アイオノマー(ionomer IO)は、金属イオンによる凝集力を利用し高分子を凝集体とした合成樹脂。「イオン + ポリマー」の意味。
アクリル酸またはメタクリル酸をエチレンなどと組み合わせている。厳密には熱溶融しないが、加熱すると分子間架橋が緩んで流動性を示すため、熱可塑性樹脂と同じ手法で成型加工が可能。
種類
最も一般的なエチレン系アイオノマー(CAS番号25608-26-8)の他にも、ウレタン系・スチレン系やフッ素系高分子を使用したアイオノマー樹脂も製造されている。
製法
特徴
改質
一部着色される以外は、特別な改質を行わず使用されている。
用途
歴史
1945年にアメリカのデュポンが開発。透明性や強靭さから、食品包装の分野で早くから利用された。ピンホールが空きにくい性質を利用し、スライスハムなどの深絞り包装を実現した。また、反発力が着目されゴルフボール素材への導入も進み、これらの分野では一世を風靡した。
用途
包装材料、特にスキンパック用や金属との複合材料用またはヒートシール素材。弾力性を生かしたゴルフボール素材やスポーツ用品・靴部品など。
出典
- 『プラスチック活用ノート』 伊保内賢編 大井秀三郎・広田愃著 工業調査会 (ISBN 4-7693-4123-7)