イニシエーター(英: initiator)またはInr配列とは、(転写開始点)のごく近く(だいたい1塩基分上流付近)にあるのが特徴の、真核生物の(コアプロモーター)の一部である。RNAポリメラーゼIIによる転写を高効率とする働きを持つ。ただし、全てのコアプロモーターに存在するわけではない。また、イニシエーターは(上流プロモーターエレメント)やエンハンサーによる影響を受けやすい。この例として、末端デオキシヌクレチドトランスフェラーゼ(TdT)遺伝子が挙げられる。これはTおよびBリンパ球の発現のために活性化される遺伝子である。
配列
イニシエーターは個体によって異なる配列を持つが、種といった所属によって共通する配列(コンセンサス配列)がある。Pyを(ピリミジン塩基)、Nを4種類の塩基のいずれか、*を転写開始点、A、T、C、Gをそれぞれアデニン、チミン、シトシン、グアニンとすると、哺乳類の場合、PyPyAN(T/A)PyPy.ショウジョウバエのコンセンサス配列はTC*(G/T)T(T/C)である。