タクシー
建築物
構造 高架駅
ホーム階数 1
駐輪場 500台対応
アクセシビリティ
歴史
開業 2019年11月2日 (3年前) (2019-11-02)
利用状況
乗客数 (2020年7月[2])6,794人
サービス
所在地
キャンベラ
シンガポールのMRTキャンベラ駅
(テンプレートを表示)

陸上交通庁の"2013 Land Transport Master Plan"における新駅構想が元となり、実現可能性の調査が行われた後、建設を行っていくと正式に発表された[5]。2015年4月に着工され、2019年11月2日に開業した。2020年12月18日には道路をまたいだ反対側に(キャンベラ・プラザ)(英語版)が開業した[6]

歴史

計画

画像外部リンク
  Source: LTA
  Source: LTA

1987年に開業したシンガポール初の地下鉄である南北線は[7]、1996年の(ウッドランズ延伸)によってユー・ティー駅からセンバワン駅まで開業した際に、今後開業させる予定の駅としてNS6とNS12の駅ナンバリングを欠番とした[8]

2013年に入り、当時の運輸大臣であった(ルィ・タックユー)(英語: Lui Tuck Yewによって10月に提起された"Land Transport Master Plan 2013"[9][10]と11月の都市再開発庁による展示会で公開された"Draft Master Plan 2013"の双方でセンバワン駅イーシュン駅の間における新駅について言及された[11]。さらなる再検討の末、"Draft Master Plan 2013"は2014年6月に"Master Plan 2014"へと変化していった[12]

これらの計画に応じる形で2013年1月から2014年6月まで、シンガポール北部の開発計画と並行して新駅の実行可能性調査が陸上交通庁によって行われた[13]。最終的に建設可能と結論づけられ[14]、同年8月1日、陸上交通庁よりキャンベラ駅の建設を行うと正式に発表された[15]

建設

 
建設中の様子 (2016年7月)

建設費用は当初2億2800万シンガポールドルとされた[16]。2015年4月27日、陸上交通庁と中国建築のシンガポール支社は新駅の設計・建設について総額9000万シンガポールドルの契約を締結した[17][18][19]。2016年3月26日に着工されたが[20]、その直前である3月22日に保守作業員2名が列車に轢かれて死亡する(パシール・リス鉄道事故)(英語版)が発生していた。この事故によって作業員に対する安全の確保が急務とされ、陸上交通庁およびSMRTの判断によって営業終了後に線路を封鎖した上で屋根をはじめとした駅各部の作業を行う事となった[21][22]

駅構造の4割が完了した2017年9月、(深基礎)(英語版)工事およびホーム板の鋳造が開始された[23]。2018年5月には、55%の工事が完了しており、屋根もほとんど設置されていた[24]。2019年5月18日から20日にかけ、72メートルの(渡り線)が駅北側に設置され、駅での折り返しができるようになった[25]。これは2015年7月7日に発生した停電[26]のような輸送障害が発生したときに影響を小さくするため整備されたものである[27][28]

2019年5月20日に運輸大臣の(カウ・ブーン・ワン)(英語: Khaw Boon Wanが駅を訪問し、同年11月2日に開業すると発表した[29][30]。開業当日はカウによって記念式典が執り行われた[31]

駅構造

 
ジュロン・イースト方面ホームに飾られている"Tan Zi Xi"作の"Symbiosis" (2019年11月撮影)

(DP Architects)(英語版)およびKTP Consultants (現在は(Surbana Jurong)(英語版)の子会社)[32]によって設計されており[33]、船舶をイメージした外装となっている。この外装は(センバワン)(英語版)(シンガポール海軍基地)(英語版)を参考にしたものとなっている。屋根はシンガポールにおける公共交通の速さが連想できるよう風車がイメージされている。側壁はより太陽光が取り入れられるようガラスが用いられており、換気ができるようルーバーが設置されている[34]。修景の徹底や環境によい素材を使うといった建設従事者の努力により、(建築・建設庁)(英語版)の"Green Mark scheme for transit stations"にMRTの駅として初めて認められた[35][36]。駅にはシンガポールのアーティストである"Tan Zi Xi"が描いたアートワークの"Symbiosis"がある。これは植物動物との共生関係が強調されて描かれたものであり、(センバワン)(英語版)集団選挙区の住民および出資者が自然散策の後にそれぞれ描いた動植物をTanがさらに力強く見せるように発展させたものである[35]

出入口は5つあり、このうち4箇所は小道を経由して2つのバス停やタクシーの乗降場、500台対応している駐輪場へと向かえる。もう一つはキャンベラ・リンクを横断する人道橋につながっており、マリーナ・サウス・ピア駅方面のホームにコンコースを通ること無く直接行けるようになっている[24][29]

駅周辺

センバワンの東部に位置しており(イーシュン)(英語版)の住宅街や(Sungei Simpang Kiri)(英語版)という川に近く、開業前にはおよそ17,000世帯が恩恵を受けると予想された[37]

キャンベラ・リンクを横断する人道橋によって3階建てのショッピングモールである(キャンベラ・プラザ)(英語版)と接続している。このショッピングモールは(複合)(英語版)公共交通指向型開発の一環として住宅開発庁によって計画されたものである[38]

駅名の由来

並行する道路である『キャンベラ・リンク』から取られた。この道路名はオーストラリアの首都であるキャンベラに由来する[39][40]

隣の駅

シンガポールMRT
南北線
センバワン駅 (NS11) - キャンベラ駅 (NS12) - イーシュン駅 (NS13)

