『アイ・キャン・オンリー・イマジン 明日へつなぐ歌』(原題:I Can Only Imagine)は2018年にアメリカ合衆国で公開された(宗教映画)である。監督は(アーウィン兄弟)、主演は(J・マイケル・フィンレイ)が務めた。本作は(バート・ミラード)が作詞・作曲を手掛け、(マーシーミー)が2001年に発表した楽曲『I Can Only Imagine』の誕生秘話を描いた作品である。
アイ・キャン・オンリー・イマジン 明日へつなぐ歌 | |
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I Can Only Imagine | |
監督 | (アーウィン兄弟) |
脚本 | ジョン・アーウィン (ブレント・マッコークル) |
原案 | ジョン・アーウィン ブレント・マッコークル (アレックス・クレイマー) |
原作 | (バート・ミラード)『I Can Only Imagine』 |
製作 | (ケヴィン・ダウンズ) (シンディ・ボンド) (ミッキー・リデル) (ダリル・ルフェーブル) (ピート・シレイモン) |
製作総指揮 | (スコット・ブリッケル) (ホリー・エリス) (スコット・エリス) (トニー・ヤング) (トラヴィス・マン) (サイモン・スチュワート) (マイケル・フラハティ) |
出演者 | (J・マイケル・フィンレイ) デニス・クエイド クロリス・リーチマン マデリン・キャロル |
音楽 | ブレント・マッコークル |
撮影 | (クリストファー・キムリン) |
編集 | アンドリュー・アーウィン ブレント・マッコークル |
製作会社 | (ケヴィン・ダウンズ・プロダクションズ) (ミッション・ピクチャーズ・インターナショナル) |
配給 | ライオンズゲート,ロードサイド・アトラクションズ (イーストワールド・エンターテインメント),(カルチャヴィル) |
公開 | 2018年3月16日 2020年11月13日 |
上映時間 | 110分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $7,000,000[1] |
興行収入 | $83,909,401[1] |
ストーリー
10歳のバート・ミラードはクリスチャンのキャンプに参加することになった。例えほんの数日であっても、暴力的な父親(アーサー)の抑圧から逃れられることは、バートにとって大きな喜びであった。バートはキャンプで出会ったシャノンと親しくなった。帰宅後、バートは母親の姿が見えないことに気が付いた。母親は夫の抑圧に耐えかねて家を飛び出してしまったのである。それに苛立っていたアーサーは怒りを息子にぶつけた。
高校生になったバートはフットボールの選手を目指して日々努力する一方で、シャノンと交際を始めていた。そんなある日、バートは試合中の事故で両足を骨折してしまい、プロへの道が断たれることになった。バートは音楽コースに編入することになり、音響に関する技術を学ぶことになった。作業中、バートが誰もいない部屋で歌っていると、そこに音楽科の教員(フィンチャー)が通りかかった。フィンチャーはバートに歌の才能があると確信し、彼をミュージカル『オクラホマ!』の主役に抜擢した。アーサーとの確執が残っていたため、バートは自分の晴れ舞台に父親を招待できずにいた。その頃、アーサーはがんと闘病していたにも拘わらず、やはり確執が原因で自分の病状を息子に打ち明けられずにいた。シャノンはバートとアーサーの関係修復に動いたが、それが原因でバートと破局することになった。バートは卒業後に故郷を離れ、ミュージシャンになる夢を叶えるべく都会に打って出ることにした。
都会にやって来たバートはマーシーミーの前進となるバンドに所属した。ライブ活動の結果、バートたちはキリスト教音楽のプロデューサーとして名高いスコット・ブリッケルの目に留まった。ブリッケルはナッシュビルでのライブを手配し、一行をエイミー・グラント、マイケル・W・スミスのような大物ミュージシャンに引き合わせた。ミュージシャンへの道が開けたバートは、これをきっかけにシャノンとよりを戻そうとしてライブのチケットを送った。シャノンがライブに来なかったことは残念だったが、観客からの評判は上々であった。バートたちは音楽産業の重鎮たちとの会合に臨んだが、彼らの批評は辛辣極まりないものであった。すっかり意気消沈したバートは「父親が夢を見ることに反対したのは正当だった」と思い、バンドを解散して故郷に帰ろうとした。ブリッケルはそんなバートを「1回の失敗で挫けてどうする」と激励した。彼のアドバイスを受けて、バートはアーサーと真剣に話し合うことにした。
アーサーと和解したバートだったが、程なくしてアーサーはガンのために亡くなった。一連の経験を踏まえて、バートは『I Can Only Imagine』という曲を書き上げた。この曲はバートにとって入魂の一曲であったのは間違いないが、それが音楽史に残るヒット曲になるとは本人も予想していなかった。
