オセロの盤と石 | |
デザイナー | 長谷川五郎 |
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販売元 | メガハウス、マテル |
発売日 | 1973年4月29日 |
ジャンル | ボードゲーム |
プレイ人数 | 2人 |
準備時間 | 1分間未満 |
プレイ時間 | 標準10分間、最大80分間 |
運要素 | なし |
必要技能 | 頭脳、読み合い、駆け引き |
ウェブサイト | オセロ公式サイト |
デザイナー | ジョン・モレット、ルイス・ウォーターマン |
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販売元 | ジャック・オブ・ロンドン、ほか多数 |
発売日 | 1888年 |
オセロ(Othello)は、2人のプレイヤーが交互に盤面へ石を打ちながら、相手の石を自分の石で挟むことによって自分の石へと換えていき、最終的な盤上の石の個数を競うボードゲームである。オセロゲーム(Othello Game)とも呼ぶ。ほぼ同様のゲームにリバーシ(Reversi)がある。
概要
オセロはボードゲームの1つである。8×8の正方形の盤と、表裏を黒と白に塗り分けた平たい円盤状の石を使用する。それぞれ黒と白を担当する2人のプレイヤーが交互に盤面へ石を置いていき、最終的に盤上の石が多かったほうが勝ちとなる。相手の石を自分の石で挟んだときは、相手の石を裏返すことで、自分の石にする。「挟んだら裏返す」という基本原理が解れば、初期配置やパスなどいくつかのルールを知るだけで、すぐにオセロをプレイできる。なお、公式戦では、さらに細かい競技規則も定められている。
オセロとほぼ同様のゲームは、元々リバーシとして知られていた。リバーシは、ジョン・モレット (John Mollett) とルイス・ウォーターマン (Lewis Waterman) によって19世紀にイギリスのロンドンで考案された。その後、水戸市出身のボードゲーム研究家・長谷川五郎によって1970年頃に東京都で現在知られているパッケージが開発され、その父・四郎によって「オセロ」(ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『オセロ』に由来)と命名された。完成したオセロは、1973年にツクダ(後のツクダオリジナル→パルボックス→メガハウス)から発売され、ヒット商品となった。
長谷川がオセロ開発に当たりリバーシを参照したのかどうかは不明であり、オセロとリバーシの関係性をどう位置付けるべきか争いがある。また、オセロ発祥の地についても、ロンドン、東京、水戸という3つの説がある。いずれにしても、「オセロ」「Othello」という名称はメガハウスの登録商標であるため、他社からはリバーシとしてほぼ同様のゲームが発売されている。
オセロは、抽象戦略ゲーム(アブストラクトゲーム)の一つであり、運の要素がなく、2人のプレイヤーが互いに知恵を絞り実力だけを頼りに勝敗を決する。ゲームのルールは単純明快だが、多数の戦術が生み出され、日々戦略的な進歩を続けている。このことを端的に表した「覚えるのに一分、極めるのに一生 (A minute to learn, a lifetime to master)」という言葉がキャッチフレーズになっている。著名な戦術としては、定石や偶数理論などがある。
数学的には、オセロは囲碁・将棋・チェスなどと同様に二人零和有限確定完全情報ゲームに分類され、コンピュータによる研究も行われている。コンピュータオセロは、1997年に人間の世界チャンピオンに勝利しており、人間のトッププレイヤーを上回る実力を持つ。もっとも、コンピュータが発達した2022年現在もオセロの完全解析はなされておらず、なお未知なる奥深さを持つ。
世界各国で子供から老人まで様々な人によってプレイされており、世界のオセロ競技人口は約6億人と推計されている。特に、日本では遊びの文化として定着しており、競技人口が多いだけでなく、オセロを題材にした数々の文化的活動も行われている。