脚注

  1. ^ “Canberra (MRT Station) – 11 Canberra Link (S)756972”. www.streetdirectory.com. 2020年7月15日閲覧。
  2. ^ “”. mytransport.sg. 2020年8月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月20日閲覧。
  3. ^ “MRT System Map”. Land Transport Authority (LTA). 2020年8月23日閲覧。
  4. ^ “Media Release: BCA Introduces New Green Mark Scheme For Transit Stations – Canberra Station accorded first BCA Green Mark Platinum award under new Green Mark scheme for transit stations”. bca.gov.sg (2019年11月1日). 2020年5月31日閲覧。
  5. ^ migration (2014年6月27日). “New MRT station for North-South Line: Canberra” (英語). The Straits Times. 2020年5月31日閲覧。
  6. ^ “Canberra Plaza Opening Soon In Sembawang, Has Water Play Park, A&W & Daiso”. Must Share News – Independent News For Singaporeans (2020年7月29日). 2020年8月23日閲覧。
  7. ^ “” (英語). Land Transport Authority. Land Transport Authority (2017年6月9日). 2019年9月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年4月5日閲覧。
  8. ^ Naidu Ratnala Thulaja (2003年). “”. eresources.nlb.gov.sg. National Library Board. 2019年5月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年4月5日閲覧。
  9. ^ “” (英語). Land Transport Authority. Land Transport Authority (2013年10月7日). 2018年4月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月2日閲覧。
  10. ^ (Report). Singapore: Land Transport Authority. p. 21. オリジナルの27 April 2018時点におけるアーカイブ。. 2018年4月29日閲覧。. 
  11. ^ (Brochure), Urban Redevelopment Authority, オリジナルの29 April 2018時点におけるアーカイブ。, 2018年4月29日閲覧。 
  12. ^ Teng, Amelia (2014年6月6日). “” (英語). The Straits Times. 2018年6月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月2日閲覧。
  13. ^ “”. app.ltagov.sg. Land Transport Authority (2013年1月17日). 2014年7月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年8月1日閲覧。
  14. ^ Sim, Royston (2014年6月27日). “” (英語). The Straits Times. 2014年6月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月2日閲覧。
  15. ^ “”. Land Transport Authority (2014年8月1日). 2015年10月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年8月2日閲覧。
  16. ^ “”. singaporebudget.gov.sg (2018年4月18日). 2018年4月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月2日閲覧。
  17. ^ “China State Construction Engineering wins S$90m Canberra station contract” (英語). The Business Times (2015年4月27日). 2021年2月16日閲覧。
  18. ^ “” (英語). Land Transport Authority (2015年4月27日). 2016年3月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年4月5日閲覧。
  19. ^ “”. Land Transport Authority. 2020年1月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年3月8日閲覧。
  20. ^ “”. (TODAYonline)(英語版) (2016年3月26日). 2016年4月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年10月11日閲覧。
  21. ^ “”. Land Transport Authority. 2017年10月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年4月5日閲覧。
  22. ^ “”. channelnewsasia.com (2016年3月26日). 2018年4月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月2日閲覧。
  23. ^ Chong, Clara (2017年9月11日). “” (英語). The Straits Times. 2019年5月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月2日閲覧。
  24. ^ a b “” (英語). Land Transport Authority. 2018年5月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年5月9日閲覧。
  25. ^ “”. smrt.com.sg (2019年5月10日). 2019年11月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月3日閲覧。
  26. ^ “” (英語). (The Star Online)(英語版) (2015年7月30日). 2015年8月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月2日閲覧。
  27. ^ “News Room – News Releases – Joint News Release by the Land Transport Authority (LTA) & SMRT – Installation of Crossover Track Near Canberra MRT Station”. Land Transport Authority (2019年5月10日). 2020年12月16日閲覧。
  28. ^ “News Room – News Releases – Three-Day Closure to Construct Crossover Track at Canberra Station”. Land Transport Authority (2019年4月8日). 2020年12月16日閲覧。
  29. ^ a b “News Room – News Releases – Canberra MRT Station to Open on 2 November 2019”. Land Transport Authority (2019年11月2日). 2020年12月16日閲覧。
  30. ^ Liu, Vanessa (2019年5月20日). “” (英語). The Straits Times. 2019年5月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年5月26日閲覧。
  31. ^ “”. Ministry of Transport (2019年11月1日). 2019年11月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月4日閲覧。
  32. ^ “”. surbanajurong.com. 2018年1月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月2日閲覧。
  33. ^ “” (英語). dpa.com.sg. 2017年4月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年4月13日閲覧。
  34. ^ Seow, Janice (2015年1月7日). “”. Indesignlive.sg. 2018年4月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月2日閲覧。
  35. ^ a b “”. Land Transport Authority (2019年11月1日). 2019年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月2日閲覧。
  36. ^ “”. The Straits Times (2019年11月1日). 2019年11月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月1日閲覧。
  37. ^ Lim, Adrian (2018年5月9日). “” (英語). The Straits Times. 2018年9月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月2日閲覧。
  38. ^ “” (英語). hdb.gov.sg. 2018年9月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年4月5日閲覧。
  39. ^ “” (英語). The Finder (2016年6月14日). 2019年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月2日閲覧。
  40. ^ McIlroy, Tom (2014年6月29日). “” (英語). (The Canberra Times)(英語版). 2019年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年11月2日閲覧。

外部リンク

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  • (MRTキャンベラ駅の陸上交通庁サイト)
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