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アルグ

アルグ(? - 1266年)は、モンゴル帝国の皇族で、チャガタイ家の第5代君主(在位:1260年 - 1266年)。父はチャガタイの子のバイダルチンギス・カンの曾孫にあたる。チャガタイ家の中では傍流であったが、第4代カアンモンケの急死、それに伴う混乱の中で急速にその地位を高めた。

1260年クビライアリクブケの間で帝位継承戦争が勃発すると、最初チャガタイ家は、夫亡き後、監国(摂政)として政務を担っていたオルガナの下、アリクブケを支持した。しかし、アリクブケはクビライに連敗した上、経済封鎖策によって深刻な食料不足に陥った。追い詰められたアリクブケはカラコルムに食料を送る事を条件に側近だったアルグをチャガタイ家当主に任命、チャガタイ家に送り込んだ。実権を奪われたオルガナはアルグの妃になるように強要され、オルガナはカラ・フレグとの間の息子であるムバーラク・シャーを後継者にすることを条件に受け入れたという。

しかし、チャガタイ家領に入りオルガナから実権を奪うと、アルグはアリクブケに対して反旗を翻した。これには、即位時にチャガタイ家の有力者の多くを粛清したモンケ政権の後を継ぐ形でできたアリクブケ政権に対するチャガタイ家の反発が背景にあったとも言われる。一時攻めてきたアリクブケに本拠地アルマリクを占領され、サマルカンドに退却することもあったが、1264年にアリクブケがクビライに降伏したことで、ついに全チャガタイ家領を統一した。

帝位継承戦争集結後、クビライが統一クリルタイの開催を提唱したとき、アルグは真っ先に参加を表明したものの、実現される前に病没した。


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