オセロは、遊びであると同時にマインドスポーツの一つとしても知られている。世界各国で多くの大会が開催されており、日本では囲碁や将棋などと同様に複数のタイトル戦が存在する。最も大きな大会は、1977年から毎年開催されている世界オセロ選手権である。
このほか、オセロ・リバーシには、ニップ、グランドオセロ、エイトスターズオセロ、ロリットなどの派生ゲームも存在し、様々な形で人々から親しまれている。
ルール
使用用具
オセロをプレイするために必要な用具は、盤と石である[1][2][注釈 1]。オセロの盤は、8×8の正方形のマス目が描かれた緑色のものを使用する[1][2]。
オセロの石は、表裏を黒と白に塗り分けた平たい円盤状のものを使用する[1][2]。
メガハウスによる公式のオセロ用具は、表のようにプレイヤーの便宜を図るために様々な工夫を凝らした製品が順次追加されている[4]。
発売時期 | 製品名 | 特徴 |
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1973年 - | オフィシャルオセロ | 最初に発売されたオリジナルの用具。公式大会では現在もこれが使用される。2019年にマイナーチェンジあり。 |
1975年頃 - | マグネットオセロ | 石がマグネット式で盤に張り付くので傾けてもずれにくい。盤は折り畳み可能。 |
1970年代後半 - | ベストオセロ | 石を保管するためのケースが盤に内蔵されている。2000年代にもマイナーチェンジあり。かつては同様の商品の「ナイスオセロ」もあったが、現在は終売。 |
1980年代前半 - | ヴィクトリーオセロ(終売) | 入門用。盤のマス目に立体ガイドが付いており、簡単にマス目中央に石を置くことができる。 |
2004年 - | 一体オセロ | 盤に固定された回転式の石を使用。石をなくす心配がない。旧称「オセロ極」( - 2013)、「大回転オセロ」( - 2021)。 |
2005年 - | 大回転オセロミニ | 大回転オセロの小型版。持ち運びに適する。旧称「オセロ極Jr.」( - 2013)。 |
2022年 - | カラーオセロ | ビタミンオレンジ・インディゴブルー・パールブラックの3色展開。盤面の線が凸状で石がズレない。石収納用の引き出し付き。 |
また、視覚障害者向けに触って石を識別できるもの(表の「カラーオセロ」も該当)、石をつまむことのできない肢体不自由者向けに盤と一体化した石を回すことでプレイできるもの(表の「一体オセロ」も該当)など、バリアフリーを意識した用具も開発・発売されている[5]。
基本ルール
オセロの基本ルールは以下の通りである。なお、以下では符号を用いて説明することがあるが、図の盤面外に記載されている列と行を表す。例えば、f5はf列5行目のことである。
事前準備として、以下の2つが必要である。
- じゃんけんなどで各プレイヤーがそれぞれ黒番(黒石を打つ)と白番(白石を打つ)のどちらを担当するかを決めておく[6](公式戦での手番決定方法は後述)。
- 初期配置として、図1のように盤面中央の4マスに黒石と白石を2つずつ置く[7][2]。右上と左下が黒石、左上と右下が白石になるように互い違いに配置する[7]。
事前準備を終えたらゲームを開始する。
a | b | c | d | e | f | g | h | ||
1 | 1 | ||||||||
2 | 2 | ||||||||
3 | 3 | ||||||||
4 | 4 | ||||||||
5 | 5 | ||||||||
6 | 6 | ||||||||
7 | 7 | ||||||||
8 | 8 | ||||||||
a | b | c | d | e | f | g | h |
初手は黒番が打つ[7]。この際、今打った石と他の自分の色の石とで縦・横・斜めのいずれかの方向で挟んだ相手の色の石は、裏返して自分の色に変える[7][2]。例えば、図1の局面で、黒番がf5に打てば、今打った黒石とd5の黒石によってe5の白石を横に挟んでいるので、これを裏返して黒石に変える(図2)。
