アカゴチ科(学名:Bembridae)は、カサゴ目に所属する魚類の分類群の一つ。(アカゴチ)など、底生性の深海魚を中心に5属10種が記載される[1]。
分布・生態
アカゴチ科の魚類はすべて海水魚で、南アフリカおよびアデン湾を西端とするインド洋から、日本列島・ハワイ諸島およびペルー沖にかけての太平洋に幅広く分布する[1][2]。海底からあまり離れずに生活する底生魚のグループで、水深150-650mにおける大陸棚・大陸斜面の砂泥底を主な生息範囲とする[1]。
形態
アカゴチ科の仲間は強く縦扁した平たい頭部をもつ[1]。体部は細長く円筒形で、櫛鱗に覆われる[2]。ほとんどの種類は赤い体色をしており、体長10-30cm程度の小型の魚類である[2]。口は大きく、顎・鋤骨・口蓋骨に微小な歯を備える[2]。側線はよく発達し、浮き袋を欠く[2]。
背鰭は2つあり、第1背鰭は6-12本の棘条、第2背鰭は8-12本の軟条により構成される[1]。胸鰭は21-27軟条で、腹鰭は胸鰭基部の直下に位置し、両鰭が離れる近縁の(コチ科)との鑑別点となっている[1]。椎骨は26-27個[2]。
分類
アカゴチ科にはNelson(2006)の体系において5属10種が認められている[1]。本稿では、FishBaseに記載される3属8種についてリストする[2]。2種を含む(ウバゴチ属)(Parabembras)を本科に含める見解もあるが[1]、独立の(ウバゴチ科) Parabembridae として扱われることも多い[2][3]。
- (アカゴチ属) Bembras
- (アカゴチ) Bembras japonica
- Bembras adenensis
- Bembras longipinnis
- Bembras macrolepis
- Bembras megacephala
- (バラハイゴチ属) Bembradium
- バラハイゴチ Bembradium roseum
- Bembradium furici
- Brachybembras 属
- Brachybembras aschemeieri
出典・脚注
参考文献
- Joseph S. Nelson 『Fishes of the World Fourth Edition』 Wiley & Sons, Inc. 2006年 (ISBN 0-471-25031-7)
- 岡村収・尼岡邦夫監修 『日本の海水魚』 山と溪谷社 1997年 (ISBN 4-635-09027-2)
外部リンク
- FishBase‐アカゴチ科 (英語)