オレカ・05 (Oreca 05) は、フランスのレーシングチームであるオレカが2015年に製作したプロトタイプレーシングカー。前モデルのオレカ・03と同じLMP2(P2)カーとして製作されている。
カテゴリー | LMP2 |
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コンストラクター | オレカ |
デザイナー | クリストフ・ギバフ |
主要諸元 | |
シャシー | カーボン・ファイバー モノコック |
サスペンション(前) | ダブルウィッシュボーン、ダンパー制御機構付きプッシュロッド |
サスペンション(後) | ダブルウィッシュボーン、ダンパー制御機構付きプッシュロッド |
全長 | 4,640 mm (182.7 in) |
全幅 | 1,900 mm (74.8 in) |
トレッド | (前)1,570 mm (61.8 in) (後)1,550 mm (61.0 in) |
ホイールベース | 2,950 mm (116.1 in) |
エンジン | ニッサン (VK45DE) 4.5 L V8 NA ミッドシップ、l縦置き |
トランスミッション | Xトラック 6速 シーケンシャル方式MT |
重量 | 900kg |
タイヤ | ダンロップ |
主要成績 | |
チーム | KCMG ティリエ・バイ・(TDSレーシング) (シグナテック・アルピーヌ) (バシー DCレーシング・アルピーヌ) Gドライブ・レーシング (マノー) (ユーラシア・モータースポーツ) |
ドライバー | マシュー・ハウソン リチャード・ブラッドリー ニック・タンディ ウィル・スティーブンス (トー・グレイブス) (マシュー・ラオ) ニコラ・ラピエール ピエール・ティリエ (ルドヴィック・バデイ) (トリスタン・ゴマンディ) レネ・ラスト (ロマン・ルシノフ) |
初戦 | シルバーストン6時間レース(2015年) |
開発
オープン・ボディだったオレカ・03とは異なり、クローズド・ボディで設計されている。また、車幅は1,900mmで開発されている。これは、従来の規定の2,000mmの車幅から2017年のル・マン・プロトタイプ規定によって1,900mmに変更されることを見越して開発をしていた為である[1]。
オレカが2014年に開発したLMP1カーのレベリオン・R-Oneとモノコックを共有し、LMP2には義務付けられていない(LMP1では突起物の貫通を防ぐ目的で貼り込みが義務付けられている)ザイロンパネルが側面に貼り込まれている[2]。ただし、LMP2カーの開発には開発費の上限を定めるコスト・キャップ制度がある為、レベリオン・R-Oneに使われているチタン材はアルミまたはスチール材に置き換えられている。
ステアリングのアシスト機構は、それまでの油圧式から電動式(EPS:KYB製)に切り替えられ、ギヤボックスも進化している[1][3]。
レース
2015年シーズンのFIA 世界耐久選手権(WEC)のLMP2クラスで、香港に本拠を置くKCMGチームとティリエ・バイ・(TDSレーシング)の2チームに、オレカ・05は供給された。更には、ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(チームはティリエ・バイ・TDSレーシング)にも参戦した。
ル・マン24時間レースでは、マシュー・ハウソン、リチャード・ブラッドリー、ニコラ・ラピエールら3人のドライブによるKCMG47号車はLMP2クラスのポールポジションを獲得し、そのまま一度も首位を譲らずにLMP2クラス優勝を収めた[4]。予選では、上位カテゴリーであるLMP1の日産・GT-R LM NISMOの1台をも上回るタイムを出した。決勝レースでも、一時は同一クラス内の2番手以降の全車に1周差をつける程の圧倒的な走りであり、何度かのスピンとコースオフで最終的に2位と同一周回となったものの、その力の差は歴然であった。
2016年度は、更に多くのチームがオレカ05を使用し、ル・マン24時間レースでは、トラブルやコースアウトによるリタイアがありながらも、ライバルコンストラクター車両であるリジェ・JS P2を圧倒する走りを見せつけ、シグナテックアルピーヌの36号車がLMP2クラスで優勝、2位にG-Driveレーシングと、ワンツーをオレカ・05が飾る結果となった。
第7戦富士では、G-DriveレーシングとRGR Sport by Morandのリジェ・JS P2による激闘が繰り広げられたが、最終的に1.3秒差でG-Driveのオレカ・05が勝利した。
脚注・参考文献
- ^ a b モーターファン別冊 「(モーターファン・イラストレーテッド)」誌、『ル・マン/WECのテクノロジー2015』 106-107頁、三栄書房
- ^ 「Auto sport」特別編集、『ル・マン24時間 2015』 52-53頁、三栄書房
- ^ “New ORECA 05 LMP2, looking towards the future and racing ahead !”. FIA World Endurance Championship (2015年2月24日). 2015年6月21日閲覧。
- ^ 「Auto sport」特別編集、『ル・マン24時間 2015』 106-107頁、三栄書房
外部リンク
- Oreca 05
- ORECA technology