a | b | c | d | e | f | g | h | ||
1 | 1 | ||||||||
2 | 2 | ||||||||
3 | 3 | ||||||||
4 | 4 | ||||||||
5 | 5 | ||||||||
6 | 6 | ||||||||
7 | 7 | ||||||||
8 | 8 | ||||||||
a | b | c | d | e | f | g | h |
2手目は白番が打つ[7]。さきほどと同じように、挟んだ相手の色の石を裏返して自分の色に変える。例えば、図2から白番がd6に打てば、今打った白石とd4の白石によってd5の黒石を縦に挟んでいるので、これを裏返して白石に変える(図3)。
a | b | c | d | e | f | g | h | ||
1 | 1 | ||||||||
2 | 2 | ||||||||
3 | 3 | ||||||||
4 | 4 | ||||||||
5 | 5 | ||||||||
6 | 6 | ||||||||
7 | 7 | ||||||||
8 | 8 | ||||||||
a | b | c | d | e | f | g | h |
後は同様に、相手の石を挟みながら、黒番と白番が交互に空きマスに自分の色の石を打っていく[7]。例えば、図3から黒番がc3に打てば、d4の白石を斜めに挟んでいるので、これを裏返して黒石に変える。
ゲームが終了したら黒石・白石の数を数え、多いほうが勝ちとなる[6][2]。同数の場合は、通常の対局では引き分け、引き分けでは不都合のある対局(勝ち上がり式トーナメントの大会等)では黒番・白番の決定時に「終局時に石の数が同数だった場合に勝者となる権利」(後述)を得ていた側の勝ちとなる[3]。
成績は、石数もしくは石差で記録される[7]。例えば、図7ならば34対30(4石差)で黒番の勝ちである。空きマスがある場合には、その数が勝者の石数に加算される[3][注釈 2]。例えば、図8ならば63対1(62石差)で黒番の勝ちである。
ハンデキャップ
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実力差がある場合にはハンデキャップ(ハンデ)をつけて対局することもできる[7]。ハンデキャップ戦では、実力差に応じて図のように盤面の隅に黒石を置いた状態からゲームを開始する[7]。
ハンデキャップ戦の場合は、下手が黒番、上手が白番を持つが、通常の対局とは異なり、白番(上手)の先手で対局を開始する[7]。
伏せ石
オセロは黒と白の石を用いるが、基本ルールで説明したように黒を担当するプレイヤーが先手、白を担当するプレイヤーが後手として、プレイヤーの手番が色と合わせて定められている[6][2]。手番を含めた両プレイヤーの地位をそれぞれ黒番・白番と呼ぶ[6]。
大会などの公式戦では、「伏せ石」と呼ばれる囲碁のニギリに近い方法で黒番・白番を決定する[3]。伏せ石のやり方は、引き分けありの対局と引き分けなしの対局でそれぞれ異なっており、以下のように決まっている[3]。
- まず、上位者が石一つを手で隠して盤上に置く。
- 次に下位者が引き分けの有無によって以下の方式で宣言を行う。
- 引き分けありの場合は、下位者は「上」もしくは「下」と宣言する。
- 引き分けなしの場合は、下位者は「黒」もしくは「白」と宣言する。
- 下位者の宣言が終わったら上位者は石を隠していた手をどけて石を開示する。
- 石の上面が黒白どちらであるかを確認し、引き分けの有無に応じて以下の通り黒番・白番を決定する。
- 引き分けありの場合は、開示された石の上面・下面の色のうち、下位者は宣言した側の色を担当する。すなわち、下位者が「上」と宣言したときは開示された石の上面の色、「下」と宣言したときは開示された石の下面の色を下位者が担当する。
- 引き分けなしの場合は、一方のプレイヤーには「黒番・白番を選ぶ権利」、他方のプレイヤーには「終局時に石の数が同数だった場合に勝者となる権利」が与えられる。下位者が宣言した色と開示された石の上面の色とを照らし合わせ、的中している場合は下位者、的中していない場合は上位者が、どちらの権利が欲しいかを選択する。最後に黒番・白番を選ぶ権利を得た側のプレイヤーが黒番と白番のどちらにするかを選ぶ。
