しんせいとは、日本たばこ産業(JT)が製造・販売していたたばこの銘柄である。ソフトパック。発売時から長年両切りタイプであったが末期の2016年6月以降はフィルター付きタバコになっていた。タール22mg、ニコチン1.6mg。
歴史
日本専売公社が発足した1949年(昭和24年)6月1日に発売された。戦後復興を背景にした新銘柄として「新生(しんせい)」の名称を与えられた。
「旧3級品」と呼ばれる製品のひとつ。1950年代には、それまで人気のあったゴールデンバットに代わって大衆向けの人気銘柄となった。1950年代中期には原料葉不足で、ゴールデンバットともども専売公社の生産・供給能力が追いつかず、煙草店でも品切れが多発して、価格の高い「いこい」を求めざるを得ない事態が起きた。当時、参議院の大蔵委員会でも「バット」「しんせい」と銘柄を名指しして、供給不足が問題に取り上げられた事例があった[1]ほどである。
2016年には発売以来初となる改良が発表された。ゴールデンバットとともにフィルター付きになり、タール値は22㎎から15㎎、ニコチン値1.6㎎から1.0㎎へ変更となった。また、価格は30円高い280円となる。2018年4月1日より一箱350円となる。
意匠
愛煙者・フィクションでの登場
- イアン・フレミングのスパイ小説「ジェームズ・ボンド」シリーズの一つ『007は二度死ぬ』(1963年)では、来日したボンドが普段吸うたばこの代わりに本品を吸い、出先でも買い求めていた。「カリフォルニア葉の味」「軽く、すぐ吸い終わってしまう」など吸い味についての言及もされているが、これには1962年に自ら来日したフレミングの日本での見聞が活かされている。作中でボンドが愛飲しているたばこは、ロンドンの高級煙草店で、強い味にブレンドした葉を特注で巻かせているという設定になっており、日本製紙巻きたばこの中では強い部類に入る「しんせい」でもまだ軽いということになる。
- 菊池秀行の小説『魔界都市〈新宿〉』などのドクター・メフィストシリーズでは、朽葉刑事が愛飲するたばことして本品が登場する。
- 映画「帰って来たヨッパライ」(1968年)では、50円に値上がりした本品を40円で買おうとするシーンがある。
製品一覧
販売終了製品
関連項目
外部リンク
- その他紙巻たばこ | JT ウェブサイト