この項目では、スペインの鉄道車両メーカーであるCAFが展開する路面電車車両のウルボスのうち、ベルギーの公共交通事業者である(ドゥ・レイン)に導入される車両について解説する[1][4][5][6]。
概要・運用
(ドゥ・レイン)はベルギーのフランデレン地域で公共交通を運営する公営事業者で、そのうちアントウェルペン、ヘントおよび北海沿岸の3箇所で路面電車を運営している。2017年、ドゥ・レインは老朽化した路面電車車両の置き換えや今後の延伸による輸送力増強を目的にスペインの鉄道車両メーカーであるCAFとの間に路面電車車両のウルボス(Urbos)を導入する契約を交わした[1][6][3]。
ウルボスはCAFが展開する路面電車ブランドで、そのうちドゥ・レインに導入されるのは車内全体が低床構造となっている「ウルボス100」と呼ばれる車種である。流線形の前面を含む空力設計に基づいた近代的な外見を有しており、車内の乗降扉付近には車椅子やベビーカーが設置可能なフリースペースが存在する[1][3]。
ウルボス100はドゥ・レインが運行する路面電車の全路線への導入が計画されており、各路線の導入予定両数などの詳細は以下の通りとなっている[1]。
- ベルギー沿岸軌道 - CAFの工場で生産されたウルボスが最初に到着したのは、北海沿いを走るベルギー沿岸軌道である。当初は2020年の春季に導入される予定であったが新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で最初の車両が到着したのは同年6月となった。その後は習熟訓練を兼ねた試運転が実施されており、順調に進んだ場合2021年に営業運転を開始する予定である。2020年時点での導入予定数は48両で、製造から40年近くが経過した従来の車両の大部分が置き換えられる。また、今後の利用客増加や延伸計画を踏まえ、オプション分となる14両の追加契約を実施する計画も存在する[1][4][3][7]。
- アントウェルペン市電 - アントウェルペン(アントワープ)市内を走るアントウェルペン市電には最大66両の片運転台車両の導入が検討されており、そのうち23両については既に発注が実施されている[1][4]。
- ヘント市電 - ヘント市内の路面電車路線は古くから両運転台車両が用いられており、ウルボス100についても両運転台車両が18両導入される事になっている[1][4]。
主要諸元
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e f g h “DE LIJN TRAM”. CAF. 2021年4月7日閲覧。
- ^ a b “Urbos 100-tram CAF Technische fiche” (PDF). (De Lijn). 2021年4月7日閲覧。
- ^ a b c d “Hier is hij: onze nieuwe Kusttram!”. (De Lijn) (2020年6月23日). 2021年4月7日閲覧。
- ^ a b c d e Jens Bernhardt (2020年6月26日). “De Lijn Coastal Tram: First CAF tramway delivered”. Urban Transport Magazine. 2021年4月7日閲覧。
- ^ a b “CAF Urbos tram arrives in Oostende”. Metro report International (2020年7月30日). 2021年4月7日閲覧。
- ^ a b “De Lijn mag door met megaorder trams”. OV Magazine (2017年7月17日). 2021年4月7日閲覧。
- ^ Carlo Scheir (2020年6月4日). “Eerste nieuwe kusttram van De Lijn is bijna klaar bij CAF”. PITANE. 2021年4月7日閲覧。