オールロードクワトロ(allroad quattro)は、ドイツの自動車会社アウディが1999年から販売している乗用車である。アウディ・A6やアウディ・A4のワゴンモデルをベースとしており、ステーションワゴンとクロスオーバーSUVの中間といえるボディ形状となっている。
日本では2009年2月に販売が終了したものの、2012年8月に限定車、その後カタログラインナップで販売を再開。
概要
A6やA4のステーションワゴンモデル(Avant)をベースに、トレッドの拡大とホイールアーチの大型化に加え、専用の樹脂製バンパーや前後アンダーガード、サイドシルガードを取り付けてオフロードイメージを高めるとともに、Audi独自の4WDシステム「quattro」と専用サスペンションもしくは専用エアサスペンションを装備することにより悪路走破性をも高めている。
名称は、「quattro」が付かず単に「allroad」で売られている国や地域もある。生産は全てドイツのネッカーズルムで行われている。
ステーションワゴンとスポーツ・ユーティリティ・ビークルの中間形状(クロスオーバー)を持つ乗用車としては他に、1995年に発売されたスバル・レガシィグランドワゴン(現アウトバック)や、1997年に発売されたボルボ・V70XCなどがある。
allroad quattro
初代4B(C5)系
アウディ・オールロードクワトロ C5 | |
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概要 | |
販売期間 | 1999年 - 2005年 |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 5ドアクロスオーバーSUV |
駆動方式 | フルタイム4WD |
(パワートレイン) | |
エンジン | V型6気筒2.7リットルツインターボ |
変速機 | 5速AT(ティプトロニック) 6速MT(日本に正規輸入なし) |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,760 mm |
全長 | 4,815 mm |
全幅 | 1,850 mm |
全高 | 1,590 mm |
車両重量 | 1,860 kg |
その他 | |
ハンドルの位置 | 右 |
初代オールロードクワトロは、2代目A6アバント(C5系)をベースに開発された、1999年から生産された。
A6アバントとの主な違いは、大径タイヤとサスペンションにある。フロントマルチリンク/リアダブルウィッシュボーンのオールロードクワトロのサスペンションには、アウディ初の試みでもある、自動もしくはドライバーの選択によって、142mmから208mmまで4段階で車高(最低地上高)を変えられる4レベルエアサスペンションが装備されていた。
日本での販売
デビュー翌々年の2001年2月から導入され、全て右ハンドルであった。販売名はオールロードクワトロ。
搭載されるエンジンは2.7リットルV型6気筒DOHCインタークーラー付き30バルブバイ(ツイン)ターボ(250(PS)/35.7kgm)と、4.2リットルV型8気筒DOHC40バルブ(300PS/38.8kgm)の2種類。トランスミッションは全グレードマニュアル操作可能な5速ATティプトロニックであった。グレードは、外装のアルミ・クロームパーツをブラックアウトし内装を簡素化した2.7T SV(2002年4月追加)と豪華なウッドパネルとツートン本革仕様を備えた上級の2.7T、最上級にはエンジン排気量をアップし、タイヤサイズとホイールアーチをさらに大型化、バンパーなどの一部もボディ同色化した4.2(2003年10月追加)の3種類であった。標準タイヤサイズは2.7T/2.7T SVが225/55R17、4.2は245/45R18であった。
国内登録台数は2,471台であった。
A6 allroad quattro
初代 4F(C6)系
アウディ・A6オールロードクワトロ C6 | |
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前期型 | |
後期型 | |
概要 | |
販売期間 | 2005年 - 2011年 |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 5ドアクロスオーバーSUV |
駆動方式 | フルタイム4WD |
(パワートレイン) | |
エンジン | V型6気筒3.2リットル V型8気筒4.2リットル |
変速機 | 6速AT(ティプトロニック) |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,833 mm |
全長 | 4,934 mm |
全幅 | 1,862 mm |
全高 | 1,519 mm |
その他 | |
ハンドルの位置 | 右 |
ベースであるA6 4B (C5) 系から4F (C6) 系へのモデルチェンジに合わせてモデルチェンジ。同時に名前も「A6 allroad quattro」に変更。
北アメリカでは2008年12月、日本では2009年2月に販売終了となったが、欧州市場等での販売はマイナーチェンジを経て継続された。
日本での販売