不正着手
オセロでは、挟んだ石を裏返すのを忘れるといった不正な着手が起きることがあり、公式戦で不正着手がなされた場合のルールが定められている[3]。相手が不正着手をした場合、対局時計のボタンを押して相手に手番を戻したうえで、不正の内容を告げて相手に訂正を求めることができる[3]。なお、日本オセロ連盟は不正着手を「自分の打つ石色の間違い、手番の間違い、打てない箇所への着手、返し忘れ、返しすぎ、打てる箇所がある局面でのパス」と定義している[3]。
ブライトウェル・ポイント
主要な国際大会等では、リーグ戦で勝ち星の数が並んだ際、イギリス代表選手で数学者のグラハム・ブライトウェルが考案したブライトウェル・ポイントと呼ばれる点数を計算して順位を決定する[11] [12]。ブライトウェル・ポイントは、以下の数式で計算される[12]。
ブライトウェル・ポイント = 石数合計 + 対戦相手の勝数合計 × C
定数Cは、オセロ盤のマス目の数 (64) を1人のプレイヤーの試合数で割った値に最も近い整数である[12]。例えば、各プレイヤーが10試合を行うリーグ戦ならば、Cは「64 / 10 = 6.4」に最も近い整数の6である。
歴史
オセロの起源
現在普及しているオセロのパッケージは、日本オセロ連盟元会長の長谷川五郎が1970年頃に東京都で完成させてゲーム会社のツクダに持ち込み、1973年に発売されたものである[13]。長谷川がオセロを開発するに至った経緯については本人の説明が二転三転しており、定かではない。特に、オセロのルーツについては、
- ジョン・モレットとルイス・ウォーターマンが19世紀にイギリスのロンドンで考案したアネクゼイションやリバーシ(源平碁)というゲームがオセロの原型であり、長谷川が東京都内でリバーシの基本ルールを維持しつつ名称・用具・環境などを整備してパッケージとして確立したものがオセロである。
- 1945年に中学生時代の長谷川本人がリバーシとは独立に茨城県水戸市で考案した挟み碁というゲームがオセロの原型である(結果的にオセロとリバーシは似通ったゲームとなっているが両者は無関係)。
という2つの説がある。
オセロ発売当初、長谷川はリバーシがオセロの原型であるとしていたが[14][15][16][17]、2000年頃からは、自身が考案した挟み碁がオセロの原型であると主張するようになっている[18]。なお、2000年以降の長谷川の発言以外に挟み碁というゲームが実在したことを裏付ける根拠はない[19]。このような経緯から、オセロとリバーシの関係やオセロ発祥の地については争いがある(詳しくはオセロとリバーシの節で後述)。
アネクゼイション、リバーシ、挟み碁、オセロは、いずれも「挟んだら裏返す」という基本原理に共通点があるが、細かい部分では表のような違いがある。
ゲーム名 | 最初期の文献(出典) | 開発年・開発者・発売元 | 石の色 | 盤面の形状 | 初期配置 | 複数石挟み | 着手不能時 | 着手回数制限 |
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アネクゼイション | Waterman v. Ayres (1888年)[20] | 1870年(ロンドン) ジョン・モレット F・H・エアーズ | 不明 | 十字形 | 不明 | 不明 | 不明 | 不明 |
リバーシ(19世紀) | Reversi and Go Bang (1890年)[21] | 1883年(ロンドン) ルイス・ウォーターマン ジャック・アンド・サン |
| 8×8の正方形 | オリジナル | 全部裏返す | パス | 32手 |
リバーシ(20世紀) | 世界遊戯法大全 (1907年)[22] | 1900年頃 不明 多数 |
| 8×8の正方形 |
| 全部裏返す | パス | 無制限 |
