『くるくるダイヤル ザ・ゴリラ』は、ニッポン放送で1981年11月2日から1983年4月29日まで、月曜日から金曜日の21:00(21:10) - 25:00に放送していた若者向けのラジオ番組(ブロックワイド)。
概要
前番組『大入りダイヤルまだ宵の口』は関東地方のラジオにおいて、夜の時間帯の聴取率で覇権を握っていた存在だった。しかし、1980年10月に文化放送で『吉田照美の夜はこれから てるてるワイド』がスタートし、聴取率が猛追された。1981年に入って、『宵の口』は覇権を奪われた形になったため((吉田照美のてるてるワイド#概要)も参照)、これに代わってスタート。『宵の口』から1時間拡大して25時までの4時間枠となり、『オールナイトニッポン』一部・二部(当時)と合わせて8時間編成となった。また、これに合わせて『コッキーポップ』も本番組に内包された。
当番組が狙ったリスナー層は「女性」だった[1]。ニッポン放送の調査では『女性がたくさん聴いてくれると、番組が盛り上がる』というデータがあったため、この番組では女性受けするような番組作りを目指していた。月曜日から木曜日までのメイン・パーソナリティであった、塚越孝のマイクネームを、塚たんくろう(一時期は、塚越パセリとも)としたのはその一環であり、金曜日の2代目パーソナリティを務めていた上柳昌彦も同様の路線からか自ら、近藤真彦のニックネームに掛けて『ニッポン放送のマッチ』と名乗っていたことがあった[1]。金曜日のオープニングは当時ニッポン放送で一番大きかったスタジオ「ラジオハウス銀河」からゲストを迎え、客を入れての生放送だったが、200人は入るスタジオに客はいつも15人前後だったと上柳昌彦が回想している[2]。
短期間で打ち切り、ブロックワイドの在り方を見直して『ヤンパラ』へ
しかし、本番組は改編期では無い1983年5月に約1年6カ月で終了。一方、裏番組『てるてるワイド』は全盛期を迎えていた。2年足らずで終了した理由の一つとして、パーソナリティの露出についての考え方や構成の違いが大きいといわれている[1]。
『てるてるワイド』は、メイン・パーソナリティの吉田照美の出演時間が比較的多かったのに対して、この番組と前番組の『大入りダイヤルまだ宵の口』は内包番組(フロート番組)が多過ぎてメイン・パーソナリティの出る時間が少ないという構成が、裏目に出てしまう結果となった[1]。『宵の口』が打ち切りとなる直前には、約3時間の番組枠の中に15本のコーナー番組が組み込まれていたことから、メイン・パーソナリティが本来のトークを発揮できず、コーナー番組を繋いでいくだけの存在になってしまっていた[1]。しかし、そのスタイルを反省を活かさないまま『ザ・ゴリラ』でもそっくりそのまま完全に引き継いだことが仇となり、早期打ち切りへ繋がったのである。共にブロックワイドという形態をとる番組であるが、内包番組とメイン・パーソナリティの存在とのバランスが難しいということを示した事例であるともいえる。
この反省を踏まえて、後番組『ヤングパラダイス』(『ヤンパラ』)では内包番組を2時間で4本まで削減、パーソナリティの高原兄→三宅裕司の個性を前面に出す構成を取ることとなり、文化放送との覇権争いに新たな局面をもたらすこととなった[1]。なお、『ザ・ゴリラ』で放送されていた内包番組のうち、花王・ライオン・資生堂の一社提供枠は出演者・パーソナリティは変えたがスポンサーは続投した上で『ヤンパラ』でも継続(東芝提供枠は一旦夜ワイドから独立番組として別時間帯に移した後にパーソナリティ・タイトルを変えて『ヤンパラ』に復帰)した一方、『宵の口』から長きに渡り続いた『夜のドラマハウス』のようにスポンサー(ネッスル日本)も降板し完全に廃枠となった箱番組もあった。
『ヤングパラダイス』は2時間枠となり21時台と24時台は分割。長らく夜ワイドに内包していた『日立ミュージック・イン・ハイフォニック』を『日立ミュージック・イン』として空いた24時台前半に移動させ、30分からからの10分の録音番組枠には東芝提供枠と共にスポンサーをスライドさせて独立したパイオニア提供枠が移動(その後降板)、後半20分を同じく夜ワイドから独立させた『コッキーポップ』に充てた。24時台のこの編成体制はスポンサーを引き継いだまま1990年春改編まで続くこととなる。
パーソナリティ
内包番組
1981年11月 -
- ※のコーナーは一部変更した上で、末期1か月間の『宵の口』の編成を引き継いだ。
21時00分 - 22時00分
- ガボットゲーム10万円つかみどり!※
- 田原俊彦・グッドラック2ナイト※
- 電話でブリッ子!翔べ翔べ阿呆鳥※
- ’82飛び出せ!全国DJ諸君おもしろ大ベストテン※
- プレゼント情報※(タイトルから前番組の名を削除して継続)
- イングリッシュブレーク(1982年2月)
- 受験生60秒講座(1982年3月)
- イモ欽トリオのでたとこ勝負!※
22時00分 - 23時00分
- 日立ミュージック・イン・ハイフォニック※
- ひかる一平・恋のサインはSHE-SAYS-DO!※
- 拝啓!青春諸君※
- 夜のドラマハウス※
23時00分 - 24時00分
- 山本コウタローのライオン・フォーク・ビレッジ※
- 塚越・奈保子のランナウェイ!サウンドレポート(河合奈保子)( - 1981年12月、夜ワイド変更に伴いパーソナリティを変更して継続。)※
- 塚たん・奈保子のランナウェイ!サウンドレポート(河合奈保子)(1982年1月 - 、塚越のマイクネーム導入に伴いタイトル変更)
- ロッテカムカムテレフォン( - 1981年12月)※
- くるくるテレフォン(1982年1月 - 2月)
- 坂田明のほとんど天才!(1982年3月1日 - )[3]
- キリンラジオ劇場※
- ザ・パンチ・パンチ・パンチ※
24時00分 - 25時00分
- 長渕クンと藤岡くん(長渕剛、藤岡孝章)
- ドキドキやるしかNight(鈴木雅之)( - 1981年12月)※
- マイバンホリデー(1982年1月 - )
- 伊藤蘭 通りすぎる夜に
- コッキーポップ(大石吾朗)
1982年4月 -
21時10分 - 22時00分
- テレフォンパニック・ザ・ゴリラ!!
