アル・ズバラ級フリゲート(英語: Al Zubarah-class frigate)は、(カタール海軍)のフリゲートの艦級[1]。フリゲートとしての艦種記号を付されているが[1]、公式にはドーハ型コルベット(英: Doha-class corvette)と称される[2]。
来歴
カタールは湾岸協力会議(GCC)の原加盟国だが、イランやトルコとの関係強化を図る独自外交を展開した結果、サウジアラビアなどとの軋轢が生じて、2010年代半ばからは他のGCC諸国から制裁を受ける立場となっており、2017年カタール外交危機では一部のイスラム諸国との断交にまで至った[3]。これらの軋轢は武力衝突に発展する状況には至っていないが[3]、これを契機として、従来は小所帯だった海軍力の強化が図られており[2]、2016年にはイタリアとの間で38-40億ユーロの武器輸出パッケージを取り決めた[1]。
設計
船型は長船首楼型で、イタリア海軍のカルロ・ベルガミーニ級フリゲートの縮小型のような艦容となっている[2]。上部構造物後端部に艦載ヘリコプターの格納庫を有するのも同級と同様だが、船体幅が狭いために1機分に削減されている[2]。艦尾には大型のハッチが設けられており、舟艇の発着用と推測されている[2]。
満載排水量3,250トンと小型の水上戦闘艦ながら、(艦隊防空用)としてアスター30、(近接防空用)としてRAMと2種類の艦対空ミサイルを併載するうえに、艦対艦ミサイルとしてエグゾセMM40ブロック3を8発搭載するなど、重武装が目立っている[1]。
前檣頂部にはアクティブ・フェーズドアレイ・アンテナを採用したKRONOS多機能レーダーを搭載する[1]。ただしソナーとしては、障害物回避・機雷探知用のもののみを搭載している[2]。
同型艦一覧
# | 艦名 | 就役 |
---|---|---|
F101 | アル・ズバラ QENS Al Zubarah | 2021年 10月28日 |
F102 | ダムサー QENS Damsah | 2022年 4月28日 |
F103 | アル・ホール QENS Al Khor | 2022年 12月22日 |
F104 | シマイスマ QENS Semaisma | 2023年 5月16日 |