挟み碁 | オセロ百人物語 (2005年)[23] | 1945年(水戸) 長谷川五郎 未発売 | 黒白 | 多様[注釈 3] | 不明 | 多様[注釈 4] | 不明 | 不明 |
オセロ | オセロの打ち方 (1974年)[6] | 1970年頃(東京) 長谷川五郎 ツクダ | 黒白 | 8×8の正方形 | クロス | 全部裏返す | パス | 無制限 |
ここでは、リバーシに基づく歴史と挟み碁に基づく歴史の双方を対等に紹介する。
19世紀のリバーシ
オセロに似たゲームとして記録に残る最古のものは、1870年にイギリスのロンドンでジョン・モレット (John Mollett) が開発したアネクゼイション (Annexation) というボードゲームである[20][注釈 5]。アネクゼイションは、十字形の盤面を用いていたが、現在のオセロと同様に「挟んだら裏返す」という基本原理に基づくゲームだった[26][20]。開発から6年後の1876年にF・H・エアーズがこれを発売した[20]。
1883年、同じくロンドンのルイス・ウォーターマン (Lewis Waterman) がアネクゼイションの盤面をチェッカー盤(チェスボードと同じ8×8の正方形)に改良してリバーシ (Reversi) を開発した[20][27][28]。リバーシは、1886年にロンドンのサタデー・レビュー紙に掲載され、世に知られることになった[29]。ウォーターマンは、1888年にリバーシを商品化し、ジャック・アンド・サン(現・ジャック・オブ・ロンドン)から発売した[30]。なお、リバーシ発売後にF・H・エアーズがアネクゼイションの改良版として「Annex a Game of Reverses」という名前でリバーシとほぼ同一のゲームを販売したため、商標をめぐって訴訟となったが、「リバーシ」は「裏返す」という意味の単語「Reverse」に由来し、16世紀からフランスでプレイされていた伝統的トランプゲームのリバーシス(ハーツの原型)の別名でもあることから商標権は認められず、両者はともにこのゲームを販売できることになった[20]。
商品化から2年後の1890年にウォーターマンが承認したリバーシの解説書[21]によると、当時のリバーシと現在のオセロとのルール上の違いは、以下の2点のみである[31]。
- 初期配置オリジナル・ルール
- 初期のリバーシでは、盤面に石を置かずにゲームを開始していた。初手から4手目まで交互に中央4マスのうち好きな位置に石を打ち込むことで、初期配置を決めた(なお、初期配置を決めるための4手は相手の石を挟まなくて良かった)。
- 着手回数32手制限ルール
- 初期のリバーシでは、両対局者はそれぞれ最大32回しか石を打つことができなかった。つまり、ゲーム開始時に各々の手元に32個の石が配布され、相手のパスによって自分が連続して着手した結果手元の32個の石を使い果たしてしまった場合は、それ以降の自分の手番がすべてパスになった。
同書によると当時のリバーシの石の色は黒と白 (black and white) であり、現在のオセロと同様である[32]。もっとも、ジャック・アンド・サンから発売されたオリジナルのリバーシは、チェッカーと同様に黒白[33]、黒赤[34]、赤白[35]という少なくとも3通りのバージョンが存在していたことがボードゲーム収集家のリチャード・バラムのコレクションで確認できる。
20世紀のリバーシ
リバーシが考案されてから20年ほどの間にルールの変遷があった。まず、着手回数32手制限ルールはすぐに廃止され、相手がパスした場合には相手の手元の石を使ってもよいことになった[31]。1900年頃のF・H・エアーズのリバーシに添付されたルール説明書には、「彼が打つことができないでいる限り、対戦相手は彼の石を使用して打つ」と明記されている[36]。また、初期配置に関しては、簡便のために最初から中央4マスに石を置いてからゲームを開始するのが主流となった[31]。この結果、20世紀初頭には、現在のオセロとのルール上の違いはほぼなくなっており[31]、1907年に編纂された『世界遊戯法大全』[22]では現在のオセロと完全に同一のルールが定められている[31]。