- ホラッチョ学園
- イモ欽トリオのでたとこ勝負!
22時00分 - 23時00分
- 日立ミュージック・イン・ハイフォニック
- 田原俊彦・誘惑トゥナイトSHE-SAYS-DO!
- 拝啓!青春諸君
- 夜のドラマハウス
23時00分 - 24時00分
- ライオン・ミュージック・ビレッジ 桑田佳祐のミスターポップス!
- 塚たん・よしえのランナウェイ!サウンドレポート(柏原よしえ)
- おたよりゴリラ
- 坂田明のほとんど天才!
- ザ・パンチ・パンチ・パンチ
24時00分 - 25時00分
- 長渕クンと藤岡くん(長渕剛、藤岡孝章)
- ゴリラテレフォン
- 電リクパジャマミュージック
- コッキーポップ(大石吾朗)
1982年10月 -
21時00分 - 22時00分
- テレフォンパニック・ザ・ゴリラ!!(月曜ー木曜のオープニングコーナー)
- はな金パニック ザ・ゴリラ(金曜のオープニングコーナー)
- 郷ひろみ・あきれるほどにサムシング(1982年11月 - )
- ’83飛び出せ!全国DJ諸君
- よい子のおじかん
- とっておきタイム
22時00分 - 23時00分
- 日立ミュージック・イン・ハイフォニック
- 田原俊彦・誘惑トゥナイトSHE-SAYS-DO!
- 拝啓!青春諸君
- 夜のドラマハウス
23時00分 - 24時00分
- ライオン・ミュージック・ビレッジ 桑田佳祐のミスターポップス!
- 塚たん・芳恵のランナウェイ!サウンドレポート(柏原芳恵)
- おたよりゴリラ
- 川島なお美・おもしろソーダ
- ザ・パンチ・パンチ・パンチ( - 1982年12月)
- 好きさ好きさ好きさ(1983年1月 - )
24時00分 - 25時00分
- 長渕クンと世良くん(長渕剛、世良公則)
- ゴリラテレフォン
- 電リクパジャマミュージック
- コッキーポップ(大石吾朗)
1983年4月
21時10分 - 22時00分
- テレフォンパニック・ザ・ゴリラ!!(月曜-木曜のオープニングコーナー)
- はな金パニック ザ・ゴリラ(金曜のオープニングコーナー)
- よい子のおじかん
- とっておきタイム
22時00分 - 23時00分
- 日立ミュージック・イン・ハイフォニック
- 田原俊彦・誘惑トゥナイトSHE-SAYS-DO!
- 拝啓!青春諸君
- 夜のドラマハウス
23時00分 - 24時00分
- ライオン・ミュージック・ビレッジ 桑田佳祐のミスターポップス!
- 塚たん・芳恵のランナウェイ!サウンドレポート(柏原芳恵)
- おたよりゴリラ
- 好きさ好きさ好きさ
24時00分 - 25時00分
- 長渕クンと世良くん(長渕剛、世良公則)
- ゴリラテレフォン
- 電リクパジャマミュージック
- コッキーポップ(大石吾朗)
脚注
- ^ a b c d e f 月刊ラジオパラダイス1988年8月号特集「全国4大エリア夜ワイド合戦絵巻」より。
- ^ 上柳昌彦・著『定年ラジオ』(2018年8月27日、三才ブックス (ISBN 978-4866730684))28 - 30頁
- ^ 「SJジャズ・チャンネル~テレビ・ラジオのジャズ番組案内」『スイングジャーナル』第36巻第4号、スイングジャーナル社、1982年4月1日、53頁、(NDLJP):2300175/28。
ニッポン放送 月曜日 - 木曜日 22:00 - 24:00 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
くるくるダイヤル ザ・ゴリラ | ||
ニッポン放送 月曜日 - 木曜日 24:00 - 25:00 | ||
24:00 / 長渕クンと藤岡くん 24:10 / ドキドキやるしかNight 24:20 / 伊藤蘭・通りすぎる夜に 24:30 / コッキーポップ | くるくるダイヤル ザ・ゴリラ |
ニッポン放送 金曜日 22:00 - 25:00 | ||
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
大入りダイヤルまだ宵の口 | くるくるダイヤル ザ・ゴリラ | (恋する電リク・マイクストロベリーショー) |