日本ではガソリン車のみが導入された。2009年2月に行なわれたA6のマイナーチェンジと同時に販売を終了。
後期型 インテリア
2代目 4G(C7)系
アウディ・A6オールロードクワトロ C7 | |
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概要 | |
販売期間 | 2012年 - 2019年 |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 5ドアクロスオーバーSUV |
駆動方式 | フルタイム4WD |
(パワートレイン) | |
エンジン | V型6気筒 3.0L TFSI V型6気筒 3.0L TDI(日本に正規輸入なし) |
変速機 | S tronic(7速DCT) |
車両寸法 | |
全長 | 4,940 mm |
全幅 | 1,900 mm |
全高 | 1,500 mm |
その他 | |
ハンドルの位置 | 右 |
エンジンはガソリン車ではV型8気筒 が廃止、V型6気筒も3.2Lからスーパーチャージャー付きの3.0L (TFSI)に変更された。
ドイツ本国にはディーゼル車(TDI)があり、3つのチューニングが異なるV型6気筒3.0リットルTDIが用意されている。
日本での販売
2012年8月21日 マイナーチェンジされたA4 allroad quattroと同時に販売。エンジンはガソリン仕様のみ。
先代では通常モデル扱いであったが、Q7の販売に悪影響を及ぼす配慮から今モデルから300台の限定販売となった。
2013年10月15日 再販売を発表。200台の限定発売となった。
2014年8月20日 A4allroad quattroと同時にカタログモデルとして再発売[1]。
詳細はアウディ・A6を参照。
3代目 F2(C8)系
アウディ・A6オールロードクワトロ C8 | |
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概要 | |
販売期間 | 2019年 - |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 5ドアクロスオーバーSUV |
駆動方式 | 4WD |
(パワートレイン) | |
エンジン | 直列4気筒 2.0L TDI /V型6気筒 3.0L TDI/V型6気筒 3.0L TFSI |
変速機 | 7速DCT((Sトロニック))/8速AT(ティプトロニック) |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,925mm |
全長 | 4,951 mm |
全幅 | 1,902 mm |
全高 | 1,497~1,542 mm |
本国でのエンジンバリエーションは以下の通り。
40 TDI quattro(直列4気筒 2.0L)
45 TDI quattro(V型6気筒 3.0L)
50 TDI quattro(V型6気筒 3.0L)
55 TFSI quattro(V型6気筒 3.0L)
55 TDI quattro(V型6気筒 3.0L)
ベースであるA6と同様、全車(マイルドハイブリッドシステム)(MHEV)を搭載する。
日本での販売
2021年2月現在、日本未導入。
A4 allroad quattro
8K(B8)系
アウディ・A4オールロードクワトロ B8 | |
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概要 | |
販売期間 | -2009年 - |
ボディ | |
乗車定員 | 5人 |
ボディタイプ | 5ドアクロスオーバーSUV |
駆動方式 | フルタイム4WD |
(パワートレイン) | |
エンジン | 直列4気筒2.0リットルターボ |
変速機 | 7速DCT(Sトロニック) |
車両寸法 | |
全長 | 4,720 mm |
全幅 | 1,840 mm |
全高 | 1,495 mm |
その他 | |
ハンドルの位置 | 右 |
2009年のサロン・アンテルナショナル・ド・ロトにて発表、同年デリバリーが開始された。搭載エンジンはガソリン車は2.0リットル直列4気筒 TFSIとディーゼル車は3.0リットルV型6気筒TDIが用意されている。
日本での販売
日本には2010年11月に250台限定で導入された。エンジンはガソリン車でハンドル位置は右のみである。ボディカラーはグリーンでインテリアのカラーはブラウンに統一されている。
その後、2011年8月に50台増えて300台限定で販売されることとなり、ボディカラーホワイトとグレーの2色で前回設定されていたグリーンは廃止された。インテリアカラーはホワイトがブラックをグレーはベージュが採用された。エンジンやハンドル位置の変更はない。2012年8月21日にベースモデルであるA4アバントのマイナーチェンジに伴い、新デザインのフロントグリルとこれまで要望が多かった「リアビューカメラ」と「スタートストップシステム」が搭載された。ボディカラーはホワイトがメタリック系に変更された以外に変更はないものの、シートカラーはブラックのみとなり、台数も前回より100台少ない200台の限定販売となった。同日発売となったC7系A6オールロードクワトロと比べて「エコカー減税」ならびに「エコカー補助金」の対象外である。