エレファス・レッキー (Elephas recki) は新生代鮮新世後期から更新世前期にかけてのアフリカ大陸に生息した、絶滅したゾウの一種である。ゾウ目(長鼻目)- ゾウ科に属し、現生のアジアゾウと同属であるが、ナウマンゾウと同じパレオロクソドン(Plaeoloxodon)属ともされる[1]。
生息域
アフリカ大陸東部に分布していた。ケニア、タンザニアなどから化石が出土。ほぼ完全な骨格がケニアの東トゥルカナより発見されている[2]。アジアゾウ属の起源はアフリカであるとされる[3]。しかし、現在アフリカにはアジアゾウ属は分布していない。
形態
大型のものは肩高4.5mとアフリカゾウをしのぐ大きさとなる[2]。前肢が長く、背中はやや後傾する。頭部及び牙は、体全体に比して小さい。頭骨はアジアゾウに似て高さがあり前後に短い形態であるが[4]、この種で特徴的なのは、前頭部がドーム状に膨らみ[5]、眼窩の位置が下がっている[2]。臼歯は高歯冠で、後の亜種になるほど顕著である[6]。
生態
食性は植物食。エレファス属の臼歯は高歯冠であるが、これは硬い植物を噛み砕く事に適応した結果である。E. reck の初期から末期に至る一連の個体から、その経過を見ることができる[6]。
氾濫原などに生息したと推定されている[7]。
脚注
関連項目
参考文献
- Alen Turner、Mauricio Anton 著、富田幸光 訳『アフリカの哺乳類 : その進化と古環境の変遷』丸善、2007年、101 - 108, 178, 198頁頁。ISBN (978-4-621-07834-1)。