アロンアルフア(アロンアルファ、Aron Alpha)は、東亞合成が製造・販売(高度医療管理機器[1]としては第一三共が販売を担当)しているシアノアクリレート系瞬間接着剤で、同社の登録商標(日本第748367号)である。
1963年に誕生し、1971年一般家庭用に発売開始。業界のトップブランドであると同時に日本では瞬間接着剤の代名詞となっている。一般家庭用はコニシが販売委託を受けているため「ボンド アロンアルフアシリーズ」として発売している。
海外輸出も行っており、アジア、北米(ブランド名はKrazy Glue)を中心に世界30カ国以上で発売している。
商品の概要
(シアノアクリレート系接着剤の一般的性質については、瞬間接着剤の記事を参照のこと)
- 「一般用」「ゼリー状」「ハイスピード」「プチペン」などシリーズ化されている。
- アロンとは、前身の矢作工業設立当初、主要製品の商標に弓矢をイメージしたマークを採用していたため、その弓矢を意味する「アロー」と、代表的な合成樹脂のナイロンやテフロンなどの「ロン」と、主成分「アルファシアノアクリレート」の「アルファ」から製品名とした[3]。子会社「アロン化成」も東亞合成からアロンの商標権を使用できるように許諾を得た。
- 商品名の最後の「ア」は小文字ではない(“アロンアルファ”ではなく“アロンアルフア”)が、読みは『フア』ではなく『ファ』である。
歴代コマーシャル
奇抜な発想によるコマーシャルが数多く製作され、(ACC全日本CMフェスティバル)やカンヌ国際広告祭、クリオ賞などで数々の賞を受賞している。これらのCMでは、映像上の演出なので、一般人は真似を絶対にしないよう呼びかけている[4]。
- ハンマー投の部品をくっつけ試合と同様に回転させて投げる。投げて着地してもその衝撃では外れない。
- 割れたレコードの破片をくっつけ、再び聞けるようにする。
- ジープ2台のウインチ先端に付けた金属部品同士を接着剤でくっつけ、瓦礫の斜面から引っぱり上げる。
- ゴルフボールの上に乗って回っている独楽の軸の接地面にアロンアルフアを垂らし、その後スーパーセットの瞬間液を垂らして瞬時に独楽の回転を止める。
- 前輪を持ち上げた(オートバイ)(ウィリー走行)が、アロンアルフアを塗った柱に前輪を当てて停止。すると前輪が柱に接着されてしまい、ライダーが降りてもオートバイは倒れずそのまま立っている。
- 鉄棒にパワーショベルをくっつけて懸垂させる。
- 風船にアロンアルフアを塗り、ダーツの矢を当てる。風船は割れず、矢がくっついてしまう。
- 人形をアイスホッケーのパックやジェットコースターの先頭車両にくっつけてその耐久性を調べる。いずれも終盤まで接着面から離れないが、人形が裸に近い状態になるオチが付いている。
- 自転車の上に自動車を乗せて走る。
- 雑技団のメンバーが出演し、公園のシーソーを傾けさせ、そこにアロンアルファを塗ってバク転をする。
- 同じく雑技団のメンバーが家庭のテーブルでアイロンを接着させ、そこでアイロンを取っ手に逆立ちをする。
- 近年(1999年製作)のCMでは、日本人が日常的に考える「壊れたら捨てる」(いわゆる「使い捨て」)主義を考え直して、壊れたら直すことを訴える内容のCMが放送された。それにはロボットの人形(フィギュア)や電気スタンド、ハイヒール、挙句には人間や自動車までもが捨てられるという社会風刺を取り入れていた。
- 2010年新作で、ロンドンの2階建てバスの天井をクレーン車で上げて外すというもの。この際画面右下に「これは実験CMです。」という断り書きを入れた。
- イメージキャラクターは今直筑乃(いますぐつくの、声:阿澄佳奈)
- 2021年からCMで2020年東京オリンピック男子柔道100㎏級金メダリストのウルフ・アロンが出演。
- かつては声優・俳優・ナレーターの内海賢二が古代ギリシャ風の衣装で顔出し出演していた事もあった。
コマーシャル以外での性能実験
類似商品
- 100円ショップで販売されている同様の瞬間接着剤の名称(いわゆるコピー品、パロディー品)に「ツリロンアルファ」(アルファ商事株式会社)や「ゼリーアルファ」などというものがある。「ツリロンアルファ」が「アロンアルフア」に似ていると言うことが過去にテレビのクイズ番組(「ダウトをさがせR」)の「ダウトな商品」コーナーで取り上げられた。
脚注
- ^ http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/md/PDF/480011/480011_20600BZZ01301000_1_01_01.pdf
- ^ 「アロンアルフア®」ギネス世界記録 TM 公式認定のお知らせ,東亞合成,2019年10月7日
- ^ カオスだもんね!PLUS4巻43ページ
- ^ 特に、この種の接着剤の特性として、固化すると固いが、そのためにかえって強い衝撃に対してもろい、という性質があり、接着箇所が強い衝撃に耐える必要がある場合は他の補強方法を考慮する必要がある。
参考文献
- 読売新聞 2017年7月19日 13面 「ロングセラーの理由」。
関連項目
外部リンク
- 東亞合成株式会社
- コニシ株式会社
- アロンアルフア