カルロ・スカルパ(Carlo Scarpa、1906年6月2日 - 1978年11月28日)はヴェネツィア生まれのイタリア人建築家。素材の扱いに長けていた。
経歴
ヴェネツィアに生まれ、職人の親方の下で長期間見習いをしていた間に、建築に対する理解を深め技術を磨いた。17歳から建築家ヴィンチェンツォ・リナルドの事務所で設計活動を始める。彼の建築は素材への感性豊かな想像力に基づいており、季節や歴史といった時の移ろいを繊細に表現する。安藤忠雄やマリオ・ボッタといった建築家にまで、幅広く賞賛されている。
1978年、ヴェネツィア建築大学(IUAV)の学長だった時[1]に、仙台に滞在中に階段から足を踏み外して死亡。脳腫瘍が末期状態だったため、自殺ではないかといわれている。日本建築の愛好者だったことで知られる。そのキャリアの多くを展覧会の会場構成や既存の建物の改修が占める。
代表建築
- アッカデーミア美術館 (ヴェネツィア)
- ヴェネツィア・ビエンナーレの中央館(ジャルディーニ公園)
- パラッツォ・フォスカリ、ヴェネツィア 1935 - 1956
- ヴェネツィア・ビエンナーレ・ベネズエラ館、1954 - 1956
- カステルヴェッキオ美術館改修、イタリア・ヴェローナ 1956 - 1964
- (オリヴェッティ)社ショウルーム、イタリア・ヴェネツィア、1957 - 1958
- クェリーニ・スタンパーリア財団改修、イタリア・ヴェネツィア、1961-1963
- ブリオン家墓地、イタリア・San Vito(トレヴィーゾ県アルティーヴォレ町)、1969 - 1978
- ヴェローナ銀行増改築、イタリア・ヴェローナ、1973
脚注
- ^ 丹野義彦『イタリア・アカデミックな歩きかた 都市をめぐる教養散策』有斐閣 2015年 p.100-101
参考文献
- ケネス・フランプトン『テクトニック・カルチャー』(松畑強+山本想太郎訳、TOTO出版、2002)