キャスト
- (J・マイケル・フィンレイ) - (バート・ミラード)
- (ブロディ・ローズ) - 子供時代のバート
- デニス・クエイド - アーサー・ミラード、バートの父親
- クロリス・リーチマン - バートの祖母
- マデリン・キャロル - シャノン
- (ティーゲン・バーンズ) - 子供時代のシャノン
- (トレイス・アドキンス) - スコット・ブリッケル
- (プリシラ・シャイラー) - ミセス・フィンチャー
- (ニコール・デュポート) - エイミー・グラント
- (ジェイク・B・ミラー) - マイケル・W・スミス
- (マーク・ファーズ) - ネイサン
製作
2016年12月、マーシーミーのヒット曲『I Can Only Imagine』の誕生秘話が映画化されると報じられた[2]。2017年1月、J・マイケル・フィンレイ、デニス・クエイド、クロリス・リーチマン、トレイス・アドキンスの出演が決まった。なお、長らくブロードウェイで活動してきたフィンレイにとって、本作が映画デビュー作となった[3]。8月、ライオンズゲートとロードサイド・アトラクションズが本作の配給権を獲得したとの報道があった[4]。
興行収入
本作は『トゥームレイダー ファースト・ミッション』や『Love, サイモン 17歳の告白』と同じ週に公開され、公開初週末に200万ドルから400万ドルを稼ぎ出すと予想されていたが[5]、公開初日だけで620万ドルを稼ぎ出すという予想外のヒットを記録した[6]。2018年3月16日、本作は全米1629館で封切られ、公開初週末に1710万ドルを稼ぎ出し、週末興行収入ランキング初登場3位となった[7]。この数字は宗教映画としては歴代4位となる数字であった[8]。
評価
本作は批評家から好意的に評価されている。映画批評集積サイトのRotten Tomatoesには22件のレビューがあり、批評家支持率は68%、平均点は10点満点で6点となっている。サイト側による批評家の見解の要約は「『アイ・キャン・オンリー・イマジン 明日へつなぐ歌』が発するメッセージはキリスト教を信仰する観客に絶大なインパクトを与えるだろう。しかし、全体を見れば、同作における演技とストーリーテリングは宗教映画における劇的な進歩を示している。」となっている[9]。また、Metacriticには7件のレビューがあり、加重平均値は29/100となっている[10]。なお、本作のシネマスコアは最高値A+となっている[11]。
出典
- ^ a b “I Can Only Imagine”. 2018年4月1日閲覧。
- ^ “MercyMe hit song turning into Okie production”. 2018年4月1日閲覧。
- ^ “Faith-Based Film ‘I Can Only Imagine’ With Dennis Quaid, Cloris Leachman And Trace Adkins Eyes Spring 2018 Release”. 2018年4月1日閲覧。
- ^ “Lionsgate, Roadside Acquire Faith-Based Drama 'I Can Only Imagine'”. 2018年4月1日閲覧。
- ^ “Will ‘Tomb Raider’ Be the Movie to Finally Knock ‘Black Panther’ From Box Office Perch?”. 2018年4月1日閲覧。
- ^ “‘Black Panther’ Poised For $460M+ Profit; Faith-Based ‘I Can Only Imagine’ Surprises With $15M+”. 2018年4月1日閲覧。
- ^ “March 16-18, 2018”. 2018年4月1日閲覧。
- ^ “Box Office: 'I Can Only Imagine' Revives Faith-Based Genre”. 2018年4月1日閲覧。
- ^ “I Can Only Imagine”. 2018年4月1日閲覧。
- ^ “I Can Only Imagine (2018)”. 2018年4月1日閲覧。
- ^ “‘I Can Only Imagine’ Directors Join Spielberg, Zemeckis, and More as Filmmakers With Two A+ CinemaScores”. 2018年4月1日閲覧。
外部リンク
- 公式ウェブサイト (英語)
- 公式ウェブサイト (日本語)
- I Can Only Imagine - IMDb(英語)